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今期最強の作画アニメ「電脳コイル」
いったい何年ぶりだろう。まさかふたたび、NHK教育にチャンネルを合わせるのが楽しみに思える、そんな日々がやってこようとは。
原作・脚本・監督は磯光雄、キャラデ&作画監督は本田雄。斯界屈指のアニメーターが主導する作品だけあって、「電脳コイル」の動きのよさは相当にテレビアニメばなれしています。というかこのレベルはありえん。どこのジブリだこいつはって感じだ。大胆かつ繊細、リアルでありながらアニメ的、まさに名匠の技というべきか。このクオリティ、絵の動きだけでも一見の価値ありではないかと。
ただ、電脳描写に力をつぎ込みすぎているせいか、セリフ回しとかが微妙に説明くさかったりするのが玉に瑕っぽい。

作品の内容は、たとえていえば「近未来版となりのトトロ」みたいな感じです。街っ子の日常世界と隣り合わせの冒険を描く昭和的レトロ感ただようSFファンタジー、ただし設定はガチ電脳もの、という。詳しくは公式サイトでも見てください。ついでにプロモーション映像あたりも。


ドラホーシュ教授の言いぐさじゃないけど、SF的に見るなら電脳コイルのおもしろさは「現実世界に右クリック」の感覚をうまくとらえて映像で表現しているところです。それも、攻殻機動隊のようないかにもサイバーパンキッシュなものじゃなくて、せいぜいドラえもんレベルの日常的な不思議感覚で。ふつうの人が使うのならば当然そうあるべき「お手軽さ」をしっかりそなえた、きわめて現実的・身体的な使用感を与えるツールとして「電脳コイル」の電脳は描かれています。抽象的な仮想空間にドギューン!ってダイブしたりするのより、こっちのほうがたぶんインタフェースのありかたとしてはずっとリアル。

あと、電脳を題材にした作品で「子供の(子供らしい)使いかた」を描いたのってあんまり数がなさそうなので、その方面でもちょっと珍種かもしれません。

そんなわけで、個人的に今期大注目の作品といえば何をおいてもまずはこれ。
次点が「ぼくらの」ですかね。話が原作ままだとすれば相当に鬱な内容なので、勇気がなくて見れてないけど。


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いつかは見たいと常々思っていた劇場版「イデオン」接触篇&発動篇を鑑賞。トラウマものでした。やりすぎですよ御大将閣下! イデオンに比べたらエヴァなんか全然ぬるいって主張してる人がいたけど、なるほど。そりゃそうだな。これはひどすぎる。


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イース・オリジン、ユーゴ編クリア。なんか飽きてきました。ダンジョンやボスキャラが全てユニカ編からの使いまわしってのがちょっと……これではどうしても、二周目は消化作業的なプレイにならざるをえないです。エンディングも同じやつの使いまわしだし。シナリオの説教くささも度がすぎてて鼻につくし。鉤爪編まで投げずにやり通せるかどうか、不安になってきた。

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[ニコニコ] Google Earthで見つけた面白い場所
地球は一幅の大活画

[ニコニコ] 【MAD】 ぱにぽに ふぇいと - VP6 高画質版

[ニコニコ] ハレ晴レBF団
世界を大いに征服するためのビッグファイアの団

[ニコニコ] 灰羽連盟MADムービー
灰羽→魔女の宅急便→紅の豚。発想の勝利。海外のファンがつくったらしい。

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『電脳コイル』第1話~第5話まで一挙放送決定
2007年6月16日(土)15時00分~17時00分/NHK教育
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by umi_urimasu | 2007-05-27 23:40 | アニメ・マンガ
イース・オリジン
a0030177_0585845.jpgをやっとります。なんとまあ珍しい。アクションRPGです。なかなか楽しいです。アクションの神に見放された僕のようなダメっ子プレイヤーでも適度なチョイムズ感を楽しめる、この絶妙の難易度制御が心憎い。安心感抜群。このへんはやっぱりイースなんだなあって感じ。

ただしシステム、物語、アピアランス、音楽、どれをとってもぎゃふんと驚かされるようなところはほとんどなくて、かなり保守的な印象の強いゲームでもあります。この手のゲームに実験性とか斬新さを求める人にはあまり向かない作品かもしれません。僕自身は普段アクションゲームの類をまったくやらないので、この程度でも十分珍しいんですが。

購入するタイトルを選ぶにあたっては、このイースオリジンと「空の軌跡」の二本の間で少々心が揺れたものでした。でもイースのほうがシリーズとしてなじみ深いので結局こっちになりました。なんと冒険心に乏しい客だろう。


