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「人類は衰退しました」田中ロミオ
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a0030177_17513399.jpgはるかな未来、落ちぶれた人類に代わって地球の支配者の座についた「妖精さん」たちと、緩慢に滅びゆく旧人類とのかぎりなくローテンションな交流ぶりをかぎりなくローテンションな筆致で描いた、なんとなく異文化交流SFのような、べつにそうでもないような、というよりもはや単なる雑談のような、飄々としてなんだかよくわからない方向性を目指すファンシー・シムアース的ライトノベル。田中ロミオはこれが小説デビュー作だとか。

個人的には何から何までまるっきり肌に合わない作品でした。が、こういう拒絶反応が出るのは自分の普段の好みからいって予想の範囲内でもありました。以前に涼宮ハルヒ、ゼロの使い魔、ROOM NO.1301あたりにトライしたときもほとんど瞬殺というていたらくだったので、あるいは今回もそのパターンではないかと。
でも乙一や桜庭一樹のように、先入観からずっと敬遠していたものが当たってみたらホームランだったということもあります。なので、五冊や六冊読んでみて好みに合わないからといって「このジャンル苦手」と切り捨ててしまうわけにもいきません。どんなジャンルでもそうだけど、欲しいものをゲットできるかどうかは探す人の根気によるところが大きいのでしょう。というわけで、ある程度の距離はとりながら、これからもラノベ方面の開拓は地道につづけていこう。という思いを新たにしつつ、とりあえずこの作品はこれっきりということで。

あと、文体についてちょっと。僕がこの作品を読んでいちばん新鮮/奇異に感じたのは、物語でも世界観でもなくて文体でした。ほとんど、というか完全に、ノベルゲームの文体そのまんまなんですね。一文一文の短さ、情景説明的な一人称、読み手に話しかけているのか自己ツッコミなのかはっきりしないオタ語り口調、会話文の多さ、ネット言語のパロディ、等々。おそらく田中ロミオの本職(?)であるノベルゲームのシナリオのスタイルでそのまま書いただけなのだろうと思うのですが、それを普通の小説として読むことに僕の方が慣れてなかったせいか、かなり妙な読み心地でした。みんな気にならないのかな。それとも今のラノベではもう普通なんだろうか、ああいうノベルゲーム的文体は。

以下、おまけのようなもの。
「ラノベには疎いけど気が向いたら読んでみようかな」ぐらいのポジションにいる未読者のための判断材料として、作中に出てくる妖精さんたちのセリフを少しばかり列挙しておきます。こういう表現に対してどう反応するかで作品と読み手の親和性が試せる、リトマス紙みたいなものだと思ってもらえれば。
「にんげんさまは、かみさまです? です?」「しかしとても……おおきいです?」「わー」「おー」「んー」「あー」「ごみやま、かえるです?」「にんげんさま、ここでまたしつもんです」「ぼく、いつうまれました?」「なんと」「さー?」「な……まえ……?」「ねーむだ、ねーむ」「ねーむとはなまえのことだ」「ぺんねーむでいい?」「……よくおもったらなかったです」「なるほどぼくら、なまえ、ありませなんだ」「かもしれないです」「……にゅあんすで」「さようですか」「すいませんなさい」「ちんしゃします?」「おいしくたべられます?」「なんだよ」「いのちびろい?」「かくごしなくてもよかった?」「にんげんさんのちにくになります?」「ばかな」「そんなことが?」「かちぐみやんけ」「いっそたべて」「うそだた」「だたね」「よかた」「にんげんさんにほんろうされるです」「ねがいます」「きゃぷー」「ときめくごていあんですな」「そーきたかー」「かんたんのはんたい」「……にんげんさん、ごていあんです」「じぶんでなまえ、きめたいです?」「さー・くりすとふぁー・まくふぁーれん」「だめ?」「がんばるますー」

これはやっぱり、ある程度「了解済み」としてオタク文化圏内のものを消化できる読者限定という感じですかね。こういう空気を気軽に吸えて、わりと素直に愛でられる人になら、たぶん本作をおすすめしても大丈夫でしょう。こりゃちょっときついわ、と感じた場合は多少用心が必要でしょう。「反吐が出そうだ!」という人はもう買わないほうがいいです。
ということで、参考までに。

