カテゴリ:アニメ・マンガ( 118 )
シルヴァン・ショメの異形の世界
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最近はじめて作品を見て、いたくお気に入りのアニメ作家がシルヴァン・ショメです。「ベルヴィル・ランデブー」のコミカルでグロテスクな狂騒、静かな哀愁ただよう「イリュージョニスト」、「老婦人とハト」のとぼけた狂気、なにもかもに惚れ申した。特に、ベルヴィル・ランデブーの強烈なデフォルメ表現には異様に惹かれるものがあります。この架空の巨大都市、まさに異形都市好きの桃源郷。
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ベルヴィル・ランデブーの劇中には、なつかしい時代の音楽や演芸へのオマージュ?あるいはパロディ?がたくさん仕込まれています。でも物語の本筋としては、「誘拐された孫を助けるためにばあちゃんが戦う」というだけのいたってシンプルなもの。説明だけなら一言で済んでしまう話なのに、思いがけない面白さで動く絵や細やかな芝居やごちゃごちゃした風景に見入っていると、1時間があっというまにすぎていきます。基本的に芝居はパントマイムなので、言葉にたよらず目で楽しめるのも嬉しい。日本のアニメは絵が動かない代わりに難しい話をつめこむものが多いからか、こういうやりかたは僕にはとても新鮮に映ります。

人物などの動くオブジェクトと背景画がまったく同じタッチで描かれていて、ひとつひとつのカットが一枚の絵としても違和感のない画面に仕上げられているのも、地味にすごく好き。これはもしかしたらフランスのバンド・デシネ文化に関係あるのかもしれないけど、よく知らないのでなんとも。少なくとも日本のアニメでは、ここまで全編にわたり徹底して画面のタッチを統一するスタイルはあまりとられないみたいです。技術的にたいへんなのかな。ひょっとしたら恐ろしく手間がかかるのかもしれない。

あと、ショメとはちがった方向性ながら、幻想的な異形の世界をビジュアルで見せてくれる作家として、最近ショーン・タンが個人的いち押し。Lost Thing のアニメもすばらしかったです。日本でもああいう異形幻想アニメがもっと盛んになってくれるとありがたい。
日本では萌え文化?の影響力が大きいせいか、絵のかわいくないアニメはなかなか流行らないようですが、湯浅政明などはやや異端的なポジションに陣どっているイメージがあります。湯浅政明の異形指向と宮崎駿のレトロ風ユートピア(ただし説教くささは抜きにして)をまぜれば、ちょっとシルヴァン・ショメに近い世界になりそうな気もする。

[youtube] ベルヴィル・ランデブー トレーラー

ベルヴィル・ランデブー [DVD]

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント



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キングの「デッド・ゾーン」読み中です。作中に、ビートルズのバックインザUSSRを口ずさむ“つるつるの”シリアルキラーが出てきます。なんかちょっとホワイトアルバムのギアッチョを連想する。もしかしたらこれがギアッチョの発想のヒントだったり……しないかな。

[画像] Фотовідеостудія "Позитив"
ファンタスティック。どこにあるんだこれ

謎の黒い惑星を発見…光を99%以上吸収
ついに魔界星発見さる

「ブレードランナー」新作、リドリー・スコット本人が監督へ!
あまり前作や原作にこだわらない新鮮な作品を所望。ねじまき少女みたいなのもええかもわからんね

[ニコニコ] タグで動画検索 第7回MMD杯本選
【第7回MMD杯本選】 Runaway -逃亡者-
リベリオンすげー。あの煙やマズルフラッシュもみんなMMDでやってるんだろか。いつかMMDだけで普通に映画まるごと一本作ったりってことがあたりまえになる時代がくるのでは。

From Chandler to Gibson: How Noir Led to Cyberpunk
ノワールはサイバーパンクへどうつながったか。初期のギブスンはSF界のチャンドラーと評されることもあったらしく、そんなに似てるならせっかくだからチャンドラーも一度は読んでみようかと、思いつついまだご縁なし。

SF・ファンタジー小説ベスト100
Top 100 Science-Fiction, Fantasy Books : NPR
こうしてカバーアートを見比べると、ファンタジーの日本版表紙における漫画っぽい傾向は異様なほど顕著。

シルマリルリオンの精緻な中世風写本を手書きで作りあげたドイツの学生
手のみ一本で山をもうがつドワーフのごときド根性
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by umi_urimasu | 2011-08-07 23:28 | アニメ・マンガ
「テルマエ・ロマエ」 第1巻 ヤマザキマリ
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a0030177_22382426.jpgこれは楽しかった。風呂好きで知られたローマ帝国人が、なんと現代日本の銭湯へタイムスリップしてしまう。2000年の時を越えて東西の「風呂文化」が触れ合ったとき、なぜか生まれる謎の感動。緻密な考証のもと、ユーモアたっぷりに描く異色の比較文化漫画です。