知らない人のために紹介しておくと、イースっていうのは1980年代から現在にいたるまで多くの続編やリメイク版が作られつづけているアクションRPGのシリーズです。その筋では有名な、この系統の定番タイトルといってもいい作品ですね。すばしっこく動くちびキャラを操作して魔物をズババババーと蹴散らしていく爽快感や耳あたりのいいハードロック風味の音楽が、根強い固定ファン層を形成しておるようで。でも僕はイースI・IIしかやったことがないです。このイースオリジンは7番目だか8番目だか、とにかくシリーズ最新作。そして物語の時間軸上でいうとI・IIの前日談。

物語の舞台はイースと呼ばれる架空の国。赤毛の少年アドルの冒険と成長を描いたイースI・IIの時代よりさかのぼること700年の昔、当時はまだ地上にあったイースが、押し寄せる魔物から逃れるために黒真珠の魔力で天空に浮かべられた、そのころのお話です。
イース浮上後、あらゆる魔法の根源である黒真珠をたずさえてふたたび地上に降り、消息を絶ってしまった二人の女神。その捜索のために派遣された神殿の騎士たちと、黒真珠を奪って世界を支配しようとたくらむ〈闇〉の一族との戦い。これが物語の主軸となります。イースI・IIの核心にモロにつながる内容でもあり、かなり期待は大きかったんですが………

なんかストーリー薄いなあ。アクションRPGというだけあって、アクションがメインでお話は刺身のツマみたいなものと割り切るべきなのだろうか。アクション部分にはなんら不満はないのですが、ストーリーの方が個人的にはかなり食い足りない気分です。FFみたいにやたら長くしろとは言わないけど、もう少しこう、ごたごたしたりキャラ同士をいろいろ絡めてあげてもいいんじゃ。これではあっという間に終わってしまうではありませんか。

と、正直腹三分目ぐらいな満足度ではあるものの、まずはユニカ編を滞りなくクリア。Easyモードでさくさく。
ちなみにこのユニカはトバ家の子。I・IIをやった人なら知っているジェバ婆さんや盗賊のゴーバンや占い師のサラ、あのひとたちのご先祖様なのですね。ご先祖様万歳。その節はアドルがたいへんお世話になりまして。いや、むしろいずれお世話になりますと言うべきか。
とりあえず、700年という時のへだたりの大きさをほんのり感じることができて、個人的に「こうであって欲しい」という最低限の要求は満たしてくれました。

次はユーゴ編にとりかかります。裏切りの家系たるファクト家の人が主人公だけに、少なくともユニカ編よりは重厚な物語になることを期待しつつ。ちょっと望み薄だけど。
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by umi_urimasu | 2007-05-22 00:51 | ゲーム
「王狼たちの戦旗」II ジョージ・R・R・マーティン
a0030177_23112756.jpg戦雲渦巻く七王国を舞台に、野望と愛憎の人間ドラマを圧倒的なディテールで描く〈氷と炎の歌〉シリーズ、第二巻第二分冊。徹底したキャラクター等価主義にもとづくサドンデス作劇はあいかわらず健在です。
今度はあの人と、あの人と、そしてあの人が……! うおおおん。


SFや幻想小説や異世界ファンタジーを読むとき、僕はどちらかというとさっぱりした簡潔な文章よりも度がすぎるぐらいに饒舌で濃厚な文章を"旨い"と感じる場合が多いです。これは僕に、「現実にはないビジュアルを想像したがる」癖があるからかなぁ、とか思ってるのですが。ジョージ・R・R・マーティンという人は、そういう意味ではまさに願ったりかなったりの作家さんです。なにしろ言葉数がめっぽう多い。たとえば「王狼たちの戦旗」II のなかの一節、進軍中のレンリー・バラシオン公の陣幕をケイトリン・スタークが訪れる場面を引用してみると、こんな感じ。
何千もの炊事の煙で空には薄青い霞がかかっていた。馬の列だけが何リーグにもわたって続いていた。旗印をつける高い竿をつくるために、きっと森ひとつが切り倒されてしまったことだろう。薔薇の道の端の草地に、巨大な攻城兵器が並んでいた。大投石機、城門破壊用の投石機、馬に乗った人間よりも丈の高い車台に乗った移動破城槌。鋼の槍の穂先が、まるですでに血塗られたかのように、日光を受けて赤く光っていた。一方、草地には絹の茸が生えたように、騎士や貴族のパビリオンが乱立していた。槍を持った兵士、剣を持った兵士、鉄兜に鎖帷子を着た兵士、愛想を振りまく従軍売春婦、矢に矢羽根を付けている弓兵、荷馬車を動かす御者、豚を追う豚飼い、使いに走る小姓、剣を研ぐ従者、乗馬馬に乗る騎士、気難しい馬を引く馬丁などの姿が見えた。
いやあもう、しゃべるしゃべる。口から先に生まれてきたのかってぐらいよくしゃべる。
もちろんこれはほんの一部です。他にも王侯貴族たちの晩餐の場面など、人物と料理の紹介だけで軽く2、3ページを費やしたり、なんてケースが「七王国」や「王狼たち」にはごろごろ出てきます。まったく、筆を惜しむという概念を知らないのでしょうかこの人は。
そしてこの物量攻撃的なディテール描写が、西洋の歴史文化にうとい僕のような読者にとってどれほど助けになってくれていることか。マジ助かってます。