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「倒立する塔の殺人」皆川博子
おお、野上晶翻訳作品!ミステリYAというジュニア向けのレーベルから出ています。子供たちよ騙されるな、その本は偽物なんだ。
内容はやはりドイツものらしいですね。「死の泉」と関連づけたギミックが施されていたりしたらさらに楽しめそうなんですが、どうかなあ。

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2007年もそろそろ終わり。おかげさまで、今年も人様の感想や評判を頼りにいろんな小説と出会うことができました。直接的・間接的に名作・傑作をプッシュして読む気にさせてくれた方々に感謝です。個人的年間ベストワンはやっぱりジョージ・R・R・マーティン〈氷と炎の歌〉かな。もう一生ものの宝物ですよ、これは。

エキサイトのブログサービス自体がそろそろやばそうな気配なので、もしかしたら来年あたりもっとまともなサービスに引っ越すかもしれませんが、移転作業がめんどいのでぎりぎりまでここで粘ってる可能性大。ということで今後ともよろしくお願いいたします。

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あけめで。吉報でござる。アルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」(ハヤカワ文庫)が復刊される由。ゴーレム効果なのかな? こいつは春から縁起がいいでござる。中古価格が高くてスルーしていた人はこの機会にぜひゲットされたし。それと円城塔「Boy’s Surface」も1月に。黄色の次は何色だろう。
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by umi_urimasu | 2007-12-30 17:55 | 本(SF・ミステリ) | Comments(4)
「時砂の王」小川一水
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a0030177_115106.jpgありがたきもの、それはコンパクトな小川一水作品。
安定して高品質なSFを発表してくれているのに、なぜか媒体は文庫ばかりという印象のあるこの人ですが、今回もまた文庫書き下ろし。よく見にいく書評感想系サイトなどの評判では「コンパクトにまとまった良質の時間SF」という意見が多いようです。肯定。僕もまったくその通りだと思います。話がそつなくまとまりすぎていて、かえって「ここが読みどころだ」って強調するポイントが思いつかないぐらいでした(褒めてます)。
西暦248年、不気味な物の怪に襲われた邪馬台国の女王・卑弥呼を救った「使いの王」は、彼女の想像を絶する物語を語る。2300年後の未来において、謎の増殖型戦闘機海軍(ET)により地球は壊滅、更に人類の完全殲滅を狙う機会群を追って、彼ら人工知性体たちは絶望的な時間遡行戦を開始した。そして、3世紀の邪馬台国こそが、全人類の存亡を懸けた最終防衛線であると──。(カバー裏紹介文より)
ボリュームは総計280ページ弱。これだけコンパクトに収まった理由としては、やはりディテール描写の削減による効果が大きかったのでしょう。小川一水が好んで描く「みんなで力を合わせてひとつの目標に向かってがんばろう。おー!」という物語の方向性は、「第六大陸」「復活の地」の頃からここまでおおむね一貫しています。しかし本作では、かかげた目標を達成するために皆でよってたかって行うひとつひとつの行為をいちいちずらずら書きつらねていくという手法がとられていません。描写対象はほぼ主人公とヒロインの交流のみに限られ、さらにその中でも大願成就に至るドラマの起承転結に必要な最小限のアイテムを選んでストーリーが構成されているという感じです。結果として、小川一水作品の持ち味であるプロジェクトX的なノリは今まで通り維持しつつ、ボリュームは劇的に縮小できたと。

一進一退しながらじわじわ目標達成に近づいていくプロセスの描き込みが少ないことに対して、まさに小川作品のその部分が生み出す盛り上がりを楽しんでいた読者(僕もその口です)は多少寂しさを感じるかもしれませんが、軽量化によってこれまでよりも圧倒的に読みやすい作品として仕上げてくれた点については、これはこれで大いに歓迎したい流れです。評判を聞いてこれから小川一水の小説を読んでみようかという方には、この「時砂の王」か「老ヴォールの惑星」のどちらかがおすすめな気がしますね。

