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「マインド・ゲーム」湯浅政明
「マインド・ゲーム」湯浅政明_a0030177_22314848.jpgう──ん。説明が難しい。とにかく見てもらうのが一番てっとりばやいと思うけど。猥雑で奔放、アニメーション表現の『枠』を爆発的に広げるエネルギッシュな映画です。山本精一の起用という意外性もさりながら、監督の湯浅政明って人は……何者ー!?
どこをどうやったらあんなことができるわけ。もう生まれたときより驚いたよ俺は。


どぎつい演出、めまぐるしいテンポ、サイケデリックな音楽や色彩。この驚きを数字にするなら「ハウルの動く城」の20倍ぐらいの大ショック。別に大げさじゃないですよ。実際、あんなもん見てるヒマがあったらこっち見てくださいと言いたいぐらい。
でも、説明するとなるといい言葉が見つからない。似た作品や表現を知っていれば「○○みたい」という言い方もできるけど、これに関してはあまりに経験不足で、そもそも比べるものが自分の中に見当たらないみたいなんで。ここまでポップな感触は、実写ではまず出せないだろうし……。
とりあえず「マンガ絵の限界ぎりぎりまで躍動性を誇張したアニメ表現」とでも言っておこうか。ってもわけわからんよね。これはやっぱ、実際に見てもらうしか。

山本精一についてはROVO等で知ってはいたものの、映画音楽というのはあまり想像がつかなくて半信半疑でした。でも実際見てみると、エキセントリックな映像に違和感なくハマってます。前衛的になりすぎず、かといって単にポップなだけでもなく。ほんとに何でもできる人だなこの人は。しかしクライマックスのドラム乱打にはワラタ

監督の湯浅政明氏は「クレヨンしんちゃん」劇場版などの仕事で、クリエイターの間では非常に高い評価を受けている人らしいです。「オトナ帝国の逆襲」で東京タワーのシーンをやったという、あの人なんだね。
山本精一氏は泣く子も黙るボアダムズの中の人。独創的・前衛的な音楽家として世界的な有名人のはずですが、ROVOを率いてクラブに出ればただの台風男。勝井祐二、大友良英ら、ほとんど日本最強といっていいメンバーを揃えたすさまじい音圧のアンサンブルは一見の価値ありっすよ。
で、スタジオ4℃は「MEMORIES」や「アニマトリックス」に参加した所だそう。技術は折り紙つき、と。

あと、この作品は松本大洋の漫画をアニメ化できる可能性をも示していると思います。かなり特殊な作風の松本大洋作品、アニメーション映像にするなら、おそらくどこの誰よりも「マインドゲーム」のスタッフが適任じゃないだろうか。ぜひ彼らの手で「ピンポン」「鉄コン筋クリート」「ナンバー吾」の辺りを動かしてみてほしい。さらに、特殊といえば黒田硫黄も忘れてならじ。「茄子」を凡作アニメにしてしまったジブリなんかよりはスタジオ4℃の方がはるかに期待できそうだし、ぜひいつかアニメ化にトライしてもらいたいです。
by umi_urimasu | 2005-03-12 22:41 | 映画


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