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「朝鮮通信使いま肇まる」 荒山徹/「マルドゥック・フラグメンツ」 冲方丁
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朝鮮通信使いま肇まる

荒山 徹 / 文藝春秋


室町時代、世宗王の命をうけて訪日した朝鮮通信使の朴は、京の町でうっかり「このはしわたるべからず」と書かれた橋をわたり、見とがめた武士に難詰される。だがそのとき、一風変わった僧侶が機転のきいた一言で朴を救った。この僧こそ誰あろう、あの有名な……。

初期の李氏朝鮮は、高麗の文化を弾圧破壊しつくしたため、文化的には壊滅状態だったそうです。その朝鮮の使節が、日本の都市を目にしたときの驚嘆と羨望はいかばかりだったか。作中で引用されている初代通信使・朴瑞生の報告には日本の貨幣や水車や風呂のことがめんめんと書かれており、技術水準のひらきに対するショックのほどがうかがえます。また、そうした反応からみて、文化芸術の面でも刺激をうけるところがあったはず。後に世宗がハングルの創案に着手するとき、あらかじめ使節を通じて日本の知識階級と学問上の交流をはかり、なにがしかの参考にしようと考えたのではないか。といった推測も、「朝鮮通信使いま肇まる」を読むかぎりでは、まったく荒唐無稽ではないように思えるのです。
ただし、そのころの京都で日本語を研究したい韓人にわざわざ高度な言語学を教えてくれる風狂なインテリといったら、そう、やつだ!一休さんしかいない!とか言い出すと、もう立派な伝奇者の世迷言ですが。

   面白ければいいじゃない 伝奇だもの  とおる

まあそんな感じの表題作をはじめ、収録作はいずれも朝鮮への愛と皮肉あふれる八篇。
貢女という悪法が生んだ悲劇を倭寇にからめた「我が愛は海の彼方に」。
「柳生十兵衛死す」へのオマージュともとれる超時空伝奇、「葵上」。
太閤を鼠と評した男の意外な真意を明かす「鼠か虎か」。
通信使の視点から文禄の役の講和決裂のなりゆきを追った「日本国王豊臣秀吉」。
李朝仏教徒の惟政が秀吉をひそかにとむらう「仏罰、海を渡る」。
西洋化に邁進する明治日本の姿に衝撃をうける若き修信使の旅、「朝鮮通信使いよいよ畢る」。
そしてフィナーレは、通信使たちがあの世でひらくひどい座談会、「朝鮮通信使大いに笑ふ」。

いくらでも美しく終われたはずの本で、あえて、あえてこんなひどいオチに。これは捨て身の叛骨心か、はたまた単なるネタ気質ゆえか。荒山徹はどこへゆく。
ちなみに、朴瑞生による日本の風呂の見聞録とは、荒山氏によれば以下のような文章です。興味深いのでメモ。
「日本人は、なべて清潔好きです。大きな家では浴室を設け、町ごとにも、しきりに浴室が設置されています。浴室の制度は、甚だ功にして便です。湯がわけば角を吹いて合図します。それを聞くと、みな争って銭を払い、入浴するのです。我が朝鮮でも、済生局(チェセングク)などに浴室を設置し、以って貨幣流通に資したらよいと思います。」 (「李朝実録」)
角(笛?)を吹くっていうのが面白いですね。これはたぶん遠くの人々にまで同時に知らせるため、つまりそれくらい人気があったということでしょう。日本人は大昔から救いようのないほど風呂好きだったんだな。

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マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

冲方 丁 / 早川書房


じつは少し後悔しています。「マルドゥック・アノニマス」本編が出る前にこれを読まないほうがよかったかもしれんと。というか「preface of アノニマス」をです。これはほとんど物語の体をなしておらず、実質アノニマスのキャラクター紹介文、設定ノートをただ羅列したにひとしい内容なので。素材自体はとても魅力的で、長編への期待をかきたてられる。それだけに半端な形で事前情報を仕入れるのはもったいないと思ってしまう。きちんと成型された長編小説として、完成品の物語としてファーストコンタクトを迎えたかった。
その他には、バロット、ボイルド、ウフコックたちが活躍するスクランブルやヴェロシティのサイドストーリーもいくつか収録されてます。おおむねいつもの忍法帖フューチャーノワールです。併録のインタビューでは、ヴェロシティも改訂版出してアニメ化したいと強気な発言。いいねえ、どんどんやってくれたまえ。


「天冥の標4 機械じかけの子息たち」はものすごく真正面からセックス(※体位の話ではありません)
意外な評価にびっくり。僕はこれ、100ページくらいまでほとんど性描写ばかりでうんざりしてしまい、結局投げ出しました。とはいえ天冥シリーズにはついていきたいから、いずれは読破の要ありですが。

[youtube] THE HOBBIT, Production Video #2 [HD]‬‏
映画版ホビットの製作ビデオその2。ロケハンの映像など。PJがまた徐々にホビット化してるような

Book review: 'A Dance With Dragons' by George R.R. Martin - By Jeff VanderMeer
デーナリスがなんかすごいことになるらしい。これからはネットでもネタバレに気をつけねば。

[youtube] Trolling Saruman
サルマンの声、もといサルマンの歌。超くだらない……でも笑っちゃう

[画像] 自動二輪の騎士
これがほんとのナイトライダー ぐぬぬ

[画像] 映画版ホビットのドワーフたち
ごごごごべっこんに

[youtube] ‪THE HOBBIT, Production Video #3 [HD]‬‏
サルマン登場


パノラマ島綺譚 (BEAM COMIX)

