「異星人の郷」 マイクル・フリン
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異星人の郷 上 (創元SF文庫)

マイクル・フリン / 東京創元社


異星人との交流を「徹底的に中世人の視点から」描く異色のファーストコンタクトSF。ゲームなどにありがちなナンチャッテ中世じゃない、リアル中世の暮らしってどんな感じなのか、SF分を補給しつつその雰囲気だけでも味わえたらと手にとった本が、まさかここまで完璧に期待通りの内容とは。うれしい誤算でした。

マイクル・フリンの紹介や著作歴についてはこちら。↓
嶋田洋一/マイクル・フリン『異星人の郷』訳者あとがき
作者の得意ジャンルはハードSFらしいのですが、「異星人の郷」ではそうした要素はひかえめで、中世ヨーロッパの科学観・宗教観や地道な異文化交流をこつこつ描き込むことに重きがおかれています。ぶっちゃけ、物語の結構としては非常にありきたりなもので、展開もひたすら地味です。

しかし、思うにその点こそがこの作品のいいところではないかと。中世を忠実に再現し、目新しいSFアイデアや派手なドラマを排したおかげで、「リアル中世人がもし宇宙人と出会ったらどう接したか」を当時の人々の日常感覚にすごく近いポジションで読めるようになってる、と思うので。彼らの言うことなすことには、現代人には理解しがたいところもあれば、まったく今と変わらないところもあります。ドラマ性が悪目立ちしないから、そういった差分がとてもはっきり見える。
そして、すべてをまたたく間に滅ぼしてゆくペストのむごさも、気のきいたうまいドラマなどないからこそ、日常性と地つづきの救いがたい絶望感をもって迫ってきます。題材的にウィリスの「ドゥームズデイ・ブック」などを思い起こさせる作品ですが、手法がちがえばこんなにも味わいが変わるんですね。

あと、個人的にたぶん一番おいしかった部分が、膨大な中世描写から受けるプチ・カルチャーショック。「え、これマジ? 中世ってほんとにこうだったの?」っていう小ネタの量がとんでもない。作者のあとがきによれば、「14世紀中期のラインラント地方の状況をできるだけ正確に描くようつとめた」「二つの例外を除いて、作中で言及した歴史的なできごとや人物はすべて実在のもの」とのこと。大きな歴史の動きだけでなく、村のもめごとを解決する裁判はどんなんだったとか、宴会のときに何を食べるか、騎士の叙勲式では何をするのか、冠婚葬祭のようすがどんなふうか、といった実生活のことまでほんとうに細かく書かれていて、一文一文が驚きの連続でした。この本だけで、自分の中の中世ヨーロッパのイメージがずいぶんゆたかになった気がします。中世知識がたまりつつ読み物としても面白いネタ本として、ぜひ本棚に常備しておきたい一品。

とまあ、個人的には大当たりな作品でしたが、万人におすすめとはいいがたいかもしれません。派手なアイデアSFが読みたい and/or 歴史にまったく興味ないという読者にはあんまり向かないかも。


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ここからキング話。
いま読んでいるのは「シャイニング」なんですが、その巻末の出版書籍一行紹介の欄をなにげなく眺めていたら、キングのラインナップが、紹介文からして面白すぎてですね。こんなのとか。
「季節はずれの山中の別荘。妻を緊縛してセックス遊戯にふけるはずだったジェラルドは急死、床に転がっている。バンザイの恰好で両手をベッドポストにつながれたまま取り残されたジェシーを、渇き、寒さ、妄想が襲う」
ジェラルドのゲーム (文春文庫): スティーヴン・キング
うむ。これはひどい。文春文庫のキングのラインナップはこんなんばっかりのようです。じつにひどくてよろしい。年代順に読むならそろそろ「スタンド」や「IT」にも挑戦すべき頃合いだけど、踏ん切りがつくまでこういう一冊ものを読み漁っておくのもありではないか。と思う今日このごろ。あ、ちなみにシャイニング巻末の解説は桜庭一樹でした。でも全然解説してなかった。

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ロシア人科学者による14万語におよぶ指輪物語の「モルドール視点バージョン」がファンの手で英訳公開
なんと、ようやるなあ。1999年に Eskov Kirill により書かれた「The Last Ring-Bearer」は、指輪物語における善悪の位置づけを反転させてモルドール/サウロン視点から語りなおした作品だそうです。英語版全文は こちら。とりあえずなんというか、乙。


シャイニング〈上〉 (文春文庫)

スティーヴン キング / 文藝春秋


読了。記憶にあるキューブリックの映画版とあまりにも印象がちがうんでびっくりしました。原作はこんなにヒューマンな、イイ話っぽい物語だったのか。
シャイニング (映画) - 原作との違い
いろんな意味で恐ろしい逸話集。ヒステリックな演技をさせるために女優を意図的にいじめたっていうのが(事実だとしたら)いちばん怖いっす。

京極堂「サザエ鬼?」タラヲ「です」
無駄に出来のいい京極夏彦パロディ二次創作小説。思わず全部読んでしまった。文体だけでなく民俗学的うんちくや推理=憑き物落としの流れまでしっかり作り込んであり、サザエさんネタを活かしたオチも見事。ストーリーはけっこう陰惨なので苦手な人は要注意です。


シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ


小説がひきがねになって映画の方も久しぶりに見なおしてみました。ウームこわ美しい。キングからは「エンジンを積んでない豪華なキャデラック」と酷評されたそうですが、これはエンジンをとっぱらって美的インパクトを追求した観賞用キャデラックなのだと思えば。

