<   2009年 01月 ( 4 )   > この月の画像一覧
「へうげもの」表情集
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漫画「へうげもの」から、古田織部の面白おかしい顔をちょっとまとめてみました。僕が「へうげもの」という作品に魅力を感じている大きな要素のひとつが、この大胆すぎる表情描写です。戦国時代の物語なのに、人物の顔つきがあまりにも、あまりにも活き活きと描かれているせいで、まったく大昔の話という気がしない。斬新な茶器や茶室を目にしたときの織部は、現代のテレビタレントでもここまでの顔はしないだろうというすばらしいリアクションをしてくれます。じつに鑑賞のしがいがある絵だと思うし、「へうげもの」の場合はこの表情のゆたかさがそのままキャラクターの魅力にもつながっていると思うのです。
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アニメとかの影響なのか、最近の漫画の絵柄の流行としては線の少ないつるっとした人物画が主流みたいですが、僕はやはり「へうげもの」のように顔の情報量が多いほうが、絵としては好きなようですね。頬の肉がよったり、唇をすぼめたり、アゴに梅干しジワができたりする顔のほうが、変化の乏しい顔よりも単純に見て楽しいし、その表情でしか表現できない微妙な感情というのもあるだろうし。いわゆるアニメ顔の絵では、こういう多彩な表情を描くのはどうしても無理があるでしょう。まあ、どっちがいいと優劣をつけられるようなものではないかもしれませんが。
しかしこうしてまとめて見るとやっぱり凄いな。

追記:族長の初夏 : 「へうげもの」山田芳裕
以前書いた感想文です。彼ら数奇者たちはやはり「戦国時代のオタク」なのだろうか。

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[画像] Zdzislaw Beksinski
ベクシンスキー画像集。不安定になる絵が山盛りで怖いような嬉しいような

チューリングマシンがレゴで出来ちゃった!(動画)
レゴブロック発祥の国デンマーク、Aarhus大学にて。気になるお値段は……オープンプライス?

[画像] 廃墟の画像とか貼ろうぜ
廃墟写真にも二種類ある。安心するものと怖さしか感じられないものだ。いったい何がちがうのだろう

[ニコニコ] 「農耕士コンバイン」「先公メッタ打ち ザ・ブンナグル」他
秋田大学アニメーション製作研究会による自主制作アニメ、1985~1986年制作。デジタル編集技術がまだ一般的でなかった時代の手描きMADみたいなもの? パロディの出来もさりながら、圧倒的な手づくり感がなんとも言えずよいです。

ヴァンパイアの定義とは?
アジアの吸血鬼伝承についてはほとんど言及なし。マイナーなのかなあ。ストリガというのは東洋起源だそうだけど。

初代「ドラゴンランス戦記」、角川つばさ文庫で復刊
これは朗報か。でも時かけ=のいぢ絵のこともあるし、これも表紙はどうなるやら。

[画像] 今もイギリスの海上に浮かぶ対空要塞…第二次世界大戦の遺物
辛抱たまらーん
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by umi_urimasu | 2009-01-30 00:02 | アニメ・マンガ
「綺譚集」津原泰水
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a0030177_2357172.jpg「心が折れる」小説とはこういうものだろうか。倫理と生理を総動員しての拒絶反応と幻想がもたらす快楽の板挟みによるサブミッション攻撃。津原泰水という人は、美しいものを醜く、あるいは醜いものを美しく表現する悪魔的な文才の持ち主なのだろうか。この異形のことばたちの前では、あの「妖都」もただの習作に思えるほどです。
しかもこの作品集、収録作15本のほぼすべてがそれぞれ異なる文体で書かれているという凝りよう。短編一本ずつに、ここまでするのか……。たまげ申した。

「天使解体」
幼女の死体を綺麗な写真が撮れるように「解体」しようとする男の壊れた精神を、純朴な語り口で描いた作品。圧倒的です。淡々とした描写と凄惨な光景のギャップが凶悪すぎる。ほんとうに嘔吐したくなりました。

「サイレン」
動物を殺すことで性的興奮をおぼえてしまう少年が、ふしだらな姉に祖父殺害を誘われる話。どろっとしたエロくささで窒息しそう。この手の昭和の香りゆたかな田舎幻想ホラーはまさにお手のものという感じ。