江戸川 乱歩 / エンターブレイン


最近読んで超絶お気に入りな一品。絵がうますぎる! アールヌーボーや浮世絵っぽい感触の絵が、乱歩の世界に恐ろしいくらい似合ってます。特に後半、パノラマ島の描写は圧巻。この作品の他に「芋虫」も漫画化されているようで、あれはビジュアルだと相当やばそうな内容ですが、丸尾末広という漫画家は一見グロいものから美しさをひきだせる稀有な才能の人とお見受けします。もし彼によって継続的に乱歩作品が漫画化されるなら、こんな嬉しいことはない。
とりあえず、このパノラマ島綺譚は家宝にしよう。


[youtube] Persona 4 Anime (ペルソナ4 アニメ) - Trailer / PV11
なかなかよさげ。ゲームの世界の雰囲気はしっかり保持しつつ、アニメっぽいパースのきいたペルソナバトルもかっこいい。って、あれ? 直斗は?

小松左京さんが死去 「日本沈没」「復活の日」
レイ・ハラカミ、7月27日に脳出血のため急逝
つづけざま+不意打ちでよけいショック。今日は乱歩と山風の命日なのになんかもう……。こんなときにこういうふうに考えるのもなんだけど、筒井康隆は日記が元気そうで安心する。

荒木飛呂彦インタビュー 「ぼくに音楽を聴くなだと? だが断る」
ベストアルバムリストなど。プログレではキングクリムゾン好きなイメージがあったけど、なんかイエス推し。ツェッペリンもけっこう好きらしいけど、その中でもなぜかフィジカルグラフィティ推し。
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by umi_urimasu | 2011-07-10 21:27 | 本(others)
「ザ・スタンド」 スティーヴン・キング
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達成感あるなあ。これだけの長さの小説を、終始まったく飽きずに突っ走った読書経験というのも久しぶりでした。
全体の骨格は指輪物語、主成分はモダンホラー、文庫の1巻ではパンデミックSF、2~3巻はロードノベル、4巻は開拓時代っぽい町おこし、5巻は行きて帰りし物語、といったふうに、「崩壊後の世界における善と悪の対決」という大枠のもと、さまざまなスタイルが盛りこまれた小説です。ジャンルはちがうけど、やり方としてはハイペリオンみたいな。

善悪の戦いを軸にした作品だからか、主要人物の多くは善人あるいは悪人としての素性がわりあいはっきりしています。そういったキャラクターたち、マザー・アバゲイルやスチュー、フラニー、またランドル・フラッグなども、それぞれ非常に魅力的ではあるのですが、キングのねちねちした描写の真価が発揮されるのはやはり、ハロルドやナディーンのように過酷な葛藤の果てに悪や狂気の深淵に堕ちてしまうキャラクターではないかと思っています。またキング作品全般においてモダンホラー的な怖さがもっとも高まるのも、この「堕ちる」箇所ではないかと。ペット・セマタリー然り、シャイニング然り、キャリーしかり、痩せゆく男も然り。しかし、だとすれば堕ちることはなぜそんなにも怖いのか。これは考察の甲斐があるテーマかもしれぬ。いつかよく考えてみよう。

あと、一冊読み終えるつど書いていた各巻ごとの個別感想もこの際なのでまとめておきます。

ザ・スタンド 1 (文春文庫)

スティーヴン・キング / 文藝春秋


「ザ・スタンド」を、ついに読み始めてしまいました。キングの世界滅亡もの! しかもこの超ボリューム。めちゃテンションあがる。滅亡好きのおれによし。愛でてよし食べてよし。
第一巻のなかでは「闇の男」ランドルフラッグの章だけが、文体も内容も明らかに他とちがうようで、かなり異彩をはなっています。それに不可解な玉蜀黍畑の夢。いったいこれらをどうあつかうのか、興味深々。

ザ・スタンド 2 (文春文庫)

スティーヴン・キング / 文藝春秋


災厄を生きのびた者たちが目にする、変わり果てたアメリカ。世界崩壊後のロードムービーっぽいテイストがマイツボ直撃。でもなんかキリスト教的善悪バトルが起こりそうな雲行きにちょっと戸惑い気味。このもやもやした気持ちは…… 現実的なものごとをあつかった普通の現代劇のつもりでずっと読んできた話を、神の思し召しとかで片づけられたくないっていう反発かも。

ザ・スタンド3 (文春文庫)

スティーヴン・キング / 文藝春秋


思わざりき、これほどあからさまに話が指輪物語じみてこようとは。善側と悪側の二勢力にわかれ、超自然的なことが普通になり、指輪ネタも徐々に露骨に。はじめは現代もので指輪をやっちゃうことに抵抗を感じてたけど、これはこういう特異な表現のファンタジーなんだと受け入れることにしました。そう思えたのは、たぶん〈トラッシュキャン・マン〉と〈ザ・キッド〉の狂乱道中が面白すぎたおかげかな。シボーラ、ぱっぱか、ぱん!