[ニコニコ] 第6回MMD杯本選
あにょわ~

『SFが読みたい! 2011年版』「ベストSF2010」ランキング
「華竜の宮」は読んどこうかな。

質問: あなたが何度も読み返してしまうSF/FT/ホラー小説は?
バチガルピさんの回答はデューン、銀河市民、クリプトノミコンですって。なんでもアリアリな大河小説っぽいのが好きということであろうか。

[画像] ‘Snow monsters’ of Japan
クトゥルーちっく?美しくもどこか不気味な樹氷写真

Togetter - 「SFタイトルをラノベ調にしてみた まとめ」
「ゼロの伯爵」とか「モナリザオーバーラン!」とかそんな感じですか。

「スティーヴン・キングの魅力」:冲方丁さん & 白石朗さん
うぶちんは後期派らしい

Togetter - 「中つ国テーマパークで楽しい一日を!」
個人的にはアトラクションとかより、建物や道具の再現展示をメインとした野外博物館っぽいのがあったらいいなと妄想。明治村やリトルワールドみたいな方向性でしょうかね。

ショーン・タンの「The Lost Thing」 アカデミー賞受賞
おめっとさんでやんす。この評価を追い風に「The Arrival」も映像化されたりするとなおうれしい。
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# by umi_urimasu | 2011-02-02 22:32 | 本(SF・ミステリ) | Comments(2)
路傍のラピュタロボット
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呑み屋さんの店先の鉢植えにひっそりと乗せてありました。なんかよい趣でした。あとで調べたら、どうやらジブリアニメのグッズとして普通に売られてるものらしい。これは湿気の多い場所において苔とかもさもさ生やしたらたいへんよい塩梅になるのではあるまいか。と思いちょっと食指が動いたのですが、苔を意のままに生やすのってかなり難しそうよな。

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サラン・故郷忘じたく候 (文春文庫)

荒山 徹 / 文藝春秋


2011年初読了本はこれ。感想はこんな感じ → 「魔界転生wwwwクララがwwクララがww」 そんな初笑いでした。荒山先生はやっぱりおかし 凄いなあ。ちなみに本作で波乱万丈の生涯が描かれているジュリアおたあは、実在した女性なのだそうです。
ジュリアおたあ - Wikipedia
ここ見てサランの渡日後のストーリー展開がほぼ実歴史そのまんまと知って驚愕。一から十まで全部創作だと信じ込んでたよ……。

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人気マンガ「ベルセルク」が劇場アニメに、原作すべてを映像化へ
蝕とかとことん描写してほしいと思う一方で、実際グロ全開でやられたら怖くて見る勇気がないジレンマ

映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作が切り捨てたもの
指輪話なのに理解不能すぎて吹いた

[画像] いつかは行きたい絶景、「アルプスの瞳」と称えられるブレッド湖に浮かぶ教会…スロベニア
これは綺麗。恐ろしいほど絵になる風景

[画像] 指輪物語に登場する食事を再現したコース料理
ゴールドベリ様のクリーム苺マジスイーツ。ついでといってはなんだけど、メニューに生魚が一匹ついてきたりするとネタフード的にお後がよろしいような。

クージョ (新潮文庫)

スティーヴン・キング / 新潮社


狂犬病のセントバーナードに襲われて記録的猛暑のさなか三日間も車の中に監禁される。そんな想像しただけで発狂しそうな絶望的シチュエーションを、ひたすらに、ただひたすらに描き込みまくった、「ごめんなさいもう勘弁してください!」と泣いて本を返品したくなるような物語。状況の不快度ではミザリー以上かもしれません。ぐったり。
個人的には、もうちょっと超自然要素が濃いキング作品のほうが好みに合うみたい。ダーク・ハーフぐらいのがちょうどええねん。

[画像] Towers of Utopia - Dieselpunks
飛行船と古い都市という組み合わせに異常に惹かれるのはなぜだろう。

HARMONY nominated for the Philip K. Dick award!
ノミネートおめ

Togetter - 小島監督が昔の企画書や資料をちょっとだけ公開
初代メタルギアやスナッチャーの創造過程を伝える貴重な資料。いつかまとめて書籍化されてー。

異星人の郷〈上〉 - マイクル・フリン
異星人の郷〈下〉 - マイクル・フリン
おいしすぎる!中世描写のガチっぷりが。SF的な目新しさとかはまるでない、けどいつまでも本棚の最前面においておきたいと思う本でした。あとで感想書こう。
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# by umi_urimasu | 2011-01-07 20:53 | まぞむ | Comments(2)
「ペット・セマタリー」 スティーヴン・キング
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ペット・セマタリー〈上〉 (文春文庫)

スティーヴン キング / 文藝春秋


ホラー的な部分も非常に陰惨で怖いのですが、それ以上に、愛する者の死の悲しみに耐えられず気が狂っていく過程のたんねんな描き込みが印象深い作品でした。上巻の幸福に満ちた家族の団欒と、下巻のこってり濃厚な愁嘆場の強烈きわまるコントラスト。キング!これを狙っていたのなら、おまえの描写は予想以上の効果をあげたぞ!まったくもう。
怖いものに近づくときのゴゴゴゴ感、傍点打ちまくり芸、ホラーなシーンでのとち狂ったセリフまわしなど、ジョジョっぽいテイストも堪能できました。ごっつあんです。

キングは熱心なロックファンで、本作の主人公ルイスの口癖「ヤッホー、やったろじゃないか」はラモーンズの代表曲「電撃バップ」からとられたもの。そんなキング当人のたっての希望により、映画版「ペットセメタリー」のエンディングテーマはラモーンズが担当したのだそうです。どれどれ。
YouTube - The Ramones - Pet Semetary HD
おお神よ。別な意味で切なかった。まあでも原作者の希望ならしょうがない。