でも個人的には、「復活の地」みたいにたっぷり文庫三巻ぐらいかけてディテールを描き込みまくったバージョンを読んでみたかった、という未練もやはり振り切りがたい。題材がおいしく、拡張性も高いと思えるだけになおさらです。くそー、食い足りん。いい意味で。


以下余談。時間SFとしての私的評価。
上のあらすじにもあるように、物語の主役である人口知性体「メッセンジャー」たちの努力目標は、人類史をその発祥までさかのぼり、無数に分岐した平行世界のすべてにおいてインベーダーを一匹残らず殲滅するという壮大なものです。この手の話で風呂敷が壮大なのはもちろんいいことなんでしょう。ただ、すでに山ほど存在する時間SF小説のなかでアイデア的にいくらかでも新味があるのか、といわれるとどうかな。個人的にはさほど斬新という気はしませんでした。タイムパラドックスも簡単な説明ひとつでスルーしておしまいだし。とはいえ、いかにも小川一水らしい扱いかたではあったと思います。ラストの伏線回収なども非常にベタで、あざといくらい泣かせようという意図がみえみえなのにまんまと乗せられてしまいました。我ながらなんと安い読者なんだろう。もちろん作品に罪はありません。

そういえば「天涯の砦」は単行本だった。僕は未読でした。野尻抱介の「太陽の簒奪者」みたいな謎ときSFっぽい味つけが多少でもあれば読みたいんだけど、巷ではポセイドンアドベンチャーだのタワーリングインフェルノだのいわれてますね。そっちかい。うーん。まあいずれ読んでみよう。少なくとも早川書房ではハズレはなさそうだし。

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言い忘れ。毎回毎回しょうこりもなく言ってますが。どなたか復活の地をアニメ化してけろー。

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スクライド 5.1ch DVD-BOX (期間限定生産)
欲しい! でもちょっぴり高い。余計な特典とか付けずにもっと低価格にしてくれたほうがありがたかった…。

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[ニコニコ] 【手描き】L5伝説トミタケ 雛見沢に舞い降りた時報【ひぐらし】
第3期はぜひこの絵柄で。

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魍魎の匣の映画がすでに公開中なのですね。僕はグロ系苦手なので映画館にまで見にいくことはたぶんないと思いますが、この先もまだ映画化企画がつづくとしたら次はどれだろう。絡新婦の理あたりだったら絵的にも映えるし、僕でも大丈夫そうかな。
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by umi_urimasu | 2007-12-27 12:48 | 本(SF・ミステリ) | Comments(4)
「HELLSING」9巻 平野耕太
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a0030177_23193875.jpg前回の記事、「ヴァンパイアは皆、哀れな「百代の過客」なのだろうか」でこのヘルシングも不死者の悲哀を描いた吸血鬼作品の内に含めておいたんですが、少々記憶があやふやだったので、確認のために折よく出ていた9巻を読んでみました。よかった、やっぱりちゃんと描かれてた。

以下は該当箇所のセリフの引用です。インテグラの回想(?)シーンより。
世界にはあまたの不死の化物達がいる
彼らを見ると私は思うのだ
彼らは本当に不死を望んで存在するのか

彼らの多くは闘争を望む 血みどろの戦いを
それはもはや 嗚咽や渇望に近い
それは彼らが戦闘戦斗を望むのではなく 死を望む絶叫なのだ

あの男は幾年月を超えてきたのだろう
幾千幾万の人々の絶望を喰ってきたのだろう
だが もはや彼には何もない 城も領地も領民も 思い人の心も 彼自信の心も

闘争から闘争へ 何からなにまで消えてなくなり
真っ平になるまで 歩き歩き 歩き続ける幽鬼

私にはね インテグラ
吸血鬼が あの恐ろしい 夜を統べる不死身の化け物が
ひどく哀れな 哀れな 弱々しく泣き伏せる童に見える
基本的に人外バトルの比率100%、他0%な漫画なので、こうして主役キャラクターの心情を推しはかるような描写が行われること自体稀なんですが、それをちょうどアーカードVSアンデルセンのラストバトル決着に合わせて入れてくるとは。平野耕太もにくいことをしてくれる。