「夜のジャミラ」
級友にいじめられて自殺した少年が変わり果てた姿で友だちを楽しげに惨殺します。筒井康隆の「二度死んだ少年の記録」もそんなふうな話だったけど、こちらはあからさまに怪物的なイメージ。

「赤假面傅」
愛した対象の美しさを絵に写しとる代わりに生命力を吸い取って殺してしまう、呪わしい力をもって生まれた画家の数奇な生涯。いかにもポーや乱歩あたりが書きそうな怪奇譚です。やっぱり好きなんだろうなあ。なんとなく「ドリアン・グレイの肖像」も連想したり。旧字文体に半端でないこだわりが感じられます。

「玄い森の底から」
レイプされたうえに絞殺、そのまま放置され腐乱してゆきながら、書道と師匠への愛にささげた半生を追想しつづける女性書家。適度に壊れた文体がいかにも死者の思考っぽくて、それが滑稽でもあり哀切でもあり。小説における文体の威力を見せつけられました。

「アクアポリス」
海に浮かぶアクアポリスを見に行った日、貯水場に落ちて即死したのに、なぜかその後も毎日きちんと登校してくる女の子。戸惑う級友たち。ノスタルジックな田舎言葉が不条理な悲話になごみを添えています。方言は幻想小説によく合うなあ。

「脛骨」
とあるバンドマン、事故で切断された知人の女性の右足を偶然見つけて大切にもっていたが、持ち主に返す機会もないままとうとう数十年が過ぎてしまった。余命いくばくもなくなり、ようやく自分の右足に再会した彼女ははにかみながら言う。「若い骨ね。なんだか恥ずかしいわ」そんな寂しくも微笑ましい、ふしぎな後味の物語。グロホラー専門かと思いきや、こういう小説も巧みとは驚きです。

「聖戦の記録」
自然保護の名目のもとに公園で兎を放し飼いにしている「兎派」と、おれの属する「犬派」との諍いは日ましにエスカレートし、ついにおれの罪なき愛犬までもが犠牲になった。よろしいならば戦争だ。かくして筒井ばりのご町内バトルロワイヤル開幕。文体ももちろん筒井風、登場人物の名前はなぜか実在のタレントのパロディで、ヒロスエリョウコやスズキキョウカがめっためたに惨殺されちゃう。とことんえげつない。

「黄昏抜歯」
苛だたしい歯痛と共に陶子の脳裏によみがえってくる罪の記憶。命にかかわるわけでもない些細な苦痛の描写がどれだけホラーに近づきうるか実験してみた、とでもいうような、うーんなんだろうこれは。読むだけで歯が痛くなってきそうな鈍痛の描写が不快すぎます。

「アルバトロス」
白い兵隊たちに占領された南国の集落で、実の姉妹と、白人の将校と、夜昼の別なく睦事にふける少年のただれた日々の果て。全編ぐちょぐちょの超ドエロ。しかしそれすら上手いから困る。

「ドービニィの庭で」
ゴッホの絵の風景を庭園に再現するという執念に取り憑かれて破滅してゆく資産家と装飾家のグロテスクな愛憎劇。美のためならどこまで堕ちてもかまわないという狂気は「赤假面傅」にも通ずるものがありますが、その美とやらがほんとうに破滅に値する美なのかどうかも怪しく、しかも結局は劣化コピーでしかないというこちらの話の方がより陰惨でしょう。ちなみに↓これが
[画像] ゴッホ作「ドービニーの庭」
このおぞましい物語を読んだあとでは、もはや緑色の不気味なものがうごうごとざわめいている狂った絵にしか見えません。

「隣のマキノさん」
不可解が服を着たような怪人物・マキノさんとの、絶望的なまでに噛みあわないやりとり。こういうとぼけた狂気を軽妙に描いてのける手腕からして、じつはギャグ系も上手いっぽい。ほんとうに底が知れない人です。ちなみにマキノさんの名前の元ネタは牧野修らしい。