ウィンディゴの森の描写にみられるような、登場人物が超自然的な現象に直面して人知を超えた世界の存在を知ってしまう恐怖は、ラヴクラフト的なものを強く感じさせます。それも道理で、キング自身がラヴクラフトの大ファンだとのこと。まさしくさもありなんという感じでした。ただし、本作のウィンディゴをクトゥルー神話のそれに直結してよいものかどうかはよくわかんないですが。ちなみに、キング作品の定番舞台であるメイン州とラヴクラフト作品定番のロードアイランド州は、アメリカの地図をみるとちょうど隣どうしの位置にあります (まちがえた、隣接はしてなかった)。
ニューイングランド - Wikipedia
このあたりはアメリカ合衆国の歴史としてはもっとも古い地域なのだそうです。詩人や幻想家が夢みる原風景的な要素をそなえた場所なのかもしれません。いつか行ってみたいなあ。

あと、すごく些細なことなんですけど。レーチェルの車の故障を治してくれるトラック運転手のかっこいいセリフが、妙に頭に残っています。
「いや、あたしはそんなもの、いただきません。あたしらトラック屋は、道路の騎士なんでさ」
日本でこれを言ったとしてもせいぜい「厨二病乙」てなところでしょう。しかし単なる車の故障でも、アメリカのへんぴな場所で起こってしまった場合、すぐさまロードサービスに来てもらえるとはかぎらない。そもそも他の車が一台でも通りかかるかどうか、それすらあやしい。そんな場所では、通りすがりのドライバーによる善意の手助けのありがたみは、きっと日本よりも重くとらえられるのではありますまいか。だからこんな冗談めかした文句にも、少なくとも日本で同じことをいうよりは真剣さがこもっているのではないかしらん。
小説において、その国や土地に実際に住んでる人でないと肌でわからない表現の含みっていうのは、それと気づけるものよりはるかにたくさんあるのだろうと思います。特に翻訳小説の場合は言語の問題もあるし。願わくば、読書が趣味の人間として、好きな作品のそうしたひそかな含みをできるだけ拾えるようになりたいものです。

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2010年も残すところあと数日。飛浩隆「廃園の天使」その3とGRRM「氷と炎の歌」第5部はやっぱり今年も出ませんでした。来年こそ、来年こそ、来年こそおねげしますだ。

他にも翻訳出版を心待ちにしている海外SF小説がいくつかあります。まずパオロ・バチガルピの The Windup Girl 、それとチャイナ・ミエヴィルの長編のどれか。The City & The City あたり。そしてコニー・ウィリスのブラックアウト&オールクリア。この中でひょっとしたら早めに翻訳が出るかもって期待できそうなのはバチガルピかな。

来年は指輪かホビットの原書に(再)チャレンジしてみようかという気も起こしております。「いつか読む」は結局いつまでたっても読めないの法則からええかげん逃れねば。やってやる、やってやるぞ。

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[画像] 第一次世界大戦の写真ハガキ@ドイツ Part I  Part II
これは見入る。ただし中には「絵ハガキにその場面ってどうなん」と言いたくなる写真もあり。
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# by umi_urimasu | 2010-12-21 21:36 | 本(others) | Comments(0)
すべての美しい木曽馬(?)
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近場で馬が見られる催しがあると聞いてちょっと見物に。流鏑馬などの実演の他、実際に乗ったりさわったりニンジンをあげたりできるというもので、存分にさわさわもふもふしてまいりました。大満足。

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[画像] 英国国立公文書館の歴史写真アーカイブ
昔の写真がいっぱい。スチームパンク的な意味でもおいしい
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# by umi_urimasu | 2010-12-19 20:10 | まぞむ | Comments(0)
すべての美しい競走馬
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生まれて初めて競馬場へ行ってきました。驚愕の体験でした。まさか走る馬というものが、これほど美しい存在だとは。生で間近に見るサラブレッドは、テレビの映像なんかで知っているのとはまったく異質な、ほとんど未知の生物にすら思えてしまいました。あの優雅さ、力強さ、なんかみなぎってる感は、とても言葉ではいいあらわせない。
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結局、馬券も買わずにずーっと馬ばっかり眺めてました。今なら「すべての美しい馬」の、馬は世界そのものだと信じたジョン・グレイディの気持ちが少しだけ理解できるような気がする。馬よ走れ、お前たちは美しい。
次は双眼鏡もって見にこよう。

競馬の馬の名前にはネタでつけられたようなのも多いようでして、もし「メアラストビカゲ」とか「ユキノタテガミ」みたいな指輪物語っぽい馬がいたら、僕も応援してしまうかもしれんなあ。とか思っていたら、こはいかに。
Ex-Kiwi racehorse Shadowfax set for a bright future
海外の現役競走馬の中に、その名もずばり、シャドウファックスさんがいるではありませんか。色は灰色じゃないみたいだけど。馬主がトールキンファンなのか、あるいは映画の撮影地つながりか。ともあれ、飛蔭とはこの上なく縁起のよい名。ご活躍をお祈りします。

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[画像] ヒマラヤの僧院 キー・ゴンパ
本年度ベストオブ黄金館で賞。絵画みたいだろ……写真なんだぜこれ

「300」の監督最新作「Sucker Punch」予告編映像
BGMがZEP版レヴィー・ブレイクなのがよい。どんなにおバカなB級映画でも、ツェッペリンやジミヘンの曲を流すとそれだけでかっこよさ1~2割増しに感じてしまう。ふしぎ。