まず冒頭から目をうばわれるのが、とんでもなくにぎやかなローマの公衆浴場シーン。将棋してる!相撲してる!垢すり器具で肌をこすっている人がいる!お菓子の売り子さんがいる!ムダ毛の処理をしてくれるサービスがある! 何なんだこれは。髪結い床ってレベルじゃない。現代人の目から見ても、2000年前のヨーロッパの風景とはにわかに信じがたいような、それは日本人の心の故郷である「風呂」に驚くほど近い情景に見えました。ローマ人たちはこんなにも日々のお風呂を楽しんでいたのか。

そんなローマ人湯客のひとりが突然、現代日本の風呂場にワープしてしまいます。一度ならず何度も。主人公ルシウス・モデストゥスが、ワープのたびに新たなカルチャーショックに打ちのめされ、しかし風呂に関するアイデアだけは貪欲に吸収し、ローマに戻るたびに斬新な風呂を設計する──というのが、この物語の基本的なパターンです。異文化交流の可笑しさ、時代を越えて技術が役に立つキテレツ大百科的(?)な面白さ、「もしローマ帝国に日本の風呂あらば」という一種SF的なくすぐりなど、読みどころは山ほどあるでしょう。そして、温泉たまごや牛乳瓶のフタに子供のように驚き感動する異国人の姿を見ていると、毎日なにげなくつかっているお風呂という文化のゆたかさ、それがもたらす快楽の深さにあらためて気づかされ、「やっぱ風呂はいいよなあ」という幸福感をかみしめずにはいられないのです。日本人でよかった……。

さて、作品中であまりにも高度な文明に接したルシウスは、世界の支配者たるべきローマ帝国民としての自負を砕かれてしまいます。(とはいえ、優れた文明から学べるだけ学ぼうとする謙虚さとたくましさはちゃんとある。)でも、読者の側の視点からみれば、おあいこではないかという気がしないでもありません。彼らローマ人の入浴文化も、現代人にとってかなり衝撃的なものだと思うので。こちらの感覚からすると、2000年もの昔に日本の銭湯にも匹敵する大衆浴場がふつうに存在していたらしいこと、そんなレベルの生活インフラをあたりまえのように築いていたことの方が、むしろ信じがたいのです。古代ローマの繁栄とは、いったいどれほど凄まじいものだったのか。こうして風呂と風呂とが対比されることで、歴史の教科書などを読むよりもずっと身近に、生活上の実感として想像できるというものではないでしょうか。

主人公のルシウスは架空の人物のようですが、作中には皇帝ハドリアヌスや建築家のアポロドロスといった史実上の人物も少なからず登場します。ローマ人の生活描写の描き込みの細かさなどから、歴史考証的なこだわりのほどが感じられます。ローマのトイレのおしりふきシステムにはびっくりしました。あと、キャラの顔の造作も、肖像などが残っている皇帝なんかは写実的に模倣してあったりと、基本的にギャグタッチな話のわりに絵づらはガチ歴史。さらに、一話ごとに「ローマ&風呂、わが愛」という風呂歴史エッセイが付いて、これまた面白い。なんとなく、森薫のヴィクトリア朝文化に対する偏愛に似た方向の情熱を感じます。そういうの大好き。

テルマエ・ロマエ 第一話 ためし読み
こちらでためし読みができるようです。興味をもたれた方はぜひ。

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グレッグ・イーガン インタビュー (Aurealis #42, 2009)
たぶん最新のやつ。気力のあるときに読む

『人喰いの大鷲トリコ』上田文人氏インタビュー
動物の表現について力説。あーもう待ち遠しい

20代女子の「オススメしたい有名海外ファンタジー・SF小説」ランキング
●第1位/J・K・ローリング著、「ハリー・ポッター」シリーズ ……33.0%
○第2位/ミヒャエル・エンデ著、「モモ」……20.4%
●第3位/ダニエル・キイス著、「アルジャーノンに花束を」 ……19.1%
○第4位/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著、「ハウルの動く城」シリーズ ……13.0%
●第5位/C.S.ルイス著、「ナルニア国ものがたり」シリーズ ……11.4%
○第6位/J・R・R・トールキン著、「指輪物語」 ……10.5%
●第7位/ミヒャエル・エンデ著、「はてしない物語」 ……8.3%
○第8位/ダレン・シャン著、「ダレン・シャン」シリーズ ……5.9%
●第9位/アーシュラ・K・ル=グウィン著、「ゲド戦記」 ……5.2%
○第10位/グレッグ・イーガン著、「しあわせの理由」 ……4.9%
10位だけどうにも場違いな感が否めない。統計のいたずら?