これも一応、吸血鬼のかわいそうな一面が描かれたサンプルのひとつということで、前回の話の補足としておきます。

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京極夏彦氏の書斎写真(MORI LOG ACADEMY)
本棚すごすぎる。蔵書数一万冊はダテじゃない。あとこれに寝床とテレビとネット環境がそろっていたら、もはや立派な現世天国。

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著者インタビュー 伊藤計劃(「虐殺器官」)
インタビューっていうか、好きな本の紹介大会みたいになっちゃってますが。ギブスン、スターリング、バラード、黒丸尚に小島秀夫、etc。虐殺器官も書かれるべくして書かれたのか、と思わせるような読書歴が披露されています。
Anima Solaris 著者インタビュー INDEX
含上記リンク。ここって再掲だったかな?まあいいや。SF小説好きにとってはけっこうなお宝サイトですね。

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またーりMorrowind中。メインクエストをほったらかしてバーチャル観光ゲームみたいに運用しています。これはこれで楽しい。昨日はVivecのordinatorの兵舎にもぐりこんで鎧を一式ちょろまかしてきました。でもさっそく装着してホールに出たら即座にバレました。で、例のごとくよってたかって惨殺されました。ぐぬぬぬ。ordinator容赦ねー。

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[ニコニコ] 【初音ミク】ドルアーガの塔より「おなかすいたうた」
ミクって案外いいもんだなと今ごろ理解

[ニコニコ] アイマス的血液型別ハンバーガーショップ 嘉門達夫 アイドルマスター

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電脳コイルは子供向け (toruotの日記)
電脳コイルってほんとに子供向け? - 教えて!goo
子供向け、かつ大人向けな作品でしょうね。力説するほどのことじゃないけど。
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by umi_urimasu | 2007-12-21 23:27 | アニメ・マンガ | Comments(0)
ヴァンパイアは皆、哀れな「百代の過客」なのだろうか
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a0030177_21122641.jpg日米合作のアニメ「バンパイアハンターD」を見て、原作小説とからめつつその感想を書こうとして、「自分は"D"という作品のどこが好きなのか」を説明しようとしていたところでぽろりと出てきた疑問です。

とりあえず、そのとき書いていたのは次のような文章でした。

"D"のシリーズは華麗なアクションや古典ホラーとSFのミックスが売りの娯楽作品であり、そうしたイメージでとらえられがちなのは当然です。しかし、それだけがすべてではありません。活劇が表の顔だとすると、その裏には必ず、人間よりもはるかに長い時間を生きる者たちの深い悲哀や諦観が込められています。ほとんど無限の寿命をもちながら、人と変わらない感情の生き物であるヴァンパイアやダンピールは、人間の敵とか味方とかいった区別を越えて「時の流れの中に取り残される」宿命を背負った悲しい存在なのです。僕がDシリーズを気に入ったのは、バトルやSF伝奇的な興奮以上に、この「永遠の旅人」的な寂しさが丁寧に描かれていたところに強く反応したからだったように思います。
そういえば「ヴェドゴニア」も人より長生きする吸血鬼の嘆きの物語ですね。「ヘルシング」にさえそういう成分は微量ながら含まれている(いたと思う、たぶん)。

あれ?不死の悲哀っていうのはもしかして、吸血鬼ものではあって当然の基本的なネタなんだろうか?

と、いうのが経緯です。で、検索してみたらこんな記事が出てきた。
とある海外コラム「なぜ日本でヴァンパイアは優遇されるのか」 (お茶妖精)

つまりキリスト教と神道・仏教の差、宗教的なバックグラウンドのちがいが日欧のヴァンパイアの扱われかたに影響を与えているというんですね。
ただ、この記事からだと実際に優遇されているのかどうかが判断しづらく、事実優遇されていたとしてその理由を宗教のちがいに帰するという見方がどれくらい妥当なのかも今いちよくわかりません。もちろんネタにマジレスって可能性も。なのでこの記事自体は参考程度にとどめおき、日欧のちがいはまた別の機会に考えることにして。
とりあえず目下の興味は、吸血鬼もののフィクション全般において不死ゆえの悲哀、彼らへのシンパシーといった物語要素がどのくらい定番的なのかということです。これはこれで、詳しく調べてみたら面白いんじゃなかろうか。

