ルー=ガルーのコミカライズに釣られて購入。ビッグネームと呼ばれる作家の名が踊る紙面に温故知新的な出会いを求めて読んでみたのですが、結果はどうだったかというと……
宮部みゆき×中平正彦「ドリームバスター」 現実と夢のあいだを行ったり来たりのファンタジーアクション。パプリカと和製RPGの世界観をくっつけたような路線と言えば近いかも。面白そうではあるものの、冒険野郎シェンのコスチュームが頭の弱いラノベみたいなのが泣けます。宮部みゆきは数冊読んでみて「火車」以外があまり合わず、最近は敬遠中。 京極夏彦×樋口彰彦「ルー=ガルー」 意外にも好感触。萌え記号の導入、プロットや人物像の大幅な改変など、ほとんど設定だけ借りた別作品になってはいますが、京極の忠実な漫画化なんてそもそもできるわけがないんだから、むしろ盛大に壊してくれて正解だったんじゃないかと思います。 葉月が何かというとすぐに鼻血を出したり歩未や美緒との関係があからさまに百合っぽいのはどう見てもラノベリーダー対策。「30才以上推奨」と謳っているらしいこの雑誌の中では、それが逆に異彩を放っているのがなんだかおかしい。 遠藤浩輝「Hang II」 天からワイヤーでつり下げられた陸地に住む人類。なんかデルタベルン(→フロートテンプルね、そうそう)みたいだな。なぜワイヤーで吊られているのかはわからない。ワイヤーの出所もわからない。とにかくただ吊ってある。じつにSF的な舞台です。でも物語のほうは高校生ぐらいの雄と雌がやることヤってるだけのいつもの遠藤浩輝。 コミックアンソロジー「日本ふるさと沈没」の広告 うおっ読みたっ! 日本各地が沈みます。あなたのわたしのふるさとが。小松左京公認。 吾妻ひでお「不条理日記2006」 元ネタがはっきりわかったのは「宇宙消失」「太陽の簒奪者」「あなたの人生の物語」「漂った男」「魍魎の匣」「万物理論」ぐらい。あとはさっぱり。SFに詳しい人、もしよければ教えてください。 梶尾真治×鶴田謙二「おもいでエマノン」 原作未読。鶴田謙二の絵は大好きなんだけど、連載漫画としては分量が少なすぎるし物語としては進みかたが遅すぎる。これを雑誌連載で追うのはつらいぞ。 安彦良和「麗島夢譚」 倭冦の少年の活躍を描く歴史活劇。安彦の絵は中略なんだけど連載漫画としては分量が後略。 大塚英志×騎崎サブゼロ「三つ目の夢二」 竹久夢二が主人公の大正幻想譚。絵は中略だけど連載漫画としては後略。 石黒正数「ネムルバカ」 短い断片的な作品ばかりが並ぶなかで、起承転結よろしく必要十分なボリュームのストーリーが読める数少ない例外。学生たちの平凡な日常をなにげなく描きながら、なにげなさの中に垣間見えるドラマの欠片が読み手を引きつける。収穫でした。 ひらりん「のろい屋しまい」 幼女魔法使いコメディ。絵がうまい。 監督:押井守「女立喰師列伝」 はいはいアヴァロンアヴァロン。 後半へいくほど投げやりですね。すみません。誠意が足りません。
by umi_urimasu
| 2006-10-01 19:57
| アニメ・マンガ
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