族長の秋 [著]G・ガルシア・マルケス - 漂流 本から本へ (筒井康隆)
ものすごく読み疲れする本。読み返すなら20年に1回ぐらいのサイクルで。

[youtube] Gandalf Goes to the World Cup
ブブゼラでした。ブブゼラです。ブブゼラなのです。
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by umi_urimasu | 2010-06-16 22:53 | アニメ・マンガ
「乙嫁語り」森薫
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a0030177_20344455.jpgまさに森薫の、森薫による、森薫のための漫画。「民族衣装描きたいいい!」という作者の叫びが紙面から聞こえてきそうな、恐るべき描き込みの細かさです。しかもトーンワークの一部を除いて、作画作業のほぼすべてを森薫ひとりでこなしているのだとか。これはもう、「仕事だから手をぬかない」とかいうまともな道理の通じる次元ではないってことなんでしょうかね。本人の気のすむまで描いて描いて描き倒す、その筆ゆきを読者はただ見守ることしかできないのではないか。そんな気さえしてしまいます。エマの連載期間中に劇的な進歩をとげたこの人の絵が今後どう変化していくのか、楽しみでもあり、少々恐ろしくもあり。

「乙嫁語り」の舞台は19世紀中央アジアのカスピ海沿岸地域で、劇中の衣装もそのあたりのものを参考にデザインされているらしいです。では、元ネタにあたる実際のその土地の民族衣装はどういう感じなんだろう。気になって検索してみたんですが、なかなか似た衣装って見つからないもんですね。イメージとして比較的近いと思われるのは、たとえばこういうの。 ↓
Traditional AZERI FOLK clothing
アゼルバイジャンの民族衣装。アミルの着物に似てなくもないかな。ただし遊牧民の服ではなさげ。

A Tajik woman wearing traditional costume
タジキスタンの女性服。メダルのようなアクセサリはそこはかとなく似てるかも。

Tajik Wedding
同じくタジキスタン。帽子の形状がそれっぽい。

森薫の新連載「乙嫁語り」に出てくる“テュルク系民族”を追う
トルクメニスタン的な要素も含まれていそうだとて調べた人がいなさる。

Uzbek Man in Traditional Clothing
ウズベキスタンの男性。縦じま柄の前合わせ着物は作品中にも頻出。

最初は「カスピ海ってどこらへんだっけ?」という状態だったんですが、画像を見てまわっているうちに多少はご当地の人々の生活感などが身近になったような気がします。無駄ではなかったと思おう。

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[画像] Autumn scenes
無駄にカッコイイ七面鳥の写真

この模様を見てピンときた人はオタクですって。
「この模様を見てピンときた人は○○○」のまとめを誰ぞつくりたまえかし。

五味康祐「柳生武芸帳」にとりかかりました。面白ええええ!ブラック宗矩かっけえええ!とテンションあがりまくりでガシガシ読みながらふと検索 → 未完と判明。なんてこった。
→ 10/27 今日も読む。ガッシガッシ貪り読む。大久保彦左衛門がナイスジジイすぎる。

せがわまさき 新連載は「山風短」
風太郎の短編から原作をいくつか選んで順に漫画化していくということらしい。まずは「くノ一紅騎兵」から。
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by umi_urimasu | 2009-10-23 21:11 | アニメ・マンガ
「へうげもの」表情集
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漫画「へうげもの」から、古田織部の面白おかしい顔をちょっとまとめてみました。僕が「へうげもの」という作品に魅力を感じている大きな要素のひとつが、この大胆すぎる表情描写です。戦国時代の物語なのに、人物の顔つきがあまりにも、あまりにも活き活きと描かれているせいで、まったく大昔の話という気がしない。斬新な茶器や茶室を目にしたときの織部は、現代のテレビタレントでもここまでの顔はしないだろうというすばらしいリアクションをしてくれます。じつに鑑賞のしがいがある絵だと思うし、「へうげもの」の場合はこの表情のゆたかさがそのままキャラクターの魅力にもつながっていると思うのです。
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アニメとかの影響なのか、最近の漫画の絵柄の流行としては線の少ないつるっとした人物画が主流みたいですが、僕はやはり「へうげもの」のように顔の情報量が多いほうが、絵としては好きなようですね。頬の肉がよったり、唇をすぼめたり、アゴに梅干しジワができたりする顔のほうが、変化の乏しい顔よりも単純に見て楽しいし、その表情でしか表現できない微妙な感情というのもあるだろうし。いわゆるアニメ顔の絵では、こういう多彩な表情を描くのはどうしても無理があるでしょう。まあ、どっちがいいと優劣をつけられるようなものではないかもしれませんが。
しかしこうしてまとめて見るとやっぱり凄いな。

追記:族長の初夏 : 「へうげもの」山田芳裕
以前書いた感想文です。彼ら数奇者たちはやはり「戦国時代のオタク」なのだろうか。

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[画像] Zdzislaw Beksinski
ベクシンスキー画像集。不安定になる絵が山盛りで怖いような嬉しいような

チューリングマシンがレゴで出来ちゃった!(動画)
レゴブロック発祥の国デンマーク、Aarhus大学にて。気になるお値段は……オープンプライス?