……でも残念なことに、僕はもともとホラーが苦手で、国内外を問わずその種の小説や映画にほとんど当たってみたことがないのでした。なのでサンプルをたくさんあげて比較対照するってことがとてもすぐにはできない。したがってこの話は考察を始めすらしないうちに行き詰まりを迎えてしまいます。ヒドス。
とはいっても別にこのまま投げっぱにするつもりでもありませんので、気長に吸血鬼小説を読んでサンプルを蓄積していけばそのうち見通しが立ってくるだろうと楽観しています。もちろん、もし菊地秀行氏や荒俣宏氏に直接質問できたら「それは君こうだよ自明なことだろう」と言い渡されて即解決しそうな話ですが、まあそんな機会があるわけないし。

とりあえず吸血鬼ものの所有・既読リストを書き出してみます。○=不死の悲哀を描いている、×=描いていない、?=保留、未=未読、すなわち積み本。
○ 「吸血鬼ハンターD」菊地秀行
○ 「ヴァンパイアハンターD」アニメ版
○ 「吸血殲鬼ヴェドゴニア」
○ 「ポーの一族」萩尾望都
○ 「ヘルシング」平野耕太
○ 「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」環望
? 「月姫」
? 「ジョジョの奇妙な冒険」荒木飛呂彦 (吸血鬼じゃないがワムウあたりはどうか?)
? 「ドラキュラ」フランシス・コッポラ (うろおぼえ)
× 「ヴァンパイヤー戦争」笠井潔 (1-2巻のみ既読にて判断)
× 「Blood the last vampire」
× 「ブレイド」
未 「屍鬼」小野不由美
未 「ウォーハンマーノベル ドラッケンフェルズ」ジャック・ヨーヴィル
未 「フィーヴァードリーム」ジョージ・R・R・マーティン
なんともいえんなあ。我ながらもう少し格調高いものを挙げられんのかと思いますが。ちなみに海外の作品については国内以上にまったく皆目知識なし。ちょっと検索してみて面白そうなのが見つかれば優先的に読んでみようかという程度です。ま、あくまで日々の読書の延長ですね。

(補足)
吸うか吸われるか -吸血鬼文学逍遙-(奇妙な世界の片隅で)
海外の吸血鬼系小説まとめ紹介。これはありがたい。参考にしよう。しかしジョージ・R・R・マーティンてほんとに何でも書いてるなあ……。
おすすめの吸血鬼アニメ(漫画、小説)を教えてください
主にアニメ、ラノベ、コミック。
吸血鬼を題材にした作品の一覧(Wikipedia)
Vampires : Horror & SF - coco's bloblog
定番の名作からマニアックなものまで幅広いまとめ。書影付きなのが嬉しい。

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[ニコニコ] [PC] Oblivion - Shivering Isles 番外編 Morroblivion
Balmora雑草生えすぎ

[ニコニコ] 公安九課のばら【攻殻機動隊手書きMAD】
攻殻SACでベルばらパロ。想像以上のインパクト
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by umi_urimasu | 2007-12-15 22:06 | まぞむ | Comments(16)
「The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day」乙一
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a0030177_18461527.jpgよくもまあ、文章だけでここまでジョジョっぽい雰囲気が出せるもんだなあ……。
小説形式であるにもかかわらず、ここにあるのはまぎれもなく「ジョジョの奇妙な冒険」の世界そのものです。原作の連載開始より20年、あのあまりに独特な作品世界を、同じ漫画形式ですら真似のできる人間はいなかったというのに。ジョジョのノベライズとして、現状でこれ以上を望むのは強欲というものでしょう。うむむ、乙一の精神の爆発力!認めよう!「本」のスタンドの思いつき、すばらしいものがあったことも認めよう!