[画像] 完全に別世界!! ドバイの電車、線路、駅が未来過ぎてヤバイ。
奇妙につくりものめいて見えるのは、つくった街のキャパシティに比べて人口がまだ少なすぎるせいかな。あと数十年?ぐらいして超過密都市になったら、そのときこそが都市景観として真の味わいどきではあるまいか。

[画像] Test Station of Naval Armament in Makhachkala
カスピ海に浮かぶ兵器試験場の廃墟。これをもっとずっと大規模にするとリアルICOの城みたいな感じになりそう。仮想空間上でなら、いずれそういったものも作られて体験できるようになるかもしれない。というかなってほしい。

「ゼロ年代SF100」(大森望選)
ここに挙がってないもので個人的マストアイテムを挙げるとしたら、「WORLD WAR Z」、上田早夕里「魚舟・獣舟」、津原泰水「綺譚集」とかかな。古い本の新訳もありなら「エンジン・サマー」。あと荒山徹もSF扱いで。荒山作品でいちばんSFっぽいのってどれだろう。忍法さだめうつし、処刑御使あたりか。

Amazon.co.jp 「柳生大戦争」(講談社文庫): 荒山徹
とうとう文庫化。朝鮮いじりの凶悪さ、家光×友矩の爆笑合体、司馬遼太郎へのツッコミ祭りなど、荒山作品中もっとも「自重していない」のはこれかもしれない。

12/04 S・キング「キャリー」読了。デビュー作ということで、後の作品ほどのゴゴゴゴ感はまだなかったみたい。一種清新な印象。
次は超怖いと評判の「ペット・セマタリー」に行ってみようかと。

[ニコニコ] 【アイマス】アイドルinエルシア 完結+後日談【DnD】
めでたい。純粋に読み物として楽しかった。
D&D世界では人名に英語でそのまま意味の通る苗字や渾名をつけることがあるようだけど、言語の設定とかどうなってるのだろう。架空言語の翻訳なのか、それともベタに現代英語をしゃべってる世界なのか。ドラゴンランスの翻訳版では全部カタカナで処理されてて、そのへんのことがどうもあいまいだった気がする。

NHKアニメワールド 「へうげもの」
監督/真下耕一、制作/ビィートレイン。真下演出でへうげもの……なんかうまく想像できない。NHKだと信長両断などの描写もNGか。やりづらそう。

Togetter - 都知事が規制を推し進める一方、○○では
笑い事ではないと思いつつもやっぱり笑ってしまい誰にともなく申し訳ない気分に
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# by umi_urimasu | 2010-11-20 18:01 | まぞむ | Comments(0)
スティーヴン・キングに(ようやく)目覚めた
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お久しぶりでございます。気づいたら一ヶ月半も新規投稿をさぼってました。別に身辺に何かあったというわけではないのですが。なんかここまで間があくと、再開するのがなんとなく照れくさい。

呪われた町(上) (集英社文庫)

スティーヴン・キング / 集英社


最近のマイブームはスティーヴン・キングです。ついに僕もキングに開眼できました。「ダークタワー」のさわりで何度も挫折してほとんど諦めかけていたのが、ふとした拍子に「呪われた町」を読んで、一撃でぞっこん。読み終えても「もっとキング作品を!」という激しい渇望がおさまらず、近隣の書店古書店をかけめぐって片っぱしから買い込んできてしまったぐらいです。かくして狭い部屋に本の塔がまた一基建つことに。

「ダーク・ハーフ」、「ミザリー」、「キャリー」、「IT」、「トミー・ノッカーズ」、「ドリームキャッチャー」、「グリーンマイル」、「ゴールデンボーイ」、「深夜勤務」(短編集)、「スニーカー」(アンソロジー)

以上、とりあえずゲットしてきたもの。そしてさっそく「ダーク・ハーフ」を読了。双子の超能力+ヒッチコックの「鳥」みたいな感じで、これまた超怖くて面白かった。しあわせ。続いて「ミザリー」にとりかかり中。しあわせ。
(追記)
11/18 「ミザリー」読了。アニーの「思い出の小道」帳を見つけるあたりからなんかもう勢いが止まらなくなって、ラストのたたみかけにはページをくる指がふるえてしまった。漱ぎ洗いしとかないと!漱ぎ洗いだよ!
11/19 「ザ・スタンド」も全巻ゲット。キング塔の増築スピードがやばい。

スティーヴン・キング 主な作品リスト - Wikipedia
最近頻繁に見ます。未所有本のチェック、作品発表年などを確認したいとき。

どれから読むべきかちょっと迷ったときに初心者向けのおすすめを探してみたリンク。
スティーヴン・キングの小説 - BIGLOBEなんでも相談室
スティーヴン・キングの小説でおすすめを教えてください - BIGLOBEなんでも相談室
スティーヴン・キング お勧め【文庫本】 - BIGLOBEなんでも相談室
スティーヴン・キングさんの作品について質問です。- Yahoo!知恵袋
結局、人によって好みがばらばら、したがっておすすめもばらばらなので、方針は自分で立てるしかないっぽい、ということがわかりました。僕の場合「呪われた町」が非常にツボだったので、初期のホラー系作品が肌に合ってそうな気がする。

キングといえば、ジョジョの奇妙な冒険の元ネタ探しをしながら読むという付随的な楽しみにも期待しています。「呪われた町」でも、文章に傍点を打ちまくったり、ちょっとおかしな倒置法を使っていたりと、似たセンスを感じる部分がけっこうありました。文体については訳者にもよるだろうけど。ジョジョ第一部のウインドナイツ・ロットは、やっぱりセイラムズ・ロットをヒントにしたんだろうか……。