ザ・スタンド 4 (文春文庫)

スティーヴン キング / 文藝春秋


人口が激減した今、人々は以前にもまして助けあい、ささやかな共同体を再建しつつあった。だがそこにも闇の力は忍びより、やがて新たな惨劇を生む。悪の元凶を滅ぼすべく西をめざす「旅の仲間」の運命やいかに? 3巻からこちら、善の陣営のほうに描写が集中しがちで、それだけに今回のハロルド・ローダーの華ばなしい悪堕ちっぷりはひときわ輝いてみえました。レイストリンみたいなやっちゃな、ハロルド君。つい同情してまうわ。

ザ・スタンド 5 (文春文庫)

スティーブン・キング / 文藝春秋


ラスボスしょっぺぇ! でもいいんだ。この作品最大の読みどころはラスボスとの熱いバトルなんかじゃなくて、崩壊した世界でなんとか人間性をたもちながら生きのびようとあがく人間の「生きてる感」、圧倒的なディテール描写で伝わってくる生なましいその感触だろうと思うから。


アンダー・ザ・ドーム 上

スティーヴン・キング / 文藝春秋


えーと、そんで「ザ・スタンド」読了後、間髪入れず「アンダー・ザ・ドーム」に突撃してしまいました。血迷ったか俺よ。
→ すげーキングさんフルスロットルすぎる。冒頭から大爆発、大事故、残虐殺人。スプラッターがとまらない。そして閉鎖環境に権力の亡者というおぞましい取り合わせ。これは蝿の王フラグかな。
→ ビッグ・ジム・レニーさんのド外道政治家っぷりが吐き気がするほどクソいやらしくてよい。そしてこれほど強烈なラスボスキャラが、たかだか人口2000人ぽっちの田舎町の町政委員でしかない(それ以上を望んでいないらしい)、というのが面白い。
→ メルヴィン・サールズの印象的な笑いかた、「にゃっく-にゃっく-にゃっく」は原文では "NYUCK-NYUCK-NYUCK" みたいに書くらしいんですが、音の想像がつかず首をひねっています。英語圏ではありふれた擬音表現と思われるが。YouTube - ‪three stooges nyuk nyuk nyuk‬‏ これかな? わからん。いずれにせよ、和訳の「にゃっく-にゃっく-にゃっく」は日本語の語感としてユニーク、かつゲスっぽさが感じられてよいかなとは思う。
→ 読了。キング自身の言葉通り、上下巻二段組1400頁、最後までアクセル踏みっぱなし。ドームメイカーとかSF的にはしょんぼりな真相だけどまったく気にならない。

[youtube] 「アンダー・ザ・ドーム」公式ブックトレーラー
世界的ベストセラー作家の本だけあって凝ったつくり。

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僕の妹は漢字が読める
萌えラノベが主流文学になった23世紀の小説を未来人が批評するという、文芸ディストピア的なメタ小説(ためし読みできる範囲では)。ラノベのスタイルを戯画化して嘲弄するやり口はなかなか辛辣。筒井好きの血がちょっとさわぐ。

涼もうと入った本屋で ダールグレン を見かけてしばし躊躇。ぐぬぬ、お高い……少しだけ立ち読みしてみる。奇天烈な暗喩表現、まるで詩のよう。かっこいいけど手ごわそう。ギブスンの序文もスタイリッシュすぎて意味不明。かっこいいけど。
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by umi_urimasu | 2011-06-27 00:03 | 本(others)
荒山先生はいつも楽しそうでいいよな
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石田三成 ソクチョンサムスン

荒山 徹 / 講談社


a0030177_0174192.jpgこの写真のくだりとか特に楽しそう。

荒山徹の「石田三成 ソクチョンサムスン」、巷間の評判はいまひとつ振るわなかったようですが、個人的にはなんか意外と気に入っています。ハングギドラとか柳生大宇宙とか、小ネタのひどさもさりながら、飛鳥時代と戦国時代をかわりばんこに描き、日朝関係を背景にした権力争いの構図をぴったり重ね合わせるというでかいアイデアがそれなりにツボったようで。物語の結構の面で整っているとはいいがたく、小説としては行儀のわるい作品かもしれないけど、むしろこれはもう「ネタ帳」みたいなものとわりきってしまえば興もそがれないのではありますまいか。


ソクチョンで笑えた伝奇ネタのことなど。
まさにこの写真の箇所ですが、荒山作品ではもはやおなじみの「作中で人の小説を批評するコーナー」を発動して、「春の坂道」と「伊賀忍法帖」における無刀取りの描写をくらべ、柳生石舟斎が上泉伊勢守に弟子入りしたという定説はじつは逆ではないか、伊勢守のほうこそ石舟斎の前に伏して入門をねがった側ではなかったか、という仮説がでてきます。

いわく、家康をして神業と絶賛させた無刀取りをあみだしたのは石舟斎であり、伊勢守にはなしえなかった。したがって石舟斎のほうがすぐれた剣術者だったはずである。また、伊勢守の弟子にすら一蹴されたといわれる石舟斎に剣をおしえるならば、それこそ弟子の疋田か神後にまかせればすむことなのに、宿願たる新陰流の弘布のほうを弟子にやらせて伊勢守自身はなぜか柳生庄にとどまった。その真相は、石舟斎に弟子入りしたかったからであろう。では、なぜ本来の師弟関係をそのようにカモフラージュしなければならなかったか。それは百済党に柳生一族の正体を知られないための用心だったのだ。日本の権力者に寄生して百済復活をもくろむ百済党を狩るために、高名な剣豪に入門→ときの権力者に接近→世間に不審をいだかれることなく存分に秘剣をふるえるじゃん。という石舟斎の深慮遠謀だったんだよ。