設定やあらすじについては既にいろんなサイトで書かれているので省略して、キャラクター造形における原作とのちがいについて少し。
これに関しては、荒木飛呂彦があえて深く踏み込むことを避けた「共感を呼ぶ悪役」を物語の中心においたことが第一にあげられると思います。これにはいい面もあり、また微妙な面もあると思うんですが。
「The Book」の蓮見琢馬には、不幸な生いたちにまつわる明確な憎悪の理由と復讐の動機が与えられていて、彼は読者が心情的に共感できるタイプの悪役として描かれています。しかも復讐の対象が同情の余地のない悪党なので、よけいに琢馬に同情票があつまる構図になっています。このおかげでかつてなくウェットな味わいの新鮮な「ジョジョ」外伝が生まれたわけで、そのことは評価していいと思う。
でもその一方で、物語が求めた「かわいそうな悪役」というキャラ付けにしばられすぎたためか、蓮見琢馬は最後まで吉良吉影のように「普通さ」を裏返した圧倒的な怖さをまとうにはいたりませんでした。このせいで、琢馬はディオやカーズや吉良といった原作ジョジョの絢爛たる悪役に比べるといかにも「おとなしい」印象を与えます。「こんな化けものに絶対勝てるわけねえ」という、主人公がぶつかって倒すべき敵としての重みにはやや乏しいのです。やはり悪役の存在感にかけては、荒木飛呂彦のほうが一枚も二枚も上手ということなんでしょうか。
まあ、あのディオを生み出した人にそこんとこで張り合えというのは酷かもしれないし、こちらはこちらで乙一らしくて気に入ってはいるんですが。


原作のパロディやメタフィクション的な遊び以上に、乙一自身のジョジョ好きっぷりが感じられて読んでてニヤニヤしてしまったのは、シチュエーションづくりにかかわる部分ですね。こいつ荒木飛呂彦の脳みそ移植してもらったのか!? って思うほど、日常に潜む恐怖を引き出すシチュが異様に「ジョジョっぽい」。コンビニにふらりと現われる全身血まみれの猫だとか、狭いビルの隙間の空間に一年間閉じ込められていた女性の話だとか、密室の中で「車にはねられて」死んでいたという女性怪死事件とか、身体に傷跡のある生徒を探しだすのにスタンド能力を利用するやりかたとか、っていちいちあげていたらきりがない。むしろジョジョっぽくないシチュエーションを探すほうが難しいくらいです。乙一わかりすぎてる。
猫に餌をやるシーンでは露伴先生が今に「味もみておこう」って言い出すんじゃないかとひやひやでした。味はみなかったものの、なにくわぬ顔で睡眠薬とか入れてました。「やっぱり露伴先生だ」と思いました。

あと、あまり言われてないみたいだけどけっこう凄いのがクライマックスのバトルシーン。
乙一氏は対談で「戦闘の描写は苦手でてこずった」みたいな発言をしていましたが、あれはかなりの謙遜だったのでしょう。「ゴゴゴゴ」という擬音がほんとうに聞こえてきそうな張りつめた空気といい、スタンドの特徴と戦場の状況を活用しまくったトリックの応酬といい、まさにジョジョ、これこそジョジョの戦いだと思います。燃えるのなんの。とりわけ億泰&ザ・ハンドのかっこよさは異常。
子供のころから原作といっしょに育ってきた僕たちがあまりにも深くなじみすぎて、ともすれば「いるのがあたりまえ」のように感じてしまうスタンドが本来もっているはずの神秘性や圧倒的な暴力の凄まじさ、そういうものにあらためて気づかされる、非常に新鮮な「文章ならでは」の描写でした。
ちなみに本の装丁は作中の本のスタンドを思わせるデザインなので、手にとるとどうしても「The Book」ごっこをしてみたいという誘惑がおさえがたい。子供か。

物語のラストでは罪深く、痛切な、しかし一抹のさわやかさも添えた生命讃歌が高らかにうたわれ、原作版ジョジョのメインテーマの美しい変奏となっています。コミックのノベライズって聞くとなにやら軽薄なものを思い浮かべて敬遠してしまう人もいるでしょうが、そんなこと全然ありませんから。グレートな仕事ですよこれは。