などと、いつも通り好きなものを読み散らかしては積読の塔を増築しつづける日々でござる。

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剣法奥儀―剣豪小説傑作選 (文春文庫)

五味 康祐 / 文藝春秋


五味作品もひきつづき渉猟中。山風や荒山徹は作中で明らかに空想の産物とわかる忍法や妖術をよく登場させますが、五味康祐の場合はそこまで荒唐無稽なものはあまり出てこないのが常です。その代わり、基本リアルテイストな時代劇の中にホントかウソかよくわからないネタをなにくわぬ筆致でさらっと混ぜる、という手をよくつかいます。柳生兵庫助の放屁健康法などもそうだし、この「剣法奥儀」でも「鷹狩りに用いる飼鷹に与える薬でもっとも妙なものは婦人の経水である。切壺(桑の枝の切口にたまった水)や柳の露を女性の月のもので溶いて鷹に与えれば神功ありといわれる」とか堂々と書かれていたりする。いかにもウソくさい。しかし、ひょっとしたら昔はそういった民間療法的な風習がほんとうにあって、五味康祐ほどの人であれば、言い伝え程度にせよなんらかのソースを元にして書いた可能性がありえないとはいい切れないのでは……。どうなんでしょうこれ。識者の知見を求む。
ちなみに「剣法奥儀」の巻末解説はまたもや荒山徹でした。剣豪小説の技法についてオレ様流ランク付けをしてました。C=吉川英治、B= 柴田錬三郎、A=五味康祐 だって。ほんと五味好きだなあこの人。

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「はやぶさ」また快挙 微粒子は小惑星「イトカワ」の物質と確認 月以遠からの回収は世界初
人類史上もっとも遠いおつかいだった。なんか面白いことがわかるといいな

[画像] HBOドラマ「七王国の玉座」写真10点
ロバートバラシオンがマーティン翁並のまるまるしさでややびっくり。サーセイ&ジェイムはドストライク
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# by umi_urimasu | 2010-11-14 00:42 | 本(others) | Comments(2)
ゲームのリアルリアリティ
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ものすごく久しぶりに、ネット上で「リアルリアリティ」という言葉を見かけました。すわ、超先生再評価の波でも来たかと一瞬驚いたものの、ぐぐってみるとじつはTRPGプレイヤーの間でつかわれている一種のゲーマー用語らしいとわかりました。なんだそっちか。ちょっと安心した。

njtrpg @ ウィキ - リアルリアリティ
リアルリアリティとは、実世界を想定した現実味、つまり基本的には世間一般でいうリアリティと同義なようです。ただし、TRPGにおいて単にリアリティという場合は「ゲーム世界内限定での」リアリティを指すことが多く、そちらと区別するためにわざわざ呼び替えている、といった感じなんでしょうか。また、ゲームの判定が自分に有利になるように実世界のリアリティをふりかざして屁理屈をこねる困ったプレイヤーを揶揄するときにもこの言葉をつかうらしい。

ゲームシステムとリアルリアリティの齟齬が顕在化する例として、上のリンク先では囚われの女戦士問題とか百匹のゴブリン問題なんてのがあがっています。ルールに従うと非常識な状況になってしまうようなときにリアリティを保つにはどうすべきかと。これってTRPGにかぎった話じゃなさそうですね。RPGのようなタイプのゲームやフィクション全般におけるリアリティのさじ加減というのは、ほんとに厄介なものでして。

僕の場合、これに似た話として思いうかぶのは、たとえばドラクエ8の家捜し問題。ドラクエ8はいわゆるドラクエ的な世界観の忠実な3D化が売りの作品ですが、プレイしていて町の民家に入って棚や箪笥を「しらべる」と、金貨や薬草が手に入るようになってます。ドラクエシリーズは伝統的にこの方式でPCにサービスアイテムを与えてきました。しかし、このときのビジュアルから受けた違和感が予想外にひどくて、戸惑ったおぼえがあります。他人の家で、家人がじっと見ている前で堂々と金品を漁っているのに彼らはまったく何の反応もしない。ゲーム的なビジュアル処理だけがあってそれにふさわしい描写が欠けているせいで、状況の不自然さがきわだっている。こんなことは2D時代にはちっとも気にならなかったのに、ディテールの細かい3Dグラフィックであらためて見ると驚くほど不自然に感じてしまったりするんですね。他にもDQ8では樽を投げつけて破壊するといったアクションもできて、酒場で酒樽をドカバカ壊しまくっても店の客や主人はその横で平然としています。非常にシュールな光景です。これもコンピュータゲームにありがちな「ゲームシステムとリアルリアリティの矛盾」ではないかしらん。

その種の不自然さを豪快に放置しているゲームもあれば、なるべくほころびが出ないように気をつかっているゲームもあります。どっちがいいの悪いのと簡単にいえるものじゃないと思うけど、どちらかといえば「不自然さを感じさせない」ように配慮してくれる作品の方が僕は好きかな。Morrowind なんかだと、人の家にある物を盗んで見つかったら当然逮捕されるし、悪いことしてると人望パラメータが下がってNPCの態度も冷たくなるなど、異世界といえども社会の存在が強く感じられるつくりになってました。ああいうのいいですね。異世界に「住んでる」実感があって。
逆にICOやワンダと巨像では、社会みたいな描写の面倒な要素はそもそも最初からなくしてあります。あれはあれで、閉じた世界のリアリティを維持する賢い方法かもしれません。そういえば開発チームの人も「リアリティを追求できないものは徹底的に排除した」と言っていた。