ムリあるだろ! まあ伝奇ネタなので面白ければそれでいいのですが。

あと、柳生一族のルーツを古事記や日本書紀までさかのぼって天日槍(アメノヒボコ - Wikipedia)にこじつけ、田道間守(たじまもり)をたじまのかみと読みかえて但馬守につなげ、新羅と倭国の絆をまもるべく歴史の闇にかくれひそむ異能集団・非時一族こそ柳生の源流だったんだよ。などという話もでてきます。じつに夢があってよろしい。


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ジョージ・R・R・マーティンが A Dance with Dragons を書き終える
まずは祝着

〈自著を語る〉 荒山徹 「朝鮮通信使いま肇まる」: なぜ、朝鮮通信使を書いたのか?
先生は今日も平常運転です。日韓友好のシンボルだと? ククク……笑止!

SFセミナー「上田早夕里インタビュー」のメモ
とりあえず

GWはこじんまりと国内プチ旅行して、あとはずっと実家でゴロゴロして山風や乱歩を読みちらかしたり。例年通りの行動パターンでした。

外道忍法帖―忍法帖シリーズ〈2〉 (河出文庫)

山田 風太郎 / 河出書房新社


総勢45人ものネームド忍者たちによる大忍法合戦。こんなにも忙しい忍法帖は初めてだった。これでやっと山田風太郎自己評価のうち忍法帖のA、Bランク作品はコンプかな。いまは「妖異金瓶梅」と「妖説太閤記」を読みかけ。山風道の終点はまだまだはるか彼方です。

Sympathy for Cthulhu
要約: クトゥルーの立場に立ってみれば、彼の境遇にけっこう同情できると思うんだ。めざわりなゴキどもを駆除して庭をきれいにしても、次に目がさめたときにはまた別のがはびこってる、その際限ないくり返し。クトゥルー「むきーもうやだ、もっかい寝ゆ!」

[ニコニコ] 七六五家蜘蛛の会
いいものみつけた。膨大な埋没動画(失礼)のなかから思いがけず自分好みのノベルシリーズを掘りあてたときの喜び、これに勝るはなし。

アライバル

ショーン・タン / 河出書房新社


いつのまにか日本版が出てる。これ、ちょっとした贈り物としてもかなりよい本だと思います。老若男女、人種、言語によらず楽しく読めて、海外版なら価格も無難。相手がSFやファンタジーを嗜まない人でも、これならまず安心かと。

ねじまき少女の表紙ktkrカッコイイ!! on Twitpic
バチガルピ作品って換気扇が妙に似合うよね。なんとなく

柳生大戦争の文庫版 を本屋で見かけて巻末をぱらぱら。著者あとがきとして柳生封印宣言が載っていて不禁苦笑。ついでにバカネタ掌編「十兵衛断裁」も載っていて不禁噴笑。相もかわらぬ安心のひどさよ。
実際のところ、月之抄とか五輪書とかの江戸時代初期の兵法書みたいなものって、当時どんなふうに流通(?)していたんだろう。そもそも業者を介して出版するような扱われ方はありえたのか。
江戸初期の木版印刷での出版はどの位の部数でていたのでしょうか。 - Yahoo!知恵袋
普通に需要があるだろう実用書ですら、たかだか数百部とすると、兵法書などのマニアックな本はもっとずっと流通量が少なかったはず。やっぱ手書きの写本くらいしかなかったのかな。

【画像あり】地球、宇宙にあるすごい物
こうやって分野横断的にすごいものを見ると、逆に何の変哲もない身近なものも、見る側の立場がちがえば「すごい」と感じられるのではないか、という気がしてくる。不思議

Togetter - 「浮世絵で語る指輪物語」
元の"Hokusai Manga Construction Kit"は今消えてるっぽい

SF小説の金字塔「ニューロマンサー」映画化をヴィンチェンゾ・ナタリが監督、東京で撮影も?
ロケなら千葉でやらんかいという人もいますが。ギブスンの想定していたイメージはやはりおそらく東京、新宿のネオン街の風景であって、それをそのまま東京とせず、かといって架空の街にもせず、あえて千葉というふうに一歩だけずらす、ひねる、というのがギブスンのいけてるところなのではないかしらん。

杜王町が舞台のジョジョ第8部「ジョジョリオン」連載開始
ふぐり×4の衝撃。ごく平凡なものがあったりなかったりする、ただそれだけで劇的に増す異常さとか超現実感とか、そういう目のつけどころがとてもキングっぽいと感じる。

Amazon.co.jp: ねじまき少女 上 : パオロ・バチガルピ
Amazon.co.jp: ねじまき少女 下 : パオロ・バチガルピ
ついた。読むぞ~

50 Minimalist Movie Posters
うまい
The Science Of The Story: An Interview With Greg Egan
あとで
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by umi_urimasu | 2011-04-27 00:29 | 本(others)
「ペット・セマタリー」 スティーヴン・キング
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ペット・セマタリー〈上〉 (文春文庫)

