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「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」環望
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「東京湾にヴァンパイア特区をつくる」という衝撃的な宣言と共に全世界のメディアの前にその姿を現した吸血鬼の女王は、可憐な少女の姿をとっていた。彼女の名はミナ・ツェペッシュ。人狼の血を引く少年・アキラを護衛に従え、人間社会との軋轢や身内同士の内紛を乗り越えてヴァンパイアの理想国家を築きあげるべく奮闘する小さな姫君の活躍を描く、ええと、いったいなんと形容すればいいんだろう、こういう作品のことは。たぶんヴァンパイアホラー・ポリティカルサスペンス・バトルアクション・ラブストーリー(?)。

「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」環望_a0030177_17232621.jpg「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」環望_a0030177_17234498.jpg「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」環望_a0030177_1723566.jpg「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」環望_a0030177_11231447.jpg
このところ吸血鬼ものがほんのりマイブームであれこれ手を出してみているんですが、これもそのうちのひとつ。掲載雑誌がマイナーなせいか知名度は今ひとつな印象があるものの、個人的に非常に期待をかけている漫画です。痛快な人外バトルアクション、高貴でりりしいヒロインキャラの魅力、種族の違いが生む葛藤のドラマ、シビアな政治陰謀劇の緊張感、そして何より、物語の背後にどっしり横たわる「日本ヴァンパイア特別居住区」という強力な設定。これはおいしい。この設定だけでもう半分以上勝ったも同然じゃねーかと思ったぐらいですよ。

一般的な吸血鬼のイメージとして僕たちがまず思い浮かべるのは、王侯貴族のような風体でヨーロッパの古城あたりに隠棲し、不吉な噂を振りまき、女子供をさらっては牙にかけるとかそういった類いのものでしょう。あるいはもう少し現代的なタイプを考えるとしても、人目を忍んで大都市の片隅に生きる闇の住人とか流浪の吸血鬼ハンターとか、せいぜいその程度かと。
しかしこの作品の吸血鬼は、一人や二人の異分子が人間社会の中にまぎれこんだなどという可愛らしいものではありません。桁がちがうんです。彼らは何千人、何万人もの大集団となり、人目をはばかることなく堂々と合法的に東京の「出島」に移住してきてしまうのです。人間側への経済的援助とひきかえに、ヴァンパイアがその本性にしたがって生き、法によって保護され、教育や福祉を受け、幸福な生活を営める土地──つまり、人間の国家とまったく同じ意味での国を我らに作らせよ、という要望をかかげて。
いまだかつて、これほど大っぴらに人間との共存を求めてくる吸血鬼を描いたフィクションがあったでしょうか?

ちなみにタイトルにもなっている「bund」は日本語では外灘、租界などと呼ばれるもので、外国人が居住し、統治権もその外国に委ねられた小領土の意。19世紀の上海、香港、マカオなんかがこれに当たるらしいです。猫の額ぐらいのミニ植民地っていう認識でいいのかな。

連載誌は月刊コミックフラッパー、単行本は現在第4巻まで刊行中。僕はまだ3巻までしか読んでないのですが、そのかぎりでは一応、主人公の人狼少年アキラとヴァンパイアの女王ミナ姫が演じる活劇とラブストーリーが本筋扱いの模様。ただしその中においても、建国したてのヴァンパイアバンドを揺さぶる陰謀や人間サイドとの政治的・社会的トラブルという切り口は健在で、ドラマの背後に設定の厚みが感じられる作品づくりがなされています。人物画も上手いので、まず絵を愛でるとこから入る僕のようなタイプの読者にとっても目に嬉しい作品なんじゃないかと。

ただ、作者の環望氏は複数の雑誌連載を同時に抱えていてやや多忙な様子。進行速度はゆっくりでいいんでがんばってくれー。と蔭ながら応援しとります。

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ヴァンパイアは皆、哀れな「百代の過客」なのだろうか」の吸血鬼フィクションリストをちょっと更新。

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[ニコニコ] ちん刊アイドルマスターランキング 1月第2週
すげー。なんかアイマス動画界の先端技術実験場と化してる。

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半自分用

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なんと、桜庭一樹が直木賞受賞とな。でも「私の男」より「赤朽葉家の伝説」のほうが面白そう。

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円城塔「Boy’s Surface」の書影
黄色の次は赤一色。ずっとこのパターンで通すつもりなんだろうか。

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ガンスリ二期1話。一応見てみたけど、結局10分も耐えきれずリタイア。無理っす。痛々しくて。これ、脚本・監修が相田裕ってこととなんか関係あるのかな。
by umi_urimasu | 2008-01-12 11:34 | アニメ・マンガ


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