僕自身も含めての話ですが、ゲーム世代の読者のなかには西欧ファンタジーと聞くと、とりあえずFFとかDQみたいなカラフルで小奇麗な世界がまっさきに頭に浮かんでしまうという人がけっこういるのではないでしょうか。ゲームの影響かどうかはともかく、どうも僕らはファンタジーの世界に対して、現実以上に清潔で快適なイメージを求める傾向が強いような気がします。それがダメってわけじゃない。そういう世界観もあったっていい。でもやっぱり、物語がいつもいつも綺麗ごとばかりではつまらないと思うのです。そして物語的なTPO(?)を考えるなら、へヴィな話の土台にはそれ相応にリアルな舞台を据えてやらなきゃいけないだろうと。

で、そこで〈七王国〉ですよ。
この不潔感、この重量感、人物の体臭まで匂ってきそうなこの生なましさ。これは売れ線のゲームやティーンエイジャー向けのライトノベルなどではまず味わうことはできません。そしてこれだけの生なましさがなくては、戦火の中を必死こいて生き抜こうとあがくキャラクターたちの生の実感やあっけない死の重みを、傍観者である僕たちがこれほどまでに強く、痛く感じることもできないに違いありません。
決して、単なる作家の筆の遊びとか水増し目的でここまで書き込まれているわけじゃないんです。たぶん。いや、わからんけどおそらく。


どうかこの作品が、「俺って生きてんだなぁ」と思えるファンタジー小説にまだ出会ったことのない人たちに、ひとりでも多くのそんな人たちに、深い驚きをもって読んでもらえますように。
とか思う今日この頃であった。



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「王狼たちの戦旗」II はデーナリスではじまってシオン・グレイジョイで終わります。シオンのターン久しぶりです。ちょっと忘れかけてた。わりい。

あと驚いたのが、サンサに対してサンダー・クレゲインフラグ(!)が立ちそうなこの流れ。な、なにィィ。そうきたか。サンサ、惚れっぽい子だからなあ。
サンサの愚かさとアリアの聡明さの対比は作中でよく強調されますが、僕はおバカさんなサンサもアリアと同じぐらい心配してます。頼むから生き延びてー。そのためにも怪しい男にすぐのぼせる癖を何とかしてくれ。命がいくつあってもたりんぞ。

それにしても、主観キャラクターを次々とクロスオーバーさせていくこの群像劇スタイルの快楽度はちょっと異常だ。なんでこんなに引きこまれるんだろう。


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[ニコニコ] ハレ晴レユカイver.ジョジョ1部作ってみた
天才作詞家出現

[ニコニコ] アムロvsシャア(音声付きver5.0)
笑い転げました。必見必聴。

[ニコニコ] サーヴァント大決戦!
桜が素で怖い

[ニコニコ] ジョジョの作者、荒木飛呂彦に100の質問 1/3 2/3 3/3
荒木かわいいよ荒木
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by umi_urimasu | 2007-05-15 23:17 | 本(others)
アニメ「時をかける少女」
a0030177_0521030.jpgうげおわ。これはけしからん。細田神降臨しすぎ。

普通に神演出でした。もとい、神演出が普通でした。なんつーか、贅沢な演出映画って感じだったなぁ……。面倒がらずに映画館に行って大スクリーンで見とくんだったと、今にして後悔しきり。
まあでも、悔やんだところで過ぎた時間は戻らんし、パプリカまで見逃さなかっただけまだましと思うべきか。
みなさんも未見ならDVDでいいから見とくといいなりよ。
人生得した気分になれるよ、たぶん。

元気が取りえの女子高校生・紺野真琴はある日、理科準備室で思いがけず時間をさかのぼる能力を手に入れた。テストの答えを覚えたりカラオケの時間を延長したり、遊びに使っているうちは良かったものの、無思慮な力の濫用はやがて裏目に出始め、気のおけない友人である千昭、功介との関係も崩れていく。事態の修復に奔走したあげく、みずから取り返しのつかない結果を招いてしまう真琴。しかしそこに、意外な人物があらわれて───。
お話としては、いわゆる定番の時間遡行・学園青春ドラマです。くだくだしい設定の説明やキャラ立ての手間は極力はぶかれ、頭でっかちなテーマなどもなく、タイムパラドックスとか多元世界解釈とかいっためんどいSF領域にもまったく踏み込みません。あるのは「時間、戻せます」っていうたったひとつのルールだけ。シンプルで勢いのあるストーリーと切れ味鋭い映像的演出でカラっと爽やかな恋愛街道を全力疾走していく、そのスピードに便乗していれば、それこそあっという間に90分が過ぎ去ってしまいます。速い、速いよ90分!