まあ、ゲームやフィクションでは現実を完全に再現することができない以上、最終的にこの手の話は人それぞれがどの部分にリアリティを感じるか/求めるかという、趣味嗜好の問題に帰してしまうのだろうと思います。好き嫌いのことだけに自分では制御しにくいのがときどき困るけど。ある小説の「リアリティの欠如」に憤慨して「これはねーだろ。常識的に考えてありえんだろ」とか突っ込みながら、別の小説の似たような部分は全然気にならなかったので黙ってスルー。ってことは往々にしてあるし。同じ作品に対しても「すごくリアルだ」「いや全然リアリティがない」と人によって正反対の感想になることも珍しくないし。
つまりなんだね、結論はこれかね。「リアリティは人の数だけ存在する(キリッ」

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「柳生百合剣」(朝日文庫) 荒山徹
タイトルの乙女チックな語感に騙されてはいけない。じつは百合剣とは一晩に百合、すなわち100回連続セックスをしてついに会得される秘剣のことなのである。徹はじつにばかだな(褒め言葉

ゾンビに襲われたときの対処法をまとめてみた
ムクンガ・ラレムこそは最強の対ゾンビ武術。でも実際の使い手は今んとこマックス・ブルックスだけっぽいので詳細は不明。World War Z の映画化に期待です。

Togetter - 『マルドゥック・スクランブル』単行本版、文庫版について。
第一作の修正にそこまでこだわるなら、いっそのこと通常文体版ヴェロシティという追加オプションもありではなかろうか


黒博物館 スプリンガルド (モーニングKC)

藤田 和日郎 / 講談社


ブゲー!血ヘドを吐くほど面白かった。あらぶる漫画力の塊って感じ。「ドラキュラ紀元」から英国伝奇つながりで久しぶりに接触した藤田和日郎作品ですが、たまに読むと脳髄にガリガリくるなあ、この人の漫画は。一冊読んだだけでへとへとになった……。

[画像] この世の果て、恐山で宿坊に泊まる
人里はなれた霊場は廃墟好きにも魅惑の空間。東北旅行の機会があったら寄りたいスポット

[youtube] The Warrior's Way Trailer (2010)
妙に活気づいてきて珍品の出現が後を絶たない海外トンデモサムライ映画界。笠をかぶった集団があからさまにGロボの血風連っぽいのが笑えます。いったいどこからそういうネタを拾ってくるんだ。

ノーベル文学賞:ペルーのリョサ氏受賞
「緑の家」しか読んだことないけどおめ。これを機に絶版だらけの状態が改善されたりしないかな。

[画像] The department No. 601 MAI - "Space systems and rocket"
これはすごい。旧ソ連時代の月着陸船をはじめ、宇宙開発の遺物がぎっしり詰め込まれている、MAI(モスクワ航空宇宙大学?)構内の写真。機械的でありながらまるっこい感じがなんともいえん

テッド・チャン "The Lifecycle of Software Objects"
はやばやと無料公開に!ありがたや。がんばって読んでみます。
→ 読み始めてみた。すんげー地味な導入。これはこれでとてもチャンさんらしい気もする。今よりちょっぴり未来というだけの現代風の話で、文章もやさしくてかなり読みやすい。がんばるぞ。

ピーター・ジャクソンの「ホビット」が公式に始動宣言!撮影は2011年の2月開始予定
めでたい。そういえば俳優組合問題ってクリアできたのかな。LOTRにも出ていたキャストはできるだけそのまま継投してくれるとうれしいですが。

山口貴由「覚悟のススメ」復活!「エクゾスカル零」始動
なんですと!あまりにも、あまりにも嬉しすぎるニュース。当方に購読の用意あり!

10/23 "The Lifecycle of Software Objects" なんとか読み終えました。つかれた……。
ストーリー後半を占めるAIのセックスビジネス問題が、あんまり心躍るたぐいの話題じゃなかったのと、ひさびさの長文英語のストレスでぐったり。
獣姦とか異種姦とかってただでさえよくわからん世界だが。AI相手だとますますたいへんそう。まあ、そういう地味にめんどいところをめんどいからってスルーしないことではじめてふっと気づかされる、SF的な「気持ちの問題」の味わい深さがチャン作品を好きな理由のひとつでもあるし。苦労して読んだ甲斐は十分ありました。
しかしこれ、邦訳出すときタイトルどうすんだろう。

Happy Birthday, Ursula!
ル=グウィン女史81歳の誕生祝い。ご本人のレスが、ビルボの演説ネタ……。お茶目な人だなあ。

[ニコニコ] 【MMD】ペルソナM 夏祭り編(完全版)【ペルソナ】
テクスチャが変わってもP4はやっぱりいい。そのうちMMD互換の3Dゲームエンジンが作られて、誰でもこんなネタゲームを作ったり遊んだりできる日がくるかもしれない。

富野由悠季監督作品「ブレンパワード」が廉価版DVD-BOXに
7枚組、1万1655円という投げ売り価格。たまには富野分を補給したいので、これは買いで。

山田風太郎賞:貴志祐介「悪の教典」に
もっといかにも山風ライクな時代伝奇やバカミス的な小説にあげる賞なのかと思ってたけど、そうでもなかったらしい。
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# by umi_urimasu | 2010-09-27 21:03 | ゲーム | Comments(3)
中世の料理と風呂について: 司教様ご一行フルコース食い倒れツアー
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中世東アルプス旅日記―1485・1486・1487