[画像] 廃墟の画像とか貼ろうぜ
廃墟写真にも二種類ある。安心するものと怖さしか感じられないものだ。いったい何がちがうのだろう

[ニコニコ] 「農耕士コンバイン」「先公メッタ打ち ザ・ブンナグル」他
秋田大学アニメーション製作研究会による自主制作アニメ、1985~1986年制作。デジタル編集技術がまだ一般的でなかった時代の手描きMADみたいなもの? パロディの出来もさりながら、圧倒的な手づくり感がなんとも言えずよいです。

ヴァンパイアの定義とは?
アジアの吸血鬼伝承についてはほとんど言及なし。マイナーなのかなあ。ストリガというのは東洋起源だそうだけど。

初代「ドラゴンランス戦記」、角川つばさ文庫で復刊
これは朗報か。でも時かけ=のいぢ絵のこともあるし、これも表紙はどうなるやら。

[画像] 今もイギリスの海上に浮かぶ対空要塞…第二次世界大戦の遺物
辛抱たまらーん
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by umi_urimasu | 2009-01-30 00:02 | アニメ・マンガ
「Boichi作品集 HOTEL」
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a0030177_10342970.jpg方々で絶賛されてるSF漫画短編集。でもなんか、普通だったかも。SFとしては大して新味のない、ごくありきたりなものに思えます。遠い未来に目をこらしてちゃんと見ようとする姿勢はクラークなどにも通じますが、個人的には落としどころが素朴すぎるのが物足りませんでした。泣ける話だったね、長いあいだ大変だったね、で?っていう。そこから先こそSFの領分だろうと思うんですが、そこで話が終わってる。

僕は自分の好みに合う漫画しか読んできていないので、これが世間一般的にみて漫画としてどの程度すぐれたものなのかはよくわかりません。ただ、「これは遠い未来の風景なのです」というわかりやすい視覚的説得力をもった絵は僕も大好きだし、そういう技量については相応に評価されてほしいと思います。Boichiという人は韓国で映画づくりもやっていたらしく、日本で主流な漫画のスタイルよりはやや映像寄りな、挿絵とかイメージイラストなどに近い手合いのものが得意そうな印象も受けます。「HOTEL」ももしかしたら話は後づけで、烈風の中にそびえる錆びた巨塔のイメージから先に生まれてきたものだったのかもしれません。

蛇足ツッコミ。とりあえず恒星間航行宇宙船なんか建造できる技術があるんだったら月面コロニーとか作ればいいのに。余裕で作れるだろ。それに人類のDNAを保存するにしたって地上施設なんかより月に埋めとくほうがずっといいのに。2700万年の壮大な無駄働きだと思うと別の意味で泣ける。読みやすさや絵づらを優先してるせいだと思うけど、単なる「SF風味」ですませたくないなら科学考証という穴うめ作業もがんばってほしいところです。

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山尾悠子放置プレイ中。ニール・スティーヴンスン「クリプトノミコン」第1巻を半分くらい読んでみました。予想に反して非常に読みやすい戦争冒険活劇。「ダイヤモンド・エイジ」のウルトラバロックサイバー児童文学風な奇矯さは微塵もなくて、まるでハリウッド映画みたい。これ、ちゃんと暗号理論炸裂な話になっていくのかなあ。

美女すぎると話題騒然…ウクライナのユリア・ティモシェンコ首相
素で映画女優レベル。ほんとにいるもんだなあ。でも金融危機で肩の荷は重そう。人呼んで「ウクライナのジャンヌダルク」……それなりにヤバイ人という噂もあり。

座布団投げは警察に通報 九州場所
4枚つづりで10kgにもなる恐ろしい座布団。ヘタすりゃ凶器だ。こんなの導入するより、いくら投げても安全な軽くて柔らかいざぶとんにした方がいいのでは。

太陽帆船、金星へ出航準備 H2Aに搭載計画
川口研究室 projects
太陽の風背にうけて、青を心に一、二と数え――東方にソーラーセイルで惑星間航行をめざす者どもあり!

[ニコニコ] ブロリープロデューサーでてってってー
さすがマンタPとほめてやりたいガンバッバ

[ニコニコ] Dschinghis Khan めざせモスクワ
[ニコニコ] Dschinghis Khan ジンギスカン
ときどき猛烈に見たくなる動画
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by umi_urimasu | 2008-11-08 12:47 | アニメ・マンガ
「からくりサーカス」をアニメ化して欲しいのですが
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a0030177_12434850.jpgストーリーが入り組みすぎて途中から見た人がまったくついていけないような作品はそもそもアニメに向かないとか、連載終了から時間が経って注目度が下がっているとか、絵が一般向きじゃないとか、内容が子供には少々へヴィすぎるとか、ハードルは多いかもしれない。よほどの幸運に恵まれでもしないかぎり実現は難しいかもしれない。でも「MONSTER」のように、複雑な内容の長編作品が原作に忠実にアニメ化された例が今までにもなかったわけじゃない。まったく希望がないともいえないのではないかと。少なくともジョジョのシリーズアニメ化とかよりはまだ実現の可能性は高いんじゃないかと。
ハガレンはいいなあ、再アニメ化とかされて。ちくしょう羨ましい。からくりサーカスだって運がよければ。
運なんですかね、やっぱり。