タイムリープがらみの整合性など、いくつか脚本上の細かい疑問はあったりなかったりですが、矛盾さがしをしてさほど楽しい作品でもなさそうなので野暮なことは言わないほうがよさげ。とにかく絵、音、話、いずれにしても勢いのよさが身上の爽快な映画でした。

作画・演出については、ストーリーの疾走感に同調しちゃってて細部に注意しながら見てたわけじゃないんですが、かなり細かい工夫が色々とほどこされているようではありました。目立ってたのは、音楽のテンポに合わせて時間を飛ばしたり、よく似たシークエンスを繰り返したり、一瞬の時間をじわりとひきのばしたり、系の変幻自在な時間制御。
僕が時かけ以外で細田守監督の仕事をそれと知りつつ見たのは、今のところデジモンアドベンチャーの劇場版二作とルイ・ヴィトンの広告フィルムの三つだけなんですが、スタイリッシュな構図、音楽とのシンクロ、カットのつなぎ方、などに感じられる切れ味のよさはどの作品にも共通していて、それらを漠然と細田守の個性として認識してます。それにいわゆる天丼、同ポ繰り返しの多さ。あと、なにげないカットに一種判じ絵的なギミックをまぎれ込ませてやたらシュールな絵にしてしまうとか、そういった絵的なユーモアセンス。しかも大抵、そういうのは同時に物語の伏線にもなってたりする。

そう、細田画面にただぼけっと見とれていることはすでに愚策なのである。

というわけで見直し必須です。次はディテール鑑賞だー。


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ヒロイン・真琴はとりあえずよく回る子。縦にも横にも。これほど回転数の多い、転がってばかりいるヒロインも珍しいと思う。さて、劇中で真琴はいったい何回転したでしょうか……。たぶん軽く20回転ぐらいは行っとるはずだが。



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それにしてもニコニコ動画すげーなー。
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by umi_urimasu | 2007-05-11 01:26 | アニメ・マンガ
何読んでるの?虚淵さん
全ニトロファン微苦笑! これが虚淵玄の本棚写真だ。

並んでいるのは金庸、ラヴクラフト、皆川博子、ブラッドベリ、ジョージ・オーウェル、グレッグ・イーガン、テッド・チャン、デイヴィッド・ブリン、神林長平、冲方丁、馳星周、などなど。それに空手バカ一代。予想通りというか、わりとまんまな感じですね。しかし、仕事用の資料っていう雰囲気がどうも薄いように思えるのは気のせいか。
あと、SF以外ではやはりハードボイルド系の割合が多め。僕はそっち方面にはまるっきり疎くて、フォーサイスとかフリーマントルとか聞いたことあるなぁっていう程度ですが。


こちらは鋼屋ジン氏の本棚写真。ヘルシング、シグルイ、皇国の守護者、月姫、西尾維新、古橋秀之、涼宮ハルヒ、クトゥルー関連等々。流行りのライトノベル系がほとんど。まあ、ゲーム屋さんの本棚としてはこのほうが虚淵本棚よりもずっと健全なイメージではあります。
ちなみに小説以外に一冊だけ、大塚英志「キャラクター小説の作り方」。まさか、そんなの読みながらデモンベイン書いたわけでもないだろうけど。



で、次回のニトロ新作は久しぶりに虚淵シナリオらしいと聞いて喜びいさんで見にいったらば、これが出てきたとです。

続・殺戮のジャンゴ~地獄の賞金首~

ある意味すごいわ。儲ける気ないんか、この会社。


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ちかごろ本屋に行くと、百年の孤独やコレラの時代の愛と並んで族長の秋 他6篇がたくさん置いてあります。「他6篇」ていうのは、もともとサンリオ版のエレンディラに入ってたのと同じラインナップみたいです。上様、これはなかなかの一冊でございますぞ。
あと書名は変わるけど「ママ・グランデの葬儀」もそろそろ出るらしい。新潮社GJである。誉めてつかわす。
でもなんで文庫で出してくれないの。


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[動画] ターミネーターVSロボコップ EPISODE 1
あまりの互換性の高さにプレデター嫉妬
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by umi_urimasu | 2007-05-02 16:46 | ゲーム