スティーヴン キング / 文藝春秋


ホラー的な部分も非常に陰惨で怖いのですが、それ以上に、愛する者の死の悲しみに耐えられず気が狂っていく過程のたんねんな描き込みが印象深い作品でした。上巻の幸福に満ちた家族の団欒と、下巻のこってり濃厚な愁嘆場の強烈きわまるコントラスト。キング!これを狙っていたのなら、おまえの描写は予想以上の効果をあげたぞ!まったくもう。
怖いものに近づくときのゴゴゴゴ感、傍点打ちまくり芸、ホラーなシーンでのとち狂ったセリフまわしなど、ジョジョっぽいテイストも堪能できました。ごっつあんです。

キングは熱心なロックファンで、本作の主人公ルイスの口癖「ヤッホー、やったろじゃないか」はラモーンズの代表曲「電撃バップ」からとられたもの。そんなキング当人のたっての希望により、映画版「ペットセメタリー」のエンディングテーマはラモーンズが担当したのだそうです。どれどれ。
YouTube - The Ramones - Pet Semetary HD
おお神よ。別な意味で切なかった。まあでも原作者の希望ならしょうがない。

ウィンディゴの森の描写にみられるような、登場人物が超自然的な現象に直面して人知を超えた世界の存在を知ってしまう恐怖は、ラヴクラフト的なものを強く感じさせます。それも道理で、キング自身がラヴクラフトの大ファンだとのこと。まさしくさもありなんという感じでした。ただし、本作のウィンディゴをクトゥルー神話のそれに直結してよいものかどうかはよくわかんないですが。ちなみに、キング作品の定番舞台であるメイン州とラヴクラフト作品定番のロードアイランド州は、アメリカの地図をみるとちょうど隣どうしの位置にあります (まちがえた、隣接はしてなかった)。
ニューイングランド - Wikipedia
このあたりはアメリカ合衆国の歴史としてはもっとも古い地域なのだそうです。詩人や幻想家が夢みる原風景的な要素をそなえた場所なのかもしれません。いつか行ってみたいなあ。

あと、すごく些細なことなんですけど。レーチェルの車の故障を治してくれるトラック運転手のかっこいいセリフが、妙に頭に残っています。
「いや、あたしはそんなもの、いただきません。あたしらトラック屋は、道路の騎士なんでさ」
日本でこれを言ったとしてもせいぜい「厨二病乙」てなところでしょう。しかし単なる車の故障でも、アメリカのへんぴな場所で起こってしまった場合、すぐさまロードサービスに来てもらえるとはかぎらない。そもそも他の車が一台でも通りかかるかどうか、それすらあやしい。そんな場所では、通りすがりのドライバーによる善意の手助けのありがたみは、きっと日本よりも重くとらえられるのではありますまいか。だからこんな冗談めかした文句にも、少なくとも日本で同じことをいうよりは真剣さがこもっているのではないかしらん。
小説において、その国や土地に実際に住んでる人でないと肌でわからない表現の含みっていうのは、それと気づけるものよりはるかにたくさんあるのだろうと思います。特に翻訳小説の場合は言語の問題もあるし。願わくば、読書が趣味の人間として、好きな作品のそうしたひそかな含みをできるだけ拾えるようになりたいものです。

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2010年も残すところあと数日。飛浩隆「廃園の天使」その3とGRRM「氷と炎の歌」第5部はやっぱり今年も出ませんでした。来年こそ、来年こそ、来年こそおねげしますだ。

他にも翻訳出版を心待ちにしている海外SF小説がいくつかあります。まずパオロ・バチガルピの The Windup Girl 、それとチャイナ・ミエヴィルの長編のどれか。The City & The City あたり。そしてコニー・ウィリスのブラックアウト&オールクリア。この中でひょっとしたら早めに翻訳が出るかもって期待できそうなのはバチガルピかな。

来年は指輪かホビットの原書に(再)チャレンジしてみようかという気も起こしております。「いつか読む」は結局いつまでたっても読めないの法則からええかげん逃れねば。やってやる、やってやるぞ。

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[画像] 第一次世界大戦の写真ハガキ@ドイツ Part I  Part II
これは見入る。ただし中には「絵ハガキにその場面ってどうなん」と言いたくなる写真もあり。
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by umi_urimasu | 2010-12-21 21:36 | 本(others)
スティーヴン・キングに(ようやく)目覚めた
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お久しぶりでございます。気づいたら一ヶ月半も新規投稿をさぼってました。別に身辺に何かあったというわけではないのですが。なんかここまで間があくと、再開するのがなんとなく照れくさい。

呪われた町(上) (集英社文庫)

スティーヴン・キング / 集英社


最近のマイブームはスティーヴン・キングです。ついに僕もキングに開眼できました。「ダークタワー」のさわりで何度も挫折してほとんど諦めかけていたのが、ふとした拍子に「呪われた町」を読んで、一撃でぞっこん。読み終えても「もっとキング作品を!」という激しい渇望がおさまらず、近隣の書店古書店をかけめぐって片っぱしから買い込んできてしまったぐらいです。かくして狭い部屋に本の塔がまた一基建つことに。

「ダーク・ハーフ」、「ミザリー」、「キャリー」、「IT」、「トミー・ノッカーズ」、「ドリームキャッチャー」、「グリーンマイル」、「ゴールデンボーイ」、「深夜勤務」(短編集)、「スニーカー」(アンソロジー)