以下オミット。疲れた。それにしても、文体好きにとっては極上の買い物でした。満足感プライスレス。

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[画像] 過重積載
それでもくじけないトラック

[画像] 空中都市
エンディミオンとかに出てきそう?なSF風景

[画像] 水の高速撮影写真10点
美しき流体の世界

[画像] レゴブロックでつくったFSSの「破烈の人形」 (from y.m.g.t. Tumblr
うめー。少ないパーツで永野メカの特徴をよくあらわしてる。頭が太いのでちょっとAトールみたいにも見えますが

グレッグ・イーガン「暗黒整数」 SFマガジン2009年3月号に掲載
「ルミナス」の続編らしい。JGeek Logによれば
>「あっ!そんなおっきな数の計算しちゃらめぇ~!うちゅう壊れちゃう!」て話
だとか。楽しみだフヒヒ。ちなみに原著の電子版はフリーで読めるようです。英語強くなりたい……

物語への深い尊敬と強い期待について。――『魔法ファンタジーの世界 (岩波新書)』
著者はル=グウィンやマキリップほか多くの海外ファンタジー作品を翻訳している脇明子教授。昨今のファンタジーの過剰な商業化傾向への危機感なども書かれている本らしいです。いつごろからそうなのかな。ドラクエ以降?ハリポタ以降?
>比較的リアリティのある物語を読むことと、ファンタジーを楽しむこととでは、想像力の働かせ方が違うのではないか、というのが著者の主張
これも興味のある問題。準創造の効能、とかそんな感じかな。

[ニコニコ] コミュMAD アイドルマスターヤヨイ 『借金』
やよいがエスポワール号に乗ります。全編フルボイス&フルモーション、驚愕の13分間

米国Vizの日本SF小説翻訳レーベル、第一弾ラインナップ予告
おいおい、Haikasoru本気らしいぞ!もっとライトノベルっぽい志向のレーベルなのかなぁと勝手に思ってたんですがちがった。第一弾は小川一水「時砂の王」、桜坂洋「All You Need Is Kill」、乙一「ZOO」、野尻抱介「太陽の簒奪者」という顔ぶれだそうです。日本の現代SF(+α)は英語圏の人々にどんなふうに評価されるんだろう。これは楽しみな展開になってきました。いずれ飛浩隆や伊藤計劃もラインナップに加わりそうかな。
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by umi_urimasu | 2009-01-22 00:40 | 本(others)
「十兵衛両断」荒山徹
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a0030177_2336469.jpgこの人こそ21世紀の山田風太郎だ!
というのが読了直後の偽らざる感慨でした。山風並にイカれた伝奇小説を書く現役の作家が今どきそうそうたやすく見つかるわけがない、とあきらめて探そうともしなかった僕が単にまぬけだったのですが。やはり何ごともすぐあきらめてしまってはいけない。面白い小説を探すための努力もまた然りであります。

荒山徹といえば有名なのが“朝鮮柳生”説。彼の作品のほとんどは、朝鮮の歴史文化に関する該博な知識を活かしたこの独自の設定群にもとづいて書かれているそうな。これは歴史伝奇ファンの間では基礎知識も同然のものらしいです。僕は浅学にして知りませんでしたが、読んでみて一発でその魅力の虜となってしまいました。というか爆笑した。これは狂気の沙汰だ。
「柳生新陰流が朝鮮半島にも伝わっていた」という発想だけならまあ、そんなに大したことではないでしょう。しかしこの人のは掘り下げの深さが尋常でない。柳生新陰流は徳川将軍家のオフィシャルな剣術として認められた流派であり、いかさま日本の発祥に疑いのあるはずもなし。ところが朝鮮からやってきた使者は、例の調子でウリの起源ニダーと言い張る。さあ困ったことになった。新陰流の起源いずれにありや?その秘密は、これはもうとんでもない真相なのですが、ここでバラすわけにはいきません。あの柳生十兵衛が、柳生宗矩が、まさかそんなことやあんなことに。むちゃくちゃすぎる。民明書房もまっ青だ。しかし、基点がむちゃくちゃなウソでもそこからきっちり筋の通った展開をする法螺話は、時としてホントの話よりもはるかに面白くなり、ホントの話以上に長く広く知れわたる。伝奇の魅力、その核というべきものも、あるいはそのあたりに本質があるのかもしれません。

なにはともあれ、山風とかが好きな人ならこれは必読の一冊でしょう。基本的にがっちり史実を踏まえたうえで、そのスキをうまく突いて伝奇成分を織り込むという王道スタイル。剣術バトルもめったやたらにテンション高い。そして投入されるアイデアの荒唐無稽さ、奇天烈さは限度知らずの天井知らず。あそこの毛が伸縮自在の刺突武器になったり、巨大な式神が怪獣ばりの空中戦をやらかしたりなんてのは序の口です。集団ノッカラノウムとかもうどういうこと!頭おかしいだろ!