パオロ サントニーノ / 筑摩書房


中世の旅事情とうまいメシ!の本。当時のヨーロッパの王族や司教といった貴人はどんな料理を食べていたのか。特に「旅先で賓客としてもてなされる」ときの宴会とはいかなるものだったか。そうした豪勢な饗応の献立を一品一品までことこまかに記した、リアル中世人によるグルメ旅行記です。なかなかの珍品でした。
いまからちょうど500年前、イスラム教徒トルコ軍によって涜された教会を聖別するために、総大司教管区は使節を派遣する。これは、その随行団の書記の書き残した日記である。著者パオロ・サントニーノは、好奇心あふれる精神の持ち主だったらしい。かれの眼は、公式に報告すべきことについてのみでなく、異文化の地・東アルプス山中の教会、人びとの信仰と暮らし、城砦の様子、食べものそして、女性…などあらゆるものを見つめた。中世理解のための好個の贈りもの。
引用は amazon の紹介文より。

この旅行記は公式の報告書とは別に残された、ややプライベートな(?)ものらしいです。内容で面白いのはやはり、公式文書に書けないことがついつい漏れ出してしまったっぽい部分。公務である聖別のレポートそっちのけで異様にこまかく書かれた料理の記述などをみるに、パオロ・サントニーノ自身よほどの料理通だったのでしょうか。
彼は美食だけでなく美女にも目がなかったようで、貴婦人を称賛する文章もうまい料理と同じくらい気合入ってます。どこぞの城で久しぶりに入浴した折、美しい奥方に全身くまなくやさしく洗ってもらってウェーイ!とかいうエピソードまでセキララに書いてあったりする。なんなんだこの人。まあ、彼の立場からすればレアな経験だったろうし、「これはしっかり書いとかなきゃ!」ってなる気持ちも想像できるのですが。15世紀という時代を考えると、これは教会関係者が記した書物としては少々、いや、相当に型やぶりなものだったのではないでしょうか。

もちろん料理のことにかぎらず、中世のそれなりにVIPな人の旅行の実態などについても詳しい内容になっています。架空の西洋世界を舞台にしたファンタジー小説やRPGなどをたしなむ人にとっては、「フィクションとリアル中世のちがい」がわかる興味深い一冊かと。

あと、わりとどうでもいいことながら、行間からかすかに、パオロ・サントニーノが「司教さまウゼェ」と思ってたような印象を受ける箇所があるんですが……気のせいかこれ? 「最後に小鉢いっぱいに盛った生クリームが全員に配られた。これはみなにも、またとくに、まず第一にわが身のためをはかる司教さまには美味であった」とか「四番目がベーコンの塊とキャベツ。司教さまはこれをわれわれみなの分まで平らげてしまわれた」とか、どうも食い意地がはってるらしい司教に対して、わずかに棘のある書き方になってるような気がするのですよ。まあ、たとえ実際に司教のふるまいに不満をもっていたとしても、上司の悪口をあからさまに書くわけにはいかなかったでしょうけど。真相は歴史の闇のなかですね。

そしてサントニーノ大盛り上がりの入浴サービスについて。
中世の社会的身分の高い階層で、旅の客をもてなすために接待側の女主人や娘が客の入浴の世話をするというのは、「古い」習慣として15世紀まで残っていたようです。ただし当時は入浴の意味あいが現代とはまったく異なり、そもそも入浴すること自体が稀でした。サントニーノの日記本文では「(高貴なるゲオルグ・ヴェント殿の奥方バルバラ様が)汚いこときわまりない汚水をたっぷりかけながら、腹から足の先まで肢体を洗ってくださった」などと書いてある。うへえ。でも衛生的に困るとかは一言もいってません。むしろ倫理観のちがいをひどく気にかけている。つまり、そもそも風呂は体を清潔にするためのものではなく、入浴とはふしだらなこと、泡風呂的な意味のおもてなしに近い、けしからん行為だ、というのがサントニーノにとっての一般常識だったらしい。

こうした「風呂に入るのは衛生上よくない」っていう中世の感覚は、なかなか現代人には受け入れにくいものがあるなあ。「天冥の標」にもそんなことがちょっぴり書かれてた気がする。もう何百年かすれば、「ナノマシンで体表面は常に清潔なんだから、水道水の風呂なんて汚くて入れない。天然温泉なんて肥だめと同義」というのが世間の常識になっているかもしれません。くわばら。

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その他、ここ最近読んだ本まとめ。ほんとはひとつずつちゃんと感想文が書ければいいんですが。

小川一水 「天冥の標 2 救世群」
ブランドン・サンダースン 「ミストスピリット」
チャイナ・ミエヴィル 「ジェイクをさがして」
野阿梓 「伯林星列(ベルリン・コンステラティオーン)」
半村良 「産霊山秘録」
ジョージ・R・R・マーティン/他 「ハンターズ・ラン」
キム・ニューマン 「ドラキュラ紀元」
マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン 「ドラゴンランス秘史 ドワーフ地底王国の竜」
五味康祐 「秘剣・柳生連也斎」 ← 9/22 今ここ

▼ この中だと、個人的には「産霊山秘録」が特に楽しかったかな。アポロ14号が月面でちょんまげの武士の死体を発見とか腹筋死亡なバカネタの嵐なのに、ちゃんとすべてが史実に接続できてる。伝奇の醍醐味ここにあり。
▼ 「天冥の標」は単品だとわりあいふつうの小川一水。でも一作ごとに時代や舞台ががらりと変わることで、それらを包含する宇宙年代記的なスケールの大きさが生まれてわくわく感が倍率ドン。
▼ 「ジェイクをさがして」は異形都市好きというニッチな嗜好の人向け。プラスむせかえるラヴクラフト臭。くんかくんか。「ロンドンにおけるある出来事の報告」など、実録都市伝説っぽいのが好きです。
▼ 「ドラキュラ紀元」。なんじゃこりゃクソワロタ。ヴィクトリア朝英国にからめ得るかぎりの吸血鬼ネタをありったけぶちこんだような、ドラキュラ(とホームズとかジキル博士とかその他たくさん)の巨大な二次創作パッチワーク歴史改変伝奇。パクリ/オマージュのやりすぎっぷりには荒山徹に近いものすら感じる。いいもん読みました。
▼ 「秘剣・柳生連也斎」。神がかっとる。五味作品をじっくり読んでるときの精神的充足度の高さは異常