以上、とりあえずゲットしてきたもの。そしてさっそく「ダーク・ハーフ」を読了。双子の超能力+ヒッチコックの「鳥」みたいな感じで、これまた超怖くて面白かった。しあわせ。続いて「ミザリー」にとりかかり中。しあわせ。
(追記)
11/18 「ミザリー」読了。アニーの「思い出の小道」帳を見つけるあたりからなんかもう勢いが止まらなくなって、ラストのたたみかけにはページをくる指がふるえてしまった。漱ぎ洗いしとかないと!漱ぎ洗いだよ!
11/19 「ザ・スタンド」も全巻ゲット。キング塔の増築スピードがやばい。

スティーヴン・キング 主な作品リスト - Wikipedia
最近頻繁に見ます。未所有本のチェック、作品発表年などを確認したいとき。

どれから読むべきかちょっと迷ったときに初心者向けのおすすめを探してみたリンク。
スティーヴン・キングの小説 - BIGLOBEなんでも相談室
スティーヴン・キングの小説でおすすめを教えてください - BIGLOBEなんでも相談室
スティーヴン・キング お勧め【文庫本】 - BIGLOBEなんでも相談室
スティーヴン・キングさんの作品について質問です。- Yahoo!知恵袋
結局、人によって好みがばらばら、したがっておすすめもばらばらなので、方針は自分で立てるしかないっぽい、ということがわかりました。僕の場合「呪われた町」が非常にツボだったので、初期のホラー系作品が肌に合ってそうな気がする。

キングといえば、ジョジョの奇妙な冒険の元ネタ探しをしながら読むという付随的な楽しみにも期待しています。「呪われた町」でも、文章に傍点を打ちまくったり、ちょっとおかしな倒置法を使っていたりと、似たセンスを感じる部分がけっこうありました。文体については訳者にもよるだろうけど。ジョジョ第一部のウインドナイツ・ロットは、やっぱりセイラムズ・ロットをヒントにしたんだろうか……。

などと、いつも通り好きなものを読み散らかしては積読の塔を増築しつづける日々でござる。

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剣法奥儀―剣豪小説傑作選 (文春文庫)

五味 康祐 / 文藝春秋


五味作品もひきつづき渉猟中。山風や荒山徹は作中で明らかに空想の産物とわかる忍法や妖術をよく登場させますが、五味康祐の場合はそこまで荒唐無稽なものはあまり出てこないのが常です。その代わり、基本リアルテイストな時代劇の中にホントかウソかよくわからないネタをなにくわぬ筆致でさらっと混ぜる、という手をよくつかいます。柳生兵庫助の放屁健康法などもそうだし、この「剣法奥儀」でも「鷹狩りに用いる飼鷹に与える薬でもっとも妙なものは婦人の経水である。切壺(桑の枝の切口にたまった水)や柳の露を女性の月のもので溶いて鷹に与えれば神功ありといわれる」とか堂々と書かれていたりする。いかにもウソくさい。しかし、ひょっとしたら昔はそういった民間療法的な風習がほんとうにあって、五味康祐ほどの人であれば、言い伝え程度にせよなんらかのソースを元にして書いた可能性がありえないとはいい切れないのでは……。どうなんでしょうこれ。識者の知見を求む。
ちなみに「剣法奥儀」の巻末解説はまたもや荒山徹でした。剣豪小説の技法についてオレ様流ランク付けをしてました。C=吉川英治、B= 柴田錬三郎、A=五味康祐 だって。ほんと五味好きだなあこの人。

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「はやぶさ」また快挙 微粒子は小惑星「イトカワ」の物質と確認 月以遠からの回収は世界初
人類史上もっとも遠いおつかいだった。なんか面白いことがわかるといいな

[画像] HBOドラマ「七王国の玉座」写真10点
ロバートバラシオンがマーティン翁並のまるまるしさでややびっくり。サーセイ&ジェイムはドストライク
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by umi_urimasu | 2010-11-14 00:42 | 本(others)
中世の料理と風呂について: 司教様ご一行フルコース食い倒れツアー
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中世東アルプス旅日記―1485・1486・1487

パオロ サントニーノ / 筑摩書房


中世の旅事情とうまいメシ!の本。当時のヨーロッパの王族や司教といった貴人はどんな料理を食べていたのか。特に「旅先で賓客としてもてなされる」ときの宴会とはいかなるものだったか。そうした豪勢な饗応の献立を一品一品までことこまかに記した、リアル中世人によるグルメ旅行記です。なかなかの珍品でした。
いまからちょうど500年前、イスラム教徒トルコ軍によって涜された教会を聖別するために、総大司教管区は使節を派遣する。これは、その随行団の書記の書き残した日記である。著者パオロ・サントニーノは、好奇心あふれる精神の持ち主だったらしい。かれの眼は、公式に報告すべきことについてのみでなく、異文化の地・東アルプス山中の教会、人びとの信仰と暮らし、城砦の様子、食べものそして、女性…などあらゆるものを見つめた。中世理解のための好個の贈りもの。
引用は amazon の紹介文より。

この旅行記は公式の報告書とは別に残された、ややプライベートな(?)ものらしいです。内容で面白いのはやはり、公式文書に書けないことがついつい漏れ出してしまったっぽい部分。公務である聖別のレポートそっちのけで異様にこまかく書かれた料理の記述などをみるに、パオロ・サントニーノ自身よほどの料理通だったのでしょうか。
彼は美食だけでなく美女にも目がなかったようで、貴婦人を称賛する文章もうまい料理と同じくらい気合入ってます。どこぞの城で久しぶりに入浴した折、美しい奥方に全身くまなくやさしく洗ってもらってウェーイ!とかいうエピソードまでセキララに書いてあったりする。なんなんだこの人。まあ、彼の立場からすればレアな経験だったろうし、「これはしっかり書いとかなきゃ!」ってなる気持ちも想像できるのですが。15世紀という時代を考えると、これは教会関係者が記した書物としては少々、いや、相当に型やぶりなものだったのではないでしょうか。