現時点では、サンデーCM劇場で冒頭の一瞬だけ、一応アニメ映像として見ることができる模様。というか、このサンデーCM劇場でCM化された作品はほとんどがシリーズアニメ化されてるんだな。がんばれあるるかん。希望を捨てないで。

僕は現在、全43巻のうちの34巻あたりまで読み終えたところです。短いようで長い道のりでした。つい数日前に読んだばかりのところが、素で何十年も昔のことのように思えてしまうような。物語内時間としても、読み手の体感としても、異様に「長い」もしくは「濃い」時間を体験している気がします。不思議な漫画ですね。
劇中ではすでにルシールもアンジェリーナもフランシーヌ人形も退場(泣)し、因縁のバトンはエレオノール=しろがねに引き継がれました。ラスボスとの対決の構造も確立されつつあり、作品全体が収束に向かう気配を見せ始めています。残りは1/4。あとひと息、がんばって最後まで付き合うぞ。

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今聞き - ファッキンガム殺人事件
例の盗作問題を筒井風に風刺小説化。これはうまい。文体模倣としては、この場合「おれ」と「わし」のどっちがよりふさわしいんだろう。

[ニコニコ] 【アイドルマスター】 BBCドキュメント風 60's IDOLM@STERの軌跡 #04
嘘字幕+ネタコラMADの可能性を追求しつづけるbbcP、その飽くなき挑戦の軌跡

日本ケータイ小説大賞:第3回はkikiさん「あたし彼女」
PCで読めるので一応リンク。しかしなんというハード依存文体。完全に携帯向けに特化されている。

ケータイ小説 「あしたの虹」 (ぱーぷる/著)
こっちは瀬戸内寂聴(86才)の作品。これが若さか……

[画像] ドイツ フェルクリンゲン製鉄所跡
テレビで見ました。うほっいい廃墟。廃墟写真は心の枯れ井戸です。
[画像] 閉鎖して廃墟になったロシアの図書室 - GIGAZINE
本を粗略に扱うてはなりませぬ。っていうレベルじゃないですね
[画像] ロシアの廃線探検 - GIGAZINE
廃墟というものは、なぜあんなにもSF的なのだろう
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by umi_urimasu | 2008-09-27 13:09 | アニメ・マンガ
「からくりサーカス」藤田和日郎
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a0030177_2339432.jpgしばらく前にコメント欄で水を向けられたのがきっかけで、藤田和日郎に挑戦してみました。作品は「からくりサーカス」。トレビアン!堪能しまくってます。絵柄にだいぶ抵抗があったのと、冒頭付近の定番的な展開が少々退屈に思えたのとで、最初はついていけるかどうか不安だったんですが、その山を越えたらあら不思議。完全に虜になってました。まだ15巻めぐらいですが、読み進むにつれて、今読んでいる箇所だけでなく物語全体がどんどん面白くなっていく感じです。よかった。一巻の時点であきらめないで、ほんとによかった……。

作品概要。からくりサーカス - Wikipedia

雰囲気としては、西洋伝奇活劇とでもいうのかなあ。戦闘用の人形を糸であやつる人形使いの人間たちと錬金術によって生み出された自動人形(オートマータ)たちの、200年前からつづく死闘を描いた話。物語は現代にはじまり、いくつかの流れに分かれて過去へと遡りながら隠されていた接点が次々と明らかになり、それによって現在の話の裏が少しずつ見えてくるという立体的な構造をもっています。とにかく伏線の管理が見事。週刊連載の漫画でよくもまあこんな芸当を。

欲をいわせてもらえれば、感情まかせのパワーバトルばかりではなくてジョジョのような駆け引き的要素がたくさん入ってるともっと楽しいかな、という気がしないでもありません。しかしただでさえ込み入った伏線まみれの話なのに、このうえ戦闘まで複雑にしすぎると情報過剰でストーリーの進行が大幅に失速してしまう可能性もあるか。まあ、これだけキャラ描写が熱ければもう十分だと思いますが。


余談。
「からくりサーカス」とは今回、とても幸運な出会いができました。でもこんなふうに「しばらく読みつづけると面白さがわかってくる」タイプの漫画と自分との相性を、初期の段階で見きわめるのはとても難しいことです。日ごろからたくさん読んで数をこなしていれば、勘でわかったりするのかもしれないけど。ワンピースやHUNTER×HUNTERなどの人気作品を、さわりだけぱらぱらと読んで「絵柄が苦手」とか「ジャンプイズムは飽き申した」とかそれくらいの理由でさっさとギブアップしてしまった経験は今までにも何度となくありました。藤田和日郎も「うしおととら」はほとんど読めなかった、もとい、読まなかったし。あのとき、あんなふうにあっさり切ってしまってよかったのか。ほんの小さなハードルを乗り越える労を厭うたせいで、実は楽しめたかもしれない作品との出会いをどれだけふいにしてきたことか。などと考え出すと、なんかとんでもなくもったいないことをしでかした気がしてきてたいへんです。とはいえ、いくら我慢してもやっぱり合わないものは合わなかったりするしな。相性というのはまったく難しい。