[youtube] Game Of Thrones: Behind The Scenes Featurette (HBO)
「氷と炎の歌」TVドラマのメイキング映像公開。なんかよさげではないですか。マウンテンさん(たぶん)の筋肉すげー

TGS 10: 『人喰いの大鷲トリコ』の発売時期が決定、『Ico/ワンダ』HDリメイクも正式公開
うおわー!2011年冬!思ってたよりずっと早かった。わずか一年、余裕で待てる。

[youtube] PS3 人喰いの大鷲トリコ TGS2010プロモムービー
さらにサワサワかつ優美になった巨獣の動き。ほんとに生きてるみたい。これがほんとに画面内で自由に動きまわるのかと思うと、感嘆で言葉もないな。 ただ、妙にジブリくさい音楽は正直、あまり好みじゃない感じです。これがテーマ音楽なんだろうか。
[youtube] Ico & Shadow of The Colossus - HD TGS 2010 Trailer
ICOとワンダも鮮明かつなめらかに。どちらも単純に解像度やフレームレートを上げれば上げただけよくなるという作品ではないかもしれないけど、そのへんは細やかに調整してくれると期待。

『人喰いの大鷲トリコ』の詳細に迫る! 上田文人氏インタビュー【TGS2010】
ゲームデザイン的には獣と少年と兵士がじゃんけんのような三すくみの関係になる。獣をコントロールできないことがコンセプト。らしい

PSストアに名作「ガンパレードマーチ」きた
PS3とPSPでDL販売開始。もし遊ぶ機会があったら、今度こそスカウト絢爛舞踏を目指してみたい
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# by umi_urimasu | 2010-09-09 21:52 | 本(others) | Comments(0)
統計: ファンタジーにおけるドラゴンの流行色
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ときどきファンタジー系の出版物に関するしょうもないトレンドリサーチをしてくれている Orbitが、またへんな調査結果を出してました。「今年のファンタジー小説の表紙に描かれたドラゴンの体色の中でもっとも多いのは何色か」を調べた図、というものです。 The Chart of Fantasy Art Part 3: Dragons うん。毎度ご苦労さまといわざるをえない。
a0030177_23225388.jpg
示されたデータを信ずるなら、1位は緑、2位はオレンジ、3位が青と黒。以下、黄色(金?)>白>赤>灰色(銀?)>その他(茶?)、といった感じ。1位はまあ妥当のような気もする。自然界におけるトカゲの色でもおそらく緑はメジャーな色だろうし。でもオレンジ2位とかなあ。わりと強そうなイメージのある赤竜が白竜より少ないというのもちょっと意外でした。 ちなみに、このサンプルされた竜のうち、15%は人間を乗せていたり人間に友好的な態度を見せているんだって。ほんとどうでもいいデータですが。
この調査、もし日本でやったらどうなるだろう。やるほども数がないかな。
あと、他にはない珍しい色の竜ってなんかあったっけ。「万色にして無色」のタキシスとかでしょうか。

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「パプリカ」「千年女優」などの作品を手がけたアニメ監督の今敏さん死去
癌ですと。やんぬるかな……。虚構の多重連鎖を見せる表現のあざやかさ、失見当識的な幻惑感が筒井康隆好きとしてはツボ直撃で、千年女優などくり返し見たものでした。なんとしても惜しい。

[画像] カラー写真でみる100年前のロシア - The Big Picture - Boston.com
セルゲイ・プロクジン=ゴルスキーの仕事。鮮明な写真から当時の人々の生活の様子がありありとうかがえます。ゴルスキーさんほんまGJやで

【本人降臨?】漫画家やってるけど質問ある?|VIPPER速報
高遠るい氏ご本人らしい。好きな漫画家が魔夜峰央とは意外、でもないのかな。確かに、ギャグシーンで猫目のチビキャラになる表現とかけっこうパタリロ的かも。

「俺の屍を越えてゆけ」の続編企画が提出中、ソニー内部でも賛同する動き
これは期待。子づくり三昧の日々よもう一度。

荒山先生トークショー再び ~やっぱり荒山先生は荒山先生だ~
荒山徹トークセッション「百済・新羅 石田三成を巡る時空」(その一)
ああ、最早何も言うまい
語るべき言葉、ここにあらず
話すべき相手、ここにおらず
徹、ただ前を向き、ただ斜め上を目指す
ただ前を向き、ただあらぬ方を目指す

Viz Haikasoru Imprint - Japanese SF 刊行予定リスト更新
マルドゥックスクランブルに書影画像が。あと、グッドラック雪風、ロケガ、荻原規子の勾玉シリーズ白鳥異伝?が新たに追加。だんだん伸びてきたこのリストを眺めてると、ハードSFからファンタジーまでゆるいSFのくくりでわりとなんでも扱うようでいて、ニューウェーブっぽいのだけは避けられてるような気がする。飛浩隆マダー

テッド・チャン “The lifecycle of software objects” @ val it: α → α = fun
これと「息吹」、「商人と錬金術師の門」、「予期される未来」にエッセイを一、二本たせば、邦訳作品集がまた一冊つくれるのではなかろうか。
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# by umi_urimasu | 2010-08-23 23:54 | まぞむ | Comments(2)