もちろん料理のことにかぎらず、中世のそれなりにVIPな人の旅行の実態などについても詳しい内容になっています。架空の西洋世界を舞台にしたファンタジー小説やRPGなどをたしなむ人にとっては、「フィクションとリアル中世のちがい」がわかる興味深い一冊かと。

あと、わりとどうでもいいことながら、行間からかすかに、パオロ・サントニーノが「司教さまウゼェ」と思ってたような印象を受ける箇所があるんですが……気のせいかこれ? 「最後に小鉢いっぱいに盛った生クリームが全員に配られた。これはみなにも、またとくに、まず第一にわが身のためをはかる司教さまには美味であった」とか「四番目がベーコンの塊とキャベツ。司教さまはこれをわれわれみなの分まで平らげてしまわれた」とか、どうも食い意地がはってるらしい司教に対して、わずかに棘のある書き方になってるような気がするのですよ。まあ、たとえ実際に司教のふるまいに不満をもっていたとしても、上司の悪口をあからさまに書くわけにはいかなかったでしょうけど。真相は歴史の闇のなかですね。

そしてサントニーノ大盛り上がりの入浴サービスについて。
中世の社会的身分の高い階層で、旅の客をもてなすために接待側の女主人や娘が客の入浴の世話をするというのは、「古い」習慣として15世紀まで残っていたようです。ただし当時は入浴の意味あいが現代とはまったく異なり、そもそも入浴すること自体が稀でした。サントニーノの日記本文では「(高貴なるゲオルグ・ヴェント殿の奥方バルバラ様が)汚いこときわまりない汚水をたっぷりかけながら、腹から足の先まで肢体を洗ってくださった」などと書いてある。うへえ。でも衛生的に困るとかは一言もいってません。むしろ倫理観のちがいをひどく気にかけている。つまり、そもそも風呂は体を清潔にするためのものではなく、入浴とはふしだらなこと、泡風呂的な意味のおもてなしに近い、けしからん行為だ、というのがサントニーノにとっての一般常識だったらしい。

こうした「風呂に入るのは衛生上よくない」っていう中世の感覚は、なかなか現代人には受け入れにくいものがあるなあ。「天冥の標」にもそんなことがちょっぴり書かれてた気がする。もう何百年かすれば、「ナノマシンで体表面は常に清潔なんだから、水道水の風呂なんて汚くて入れない。天然温泉なんて肥だめと同義」というのが世間の常識になっているかもしれません。くわばら。

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その他、ここ最近読んだ本まとめ。ほんとはひとつずつちゃんと感想文が書ければいいんですが。

小川一水 「天冥の標 2 救世群」
ブランドン・サンダースン 「ミストスピリット」
チャイナ・ミエヴィル 「ジェイクをさがして」
野阿梓 「伯林星列(ベルリン・コンステラティオーン)」
半村良 「産霊山秘録」
ジョージ・R・R・マーティン/他 「ハンターズ・ラン」
キム・ニューマン 「ドラキュラ紀元」
マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン 「ドラゴンランス秘史 ドワーフ地底王国の竜」
五味康祐 「秘剣・柳生連也斎」 ← 9/22 今ここ

▼ この中だと、個人的には「産霊山秘録」が特に楽しかったかな。アポロ14号が月面でちょんまげの武士の死体を発見とか腹筋死亡なバカネタの嵐なのに、ちゃんとすべてが史実に接続できてる。伝奇の醍醐味ここにあり。
▼ 「天冥の標」は単品だとわりあいふつうの小川一水。でも一作ごとに時代や舞台ががらりと変わることで、それらを包含する宇宙年代記的なスケールの大きさが生まれてわくわく感が倍率ドン。
▼ 「ジェイクをさがして」は異形都市好きというニッチな嗜好の人向け。プラスむせかえるラヴクラフト臭。くんかくんか。「ロンドンにおけるある出来事の報告」など、実録都市伝説っぽいのが好きです。
▼ 「ドラキュラ紀元」。なんじゃこりゃクソワロタ。ヴィクトリア朝英国にからめ得るかぎりの吸血鬼ネタをありったけぶちこんだような、ドラキュラ(とホームズとかジキル博士とかその他たくさん)の巨大な二次創作パッチワーク歴史改変伝奇。パクリ/オマージュのやりすぎっぷりには荒山徹に近いものすら感じる。いいもん読みました。
▼ 「秘剣・柳生連也斎」。神がかっとる。五味作品をじっくり読んでるときの精神的充足度の高さは異常

[youtube] Game Of Thrones: Behind The Scenes Featurette (HBO)
「氷と炎の歌」TVドラマのメイキング映像公開。なんかよさげではないですか。マウンテンさん(たぶん)の筋肉すげー

TGS 10: 『人喰いの大鷲トリコ』の発売時期が決定、『Ico/ワンダ』HDリメイクも正式公開
うおわー!2011年冬!思ってたよりずっと早かった。わずか一年、余裕で待てる。