そういえばスクライドとかも、今でこそ大好きだけど、第一話の頃はセンス最悪!すべてにおいてかっこわるい!ありえねえくらいダセェ!って思ってた。いったいどこで反転したんだろう?やっぱり、僕の玉を~!のあたりだったろうか。そんな気がしてならない。

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エレベーターで宇宙に行けるかも 東京で今秋国際会議
実現できれば宇宙開発費用がバカ安になる便利な塔。ただし、実際作るには世界がもっと平和でないと。
ちなみにターンエーガンダムに出てくるアデスカの世界樹伝説も軌道エレベーターのことらしいです。UCガンダムで軌道エレベーターが描かれたことってあったかな。記憶にないな。でも巨大コロニーとか出てくるし、存在してないわけはないか。

やる夫が記憶喪失の少女と逃避行にでるようです
ヴァーチャル・ガールと聞いて→まんまとひっかかった。几帳面な1の計画的犯行だった。威勢よく盛り上がるタイプの話じゃないけど、まあこれはこれで。

誰かやる夫で山風の忍法帖やってくれないかな……

イーガンスレより
>SFM巻末の山岸コメントによると、TAPは11月、テラネシアは来年中ごろ
とりあえず出るだけでもメデタス

「聖家族」古川日出男 9/26発売
単行本サイズ744ページ、古川日出男著作史上最大のデカブツ。これは読みがいがありそう。アラビアを超える新たなマイルストーンとなるか?
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by umi_urimasu | 2008-09-20 23:49 | アニメ・マンガ
「ハチワンダイバー」(1)-(4) 柴田ヨクサル
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わが征くは、30cm四方の平面宇宙。賭け将棋にすべてをかける”真剣師”たちの熱き戦いを描く、超ハイテンション将棋バトルコミック!
なんとなくコピーっぽくしてみた。

あちこちでおっぱいおっぱいと騒々しいので剣呑な気がしてしばらくは避けていたんですが、読んでみたらこれが確かにおっぱい本格将棋漫画だったという。いや、すんごい面白いですこれ。とにかく将棋バトルが突き抜けてて、生き生きしててね。格闘技の荒々しさとカーレースのスピード感、爆弾解体のスリルを一緒くたにしたような過剰さが、こう言うのもなんですが、ほとんど将棋漫画とは思えない。
プロ棋士への道半ばにして挫折し、賭け将棋で日銭を稼ぐうだつのあがらない青年・菅田(スガタ)。しかし出張メイドさんにして「アキバの受け師」の異名をとる女真剣師・そよとの出会いをきっかけに、菅田は将棋への情熱を取り戻し、強者たちとの”真剣”勝負に明け暮れることになる。”81マスに潜る男”、「ハチワンダイバー」の通り名と共に――。
ストーリーはゲームバトルものの定石をわりとおとなしく踏襲している感じですが、にもかかわらず「破天荒」と評される所以は、ひとつには絵とセリフによるテンションの高さ。そしてもうひとつ、心理表現のユニークさと豪快さによるものでしょう。
たとえば、主人公が手順を遠く先のほうまで読もうとするときの思考の様子は、息を止めて水中深く「潜る」感覚にたとえて描かれています。水に潜るときに息を止める。誰でもやったことのある平凡な体験ですね。だからこそ、それは読者自身の経験による身体感覚としてありありと想像できます。指数関数的に増えていく膨大な手順を、かぎられた時間でどこまで遠く読めるかという、自己の記憶力に対する極限のタイムアタック。その緊迫感やプレッシャーを水に潜るのにたとえて視覚化するとは、ある種、ジョジョのスタンドの概念にも通じるグラフィカルアイデアの妙。

その他にも、待ち時間なしのノータイム将棋、どちらかがぶっ倒れるまで指しつづけるデスマッチ将棋など、少年ジャンプのノリに近いむちゃくちゃなバトルが次から次へと演じられます。絵づらもなんかまるでボードゲームとは思えないような、むしろ格闘技漫画みたいな雰囲気に。熱いなあ。

第4巻まで一気に読んでみて、(将棋そのものは駒の動かしかたしか知らんのですが)好みだけで私的ベストバウトを挙げるとしたら、対文字山戦でしょうか。プロの漫画家にして真剣師でもある文字山先生のキャラが、どうにもあまりにジョジョ的すぎて笑いがとまんない。変人にもほどがあるわい。危ない人っていうのは安全圏から観察している分には非常に楽しいもんです。

絵についても少し語りたい。
特徴は強弱のある太線、骨太な人物画。細く鋭い眼の描き方が印象のかなめです。キャラの造作などは微妙に不恰好なんですが、人物ごとの個性づけや目つきの凄みを描く技は鮮やか。写実的な意味での上手さよりも、漫画的なパワーをうまく引き出せる絵柄という感じ。好きですね、こういう絵。
作品中ほぼ唯一のお年頃の女性キャラクターであるそよも、やたらたくましくてちょっとデブいめに描かれてますが(足ふと!)、慣れてくるとそのへんもむしろ愛らしく見えてくるから不思議なもので。なんとかもえくぼって言うよなあ。