かくて、僕も荒山徹作品をコンプするしかない仕儀と相なりました。次はどれを読もうかな。「柳生大戦争」もタイトルが振るっていて面白そうだけど、「魔風海峡 死闘!真田忍法団対高麗七忍衆」とかのあからさまな忍法帖っぽさも捨てがたい。まあいずれ全部読みます。

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テッド・チャンの最新短編「Exhalation」が(毎度のことながら)ものすごい傑作だというので評判になってるらしい。読んだ人うらやましい。Eclipse 2: New Science Fiction and Fantasy所収。安いな。でも背伸びして洋書買っても、すぐにSFマガジンとかに翻訳が載るだろうし……。おとなしく待つか。

複雑な状況を「物語」として理解する:DARPAがAIシステムを開発へ
ダーパが〈プリマー〉を作りそうな勢いと聞いて。連中はなぜあんな夢のある研究ばかりやっとるのか。

[ニコニコ] アイマス新年会~27時間無礼講SP~ - 番組表
外野なりに楽しく見物させてもらいました。参加者たちが心底楽しそうなのがよい
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by umi_urimasu | 2009-01-18 23:59 | 本(others)
ミナス・ティリス小町の謎
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年明け早々から苦しんでいたしつこい風邪がようやく完治っぽくなってきたのでぼちぼち更新再開。養生中は本を読む気力がなくて、もっぱら映画のDVDなどをぼけらーと眺めて過ごしておりました。結局、バットマン二本と「燃えよドラゴン」と指輪三部作を消化。なんと、いかにも病気療養向きの映画ばかりではないか(頭を使わずに済む的な意味で。

「王の帰還」で出撃するファラミアを見送る群衆シーンに一カットだけ出てくる美少女さんの件。
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単なるモブキャラなのにごっつい目立ってましたね。結局あれは誰なのか。キャストは不明。劇中に出てこない人物なら役柄としては何でもありうるので、そうさなあ、療病院のヨーレス婆さんが映画ではああなったというふうに脳内変換でもしておくか。

久しぶりに指輪映画を通しで見て、やっぱりファンタジーは小説向きの形式だ、という常からの思いを新たにしました。ファンタジーをリアルな映像や絵でやっちゃうと、ファンタジーにとってものすごく大事な何かがそのせいで失われてしまう気がします。その何かがはっきりわからないのがもどかしいんだけど。それは目に見える形にしようとすると失われてしまう、想像という手段のみによってしか触れることのできないものなのでしょう。その実体が何なのか、なぜファンタジーにとって大切なのか、いずれよく考えてみたいものです。

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山田風太郎の落書きを発見 旧制中学時代、教科書に  拡大版
普通にうまい。

「爆発音がした」まとめ
小説や漫画などの文体パロディ集。こういう文体パロだけ集めたまとめサイトがあるといいな

冲方丁「マルドゥック・スクランブル」のアニメ企画が再開している?
>早川書房『マルドゥック』シリーズの最終章
続編宣言きたー。期待してます。

NHKアニメ「獣の奏者エリン」、一応見たものの一話切り。やはりファンタジーと映像の組み合わせはいろいろと難しい。せっかくだからオレは上橋菜穂子の小説を選ぶぜ。

クルーグマン:恒星系間貿易の理論 - P.E.S.
あとで読む!いつか読む!

[ニコニコ] 【アイドルマスター+麻雀】im@s 雀姫伝 第四話 後編
架空戦記系は守備範囲外なんですが、これだけは追っています。次回、哭きのれぅ

[ニコニコ] 【im@s新年会】KAKU-tail VS. MSC 2009 前編
1/17 アイマス新年会すげー。徹夜は無理だけど、今日は寝落ちするまでこの道をゆくでござる
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by umi_urimasu | 2009-01-10 22:54 | 映画