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[ニコニコ] ジョジョ5部でBLACK LAGOONの神MADさん
残念画質だけど超がんばってる手描きMAD。暗殺チームが強烈にかっこいい

[ニコニコ] サヤウタ
沙耶の唄×ウサテイ

[ニコニコ] 【MAD】アカギ+カイジ×Tank! (カウボーイ・ビバップOP)
なんでこんなに合うんだ
[ニコニコ] 新・前原圭一のかわりに赤木しげるが転校してきたようです
村に舞い降りた天才が荒稼ぎします
↑今きづいたけどアカギの音楽がキングクリムゾンのREDのStarlessまんまだね。おまーじゅ?

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荒木飛呂彦×乙一JOJO対談
小説版を読んでから読むといちいち頷ける。
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by umi_urimasu | 2007-12-09 18:46 | 本(others) | Comments(0)
もろーうぃんど膝栗毛
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Morrowindが届いたのでさっそくやってみてるんですが。もうなにこれ!楽しすぎる!

a0030177_22222180.jpgなんといったらいいのか、異世界をぶらぶら旅行している気分を我がことのごとく自然に味わい、その世界の住人たる実感を自分の行動を通じてつかめるように、「プレイヤーキャラを入れるための箱」として作られたようなゲームなのです。便利なところも不便なところも全部ひっくるめて。これははまる。マジではまる。ひょっとするとMGS1とガンパレ以来の、「このゲームとなら心中してもいい」といえる作品についに出会えたのかも。

とりあえず気づいたら徹夜してました。今日も落ちるまでやります。しばらくはこんな調子でもろうぃん漬けの生活になりそうな気配。始めるまえはせいぜいオブリビオンと新PCを買うまでの軽いつなぎぐらいに考えてたんですが……。これだけで軽く数ヶ月は潰せそうな勢いです。ありがたいっていうかなんていうか。

以下、何枚かスクリーンショットを貼っときますね。あの世界の雰囲気が少しでも伝わればと。これ見てうほっと思った方はぜひ自分で買って遊んでみてくだされ。この楽しさは他人のプレイ動画やレビューでは絶対わかりませんから。お値段はたったの2000円だし、マシンパワーも大して要りません。ノートでも余裕で動くよ。

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旅のはじまり、Seyda Neenの町並。初めての人はみんな思うんだろうな。右側のあれ何!?キモっ!て。

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imperial guardのおじさん。ちょっとモーガン・フリーマン似。

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詰所でキャラメイク。Nordの女性戦士にしてみました。Better Headsのおかげでなかなかの美人さん。しかしでかい女だな。

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Seyda Neenの町外れの灯台。てっぺんから落ちるとけっこう痛いです。

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街の治安を守るインペリアルガード。いわゆるお巡りさんです。都合により世界中どこでも全員同じ顔みたいです。どんだけ。人目のあるところで悪いことするとえらい勢いですっ飛んできます。

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夕暮れのSeyda Neen。空の雲もちゃんと動いてます。屋内にいても、夕焼けを見るために戸外に出たくなるような色彩美。

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巨大ノミバス、Silt Strider。街から街へ移動する安くて安全な公共交通機関です。座席に乗れるかと思ってジャンプしたらとどかなくて崖下まで落ちました。

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Balmoraに到着。それにしてもでかい。

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早朝のバルモラ市街。よく雨が降ったり霧が出たりします。たまによく晴れるとなんか嬉しい。

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オークも平気でそこらを歩いてます。オークとはいえ立派な市民。重職に就いてる人物もいるようです。勤勉なオークは怠惰なエルフに勝る。

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戦士ギルドのすぐ隣が魔術師ギルド。仲がいいのか悪いのか。まあ便利ではありますが。

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盗品を叩き売って重武装一式を購入しました。これはひどい。みんな呆れてる

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バルモラのガード。やたら高圧的で頻繁に職質とか何様って感じ。いつか思い切りぶん殴ってみたい。