対局シーンではコマの中に目の一部や口の一部しか映らないぐらいの超寄りすぎカットが連発されたり、セリフとフキダシが大きすぎて絵のスペースがほそいスキマになってしまったりしています。そういうのはけっこうざらなんです。いや、そっち優先なの?普通逆でしょ?みたいな。こうした型破りな表現も含めての「破天荒」なんでしょうかね。

ちなみに絵柄は1巻の時点ではまだ固まっていなかったのか、ごみごみぐちゃぐちゃした荒さが強く出てましたが、2巻以降は急激に整理されてさっぱりした画面になっていきます。洗練されたとも言えるけど、個人的にはちょっと寂しいかな。最初の方の小汚ない雰囲気もけっこう好きだったので。

実写ドラマは5月スタートとのこと。普段テレビドラマはまったく見ないんだけど、これは例外的に見てみたい気がしてきました。時間要素が入ったときにあの将棋バトルシーンがどんなふうになるかっていうのが興味ある。あと、将棋盤と体の間のすきまから覗くようなトリッキーなカットをどうするんだとか、なるぞうくんどうするのとか。

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太陽が最期を迎えても地球ごと助かる方法 (A Successful Failure)
ディアスポラ読んでると、そんな先の話よりも近場の中性子星とかの方が剣呑に思えるが。

[youtube] AR空間上に仮想物体を合成表示するデモンストレーション動画
すごい。ノートPCでこれができるってのがすごい。そしてネタに走る科学者萌え

飛浩隆インタビュー@京都SFフェスティバル2006
主にラギッド・ガール談義、創作裏話。興味深い。

[ニコニコ] 逆襲のシャアwithカミーユビダン+(プラス)
新訳版逆襲のシャア。今度はあの人が参戦します。そしてグレネード

絶版ラノベ(やSF)配信サイト、ダイナミックプロが開設
出版不況を利用したリサイクルビジネス。300円という価格設定がうまいと思う

ワーナー、ダン・シモンズの「ハイペリオン」を映画化へ
待てば海路の日和あり。シュライクのデザインは生頼範義っぽいの希望

[ニコニコ] あずマンガ日和⑥ 「亜美・真美」
正気にては大業成らず
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by umi_urimasu | 2008-04-01 23:36 | アニメ・マンガ
「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」4巻 環望
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a0030177_2218722.jpg最新巻です。えろかったっす。

この作品、吸血鬼特区の設定が秀逸だということは前回も言いましたが、裏では吸血鬼の派閥同士の政治的暗闘が行われていたりして、ドラマにちょっとヨゴレ系の味わいがあるところも僕はかなり気に入っています。あまりいいたとえが思いつかないんですが、言うなれば「ゴッドファーザー」とか日本のヤクザ映画なんかがもっているような「奇麗ごとだけでは何も解決できない」渡世の非情さというか。あるいは「理論武装しない銀英伝」風味と言ったらいいのかな。
ヒーローアクション系の作品にこういう要素を持ち込むかどうかという選択は、おそらく書き手にとってもかなり重いものでしょう。環望、よくやったとほめてやりたいところだ。ブロリー風に。

アキラや由紀の前では屈託のない笑顔を見せるミナ姫も、ヴァンパイアの女王としてふるまう時には冷徹非情、ほとんど別人といってもいいほどに変貌します。政敵を脅迫するために子供を誘拐させるくらいは躊躇なくやってのけるし、己に背いた配下はいくら哀れげに命乞いされようとも一刀両断。あの強烈なギャップに魅せられて「バンド」のファンになったという人も少なくないのでは。

ただし、それでも娯楽作品としての支配色はあくまでヒーローもの、そしてプラトニックな恋愛劇の方で、ここは揺らぎません。黒すぎず白すぎず、ちょうどいいライトグレーという感じになってます。このへんのバランスも見事だなあと。

あと、意図してのことか偶然かわかりませんが、1巻では現代吸血鬼政争、2巻では学園ホラー、3巻ではテロ阻止作戦というふうに、一巻ごとに異なる趣向の話を展開してくれているのも個人的にはうれしいところ。第4巻では、ヴァンパイア三支族をたばねる三人の大公がミナ姫との婚姻権をかけた殺人ゲームを提案してきます。それぞれがひとりずつの刺客を差し向け、アキラを殺した者の主人がミナ姫の夫になるというもの。なにやら話が忍法帖がかってきました。もちろんミナ姫が賭けるのはアキラの勝利です。でもいろいろあって苦戦してます。次巻、アキラの真の覚醒に期待。主人公のくせに存在感薄いとか言われないためにも。