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盗賊ギルドで仕事のあっせんを受けてます。ダイヤ盗んでこいとか人の鍵をスってこいとか、武骨な戦士にとっては無理難題ばかり。泥棒はまだできないけど、きっとおぼえます。たぶん。

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皇帝付の諜報組織「Blade」のメンバー、Caius Cosades。腹に一物ありそうな怪しい爺さん。いつ行っても裸です。とりあえず服着ろって。

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Moonmoth砦の城壁内。ウーピー・ゴールドバーグ似のおばさんが武器の番をしてました。

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瓦礫の山に埋もれたDwemer(ドワーフ)の遺跡。Morrowindの文明レベルからすると、メカニカルな配管やエンジンはかえって奇異に映りますね。

a0030177_2311181.jpg
遺跡のなかで盗人らしき連中と戦闘に。死人からも身ぐるみ剥ぎます。ブラとぱんつは武士の情け。

とまあこんな感じで、あらゆる行動を楽しみながらファーストプレイ中。とりあえず今日はこれからバルモラ発のノミバスで行ける範囲をぶらっと観光してこようと思います。ではー。
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by umi_urimasu | 2007-12-06 23:58 | ゲーム | Comments(0)
電脳コイル 最終話「ヤサコとイサコ」
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ほんとうに久しぶりに、最後まで見つづけてよかったと思える作品でした。大抵のTVアニメを3回と見つづけられずに飽きてやめてしまう僕が。いやまったく、よくもモチベーションが維持できたものです。

25話の時点ではこの状態からちゃんと終われるのかと少々危ぶみもしましたが、まくりにまくってなんとか全部たたみ切り、切なくてやさしい大団円に涙腺ほろり。話は王道、絵は動きまくり、音楽も綺麗、演出丁寧。もうスタジオジブリがつぶれてもジャパニメーション安泰って気すらしてきました。受信料?払う払う。払いまくるよ。払うから第二期やってくれ。

総じてあまりセリフ回しに華のある作品という印象ではなかったんですが、最後の最後で忍耐がブチ切れたかのように神セリフが爆発したのには吹いた、もとい、感動しました。話も絵ももちろんだけど、声も音もテンション高かったしなあ。ヤサコとイサコの放つ言葉ひとつひとつにインパクトがあって、エピローグなんてもう全てが名言で。
「また会おう。同じ道に迷ったとき」「私はイサコ。名づけ親はあんただ」とか。
男前ヒロインにもほどがある!

物語はいろいろな要素を混ぜ合わせてありましたが、基本骨格はやはりシンプルな友情礼賛のお話だったと思います。とりわけ灰羽連盟好きだった人にとっては、まず間違いなくクリティカルヒットでしょう。自分の心の闇と向き合うべきときに手を触れていてくれる、暗い道のりを共に歩んでくれる、細い絆でむすばれた「仲間」の存在のありがたさ。あんまり気に入ってしまって、もう最終回だけ通しで二回見直してしまったほどです。

ただ、全部が全部いい面ばかりというわけでもなくて、たとえばイマーゴやヌルキャリアといった特殊な用語の頻用や企業陰謀劇っぽい要素など、大人でも気をぬくと何が何やらということになりかねない内容にメインターゲットのはずの子供たちがどこまでついてこられたかという危惧は小さくないものがありました。いろいろ工夫はしてたっぽいし、情報の詰め込みぐあいを考えれば十分すぎるほど健闘してくれたのでしょうが……。佐藤順一とかだとそのへん鉄壁なんですけどね。

終劇のあと、嬉しかったのは「来週のこの時間は電脳コイルを再放送します」のテロップ。なんというエンドレス。序盤を見逃してやむなくスルーしてたひとや、最近の萌えアニメやラノベアニメには食傷だとお嘆きのひとは、この機会にぜひ電脳コイルをば。非常に味わいがいのあるアニメだと思いますので。

蛇足。ヤサコのおじじ何気にすげー。おじじノーベル賞あげるべきだった。もう死んでるけど。
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by umi_urimasu | 2007-12-03 00:11 | アニメ・マンガ | Comments(0)