単行本おまけ漫画は本編中でのミナ姫のジョークの真相についてでした。コミックフラッパー公式ブログに画像があったのでリンク張っておきます。ヴェラの一発芸のカットね。しかし、これを本編に入れれば確実に人気につながるはずなのにそうしてないのは、客受けのいい萌えよりダークな雰囲気重視というこだわりのあらわれなんだろうか。個人的には浮わつかない作風を守ってくれるのは嬉しいんですけど、好きな作品なのでセールスも伸びてほしいしなあ。微妙なとこ。

(追記)
映画「ブレイド」再見。吸血鬼たちが天井のスプリンクラーから噴き出す血のシャワーを浴びるシーンあり。「バンド」1巻のスティグマはこれにインスパイアされたのかも。

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by umi_urimasu | 2008-01-31 22:57 | アニメ・マンガ
「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」環望
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「東京湾にヴァンパイア特区をつくる」という衝撃的な宣言と共に全世界のメディアの前にその姿を現した吸血鬼の女王は、可憐な少女の姿をとっていた。彼女の名はミナ・ツェペッシュ。人狼の血を引く少年・アキラを護衛に従え、人間社会との軋轢や身内同士の内紛を乗り越えてヴァンパイアの理想国家を築きあげるべく奮闘する小さな姫君の活躍を描く、ええと、いったいなんと形容すればいいんだろう、こういう作品のことは。たぶんヴァンパイアホラー・ポリティカルサスペンス・バトルアクション・ラブストーリー(?)。

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このところ吸血鬼ものがほんのりマイブームであれこれ手を出してみているんですが、これもそのうちのひとつ。掲載雑誌がマイナーなせいか知名度は今ひとつな印象があるものの、個人的に非常に期待をかけている漫画です。痛快な人外バトルアクション、高貴でりりしいヒロインキャラの魅力、種族の違いが生む葛藤のドラマ、シビアな政治陰謀劇の緊張感、そして何より、物語の背後にどっしり横たわる「日本ヴァンパイア特別居住区」という強力な設定。これはおいしい。この設定だけでもう半分以上勝ったも同然じゃねーかと思ったぐらいですよ。

一般的な吸血鬼のイメージとして僕たちがまず思い浮かべるのは、王侯貴族のような風体でヨーロッパの古城あたりに隠棲し、不吉な噂を振りまき、女子供をさらっては牙にかけるとかそういった類いのものでしょう。あるいはもう少し現代的なタイプを考えるとしても、人目を忍んで大都市の片隅に生きる闇の住人とか流浪の吸血鬼ハンターとか、せいぜいその程度かと。
しかしこの作品の吸血鬼は、一人や二人の異分子が人間社会の中にまぎれこんだなどという可愛らしいものではありません。桁がちがうんです。彼らは何千人、何万人もの大集団となり、人目をはばかることなく堂々と合法的に東京の「出島」に移住してきてしまうのです。人間側への経済的援助とひきかえに、ヴァンパイアがその本性にしたがって生き、法によって保護され、教育や福祉を受け、幸福な生活を営める土地──つまり、人間の国家とまったく同じ意味での国を我らに作らせよ、という要望をかかげて。
いまだかつて、これほど大っぴらに人間との共存を求めてくる吸血鬼を描いたフィクションがあったでしょうか?

ちなみにタイトルにもなっている「bund」は日本語では外灘、租界などと呼ばれるもので、外国人が居住し、統治権もその外国に委ねられた小領土の意。19世紀の上海、香港、マカオなんかがこれに当たるらしいです。猫の額ぐらいのミニ植民地っていう認識でいいのかな。

連載誌は月刊コミックフラッパー、単行本は現在第4巻まで刊行中。僕はまだ3巻までしか読んでないのですが、そのかぎりでは一応、主人公の人狼少年アキラとヴァンパイアの女王ミナ姫が演じる活劇とラブストーリーが本筋扱いの模様。ただしその中においても、建国したてのヴァンパイアバンドを揺さぶる陰謀や人間サイドとの政治的・社会的トラブルという切り口は健在で、ドラマの背後に設定の厚みが感じられる作品づくりがなされています。人物画も上手いので、まず絵を愛でるとこから入る僕のようなタイプの読者にとっても目に嬉しい作品なんじゃないかと。

ただ、作者の環望氏は複数の雑誌連載を同時に抱えていてやや多忙な様子。進行速度はゆっくりでいいんでがんばってくれー。と蔭ながら応援しとります。

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ヴァンパイアは皆、哀れな「百代の過客」なのだろうか」の吸血鬼フィクションリストをちょっと更新。

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すげー。なんかアイマス動画界の先端技術実験場と化してる。

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半自分用

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なんと、桜庭一樹が直木賞受賞とな。でも「私の男」より「赤朽葉家の伝説」のほうが面白そう。

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円城塔「Boy’s Surface」の書影
黄色の次は赤一色。ずっとこのパターンで通すつもりなんだろうか。

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ガンスリ二期1話。一応見てみたけど、結局10分も耐えきれずリタイア。無理っす。痛々しくて。これ、脚本・監修が相田裕ってこととなんか関係あるのかな。
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by umi_urimasu | 2008-01-12 11:34 | アニメ・マンガ