[youtube] PS3 人喰いの大鷲トリコ TGS2010プロモムービー
さらにサワサワかつ優美になった巨獣の動き。ほんとに生きてるみたい。これがほんとに画面内で自由に動きまわるのかと思うと、感嘆で言葉もないな。 ただ、妙にジブリくさい音楽は正直、あまり好みじゃない感じです。これがテーマ音楽なんだろうか。
[youtube] Ico & Shadow of The Colossus - HD TGS 2010 Trailer
ICOとワンダも鮮明かつなめらかに。どちらも単純に解像度やフレームレートを上げれば上げただけよくなるという作品ではないかもしれないけど、そのへんは細やかに調整してくれると期待。

『人喰いの大鷲トリコ』の詳細に迫る! 上田文人氏インタビュー【TGS2010】
ゲームデザイン的には獣と少年と兵士がじゃんけんのような三すくみの関係になる。獣をコントロールできないことがコンセプト。らしい

PSストアに名作「ガンパレードマーチ」きた
PS3とPSPでDL販売開始。もし遊ぶ機会があったら、今度こそスカウト絢爛舞踏を目指してみたい
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by umi_urimasu | 2010-09-09 21:52 | 本(others)
ロシアの伝説に残るユートピアとしての日本国
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増補 聖なるロシアを求めて―旧教徒のユートピア伝説 (平凡社ライブラリー)

中村 喜和 / 平凡社


ずっと気になっていたこの奇妙な本を、「夏休みだから」というよくわからない理由で読んでみました。めあては、明治時代に東方の理想郷「白水境」(ベロヴォージエ)をめざしてウラルの奥地から日本までやってきたカザーク(コサック)の旅行者がいた、という驚くべきエピソードを紹介した第三章。いやはや、面白い。ほんとにヤーパンまでエクソダスしちゃったのかよ。

多くの貧農たちを東方へのあてどない探索行に駆り立てた日本=ベロヴォージエ伝説。そこへの行き方を記したガイドブックとして19世紀に旧教徒のあいだで知られた「日本国(オポーニア)への旅案内」なる怪文書は、じつにいかがわしさ爆裂な代物だったようです。いわく、その島々には数百もの教会があり、ロシア人は大歓迎を受け、誰も国に入れずどことも戦争をせず、教会がすべての民を治めている、云々。また、19世紀半ばのアルカージイなる人物はさらにひどく、「日本総主教」叙任証をたずさえて北ロシア各地を巡り、ベロヴォージエには50万のロシア人が住み、教会の数は700、皇帝の名はグリゴーリイ、などとまことしやかに吹聴してまわったそうな。

当然ながら、アルカージイの妄言を真にうけて旅に出たカザークがたどり着いた土地は理想郷などではありませんでした。そこはなんの変哲もないただの日本でした。もう長旅ご苦労様でしたとしかいいようがない。けれど、この話を聞いて不思議と彼らの無知を笑う気にはなれません。知識人でも国家使節でもない無学な農民たちが、理想郷の実在を確かめたいというただそれだけの動機で実際に15000キロの道のりを越えてしまう。結果がどうあれ、そんなとてつもない奇行をしでかしたパワーが単純にすごいと思います。人としてのパワー配分が、もう信仰力一択って感じなんですかね。
ウラル・カザークたちはこの日本行のあともまだあきらめず、文豪トルストイを訪ねてベロヴォージエのありかについて教えを乞うたそうです。トルストイは1904年の知人宛ての手紙にこう書きました。「(カザークたちの来訪の理由を知り、)この驚くべき現象は非常に非常に重要なことを考えさせます。」

古きよき信仰を守る正しきキリスト教徒だけの蜜あふるる約束の地。どこにあるかわからんがそれは絶対にあるんじゃよー。そうした、あいまいなわりに強烈で切迫した実在理想郷への夢につきうごかされ、人々は大挙して東方へと放浪をくりかえしました。当局につかまってシベリア送りにされたケースも多かったとか。では、そのロシア旧教徒とはいったいどういう連中であるのか。Wikipedia では、ギリシャ正教の流れを汲むロシア正教会の中の古儀式派 (分離派)の項で、彼らについてわずかに言及されています。キリスト教の主流派とケンカして以来迫害を受けつづけてきたマイナーで厳格な宗派です。ただし その記述からは、生活感とか日々の苦労みたいなリアルな部分はちっとも伝わってきません。そういうものに触れうるのは、やはり当の人々が世代を重ね伝えてきた伝説や伝承や歌でしょう。
本書で紹介されている多くの文献や口承史料から、その考え方、ライフスタイル、歴史的ないきさつが見えてくるにつれ、驚嘆の念は増すばかりです。あんたらどんだけ厳格主義なんだよ! 迫害と窮乏に耐えて古い信仰を守りぬくため、また信仰による団結なくしては生きていけなかったためとはいえ、宗教面でおおざっぱな日本人には想像もつかないほど過酷な孤立の道を、彼らは凄まじい頑固さで歩んできた(あるいは、21世紀の今もまだ歩みつづけている)らしい。いやもう、ほんとご苦労様としか。

ロシアのユートピア伝説として Wikipedia に載っている例は、スヴェトロヤール湖に沈む見えぬ町 キーテジ だけのようですが、本書にはその他にも、前述の白水境(ベロヴォージエ)、17世紀の司祭アヴァクームの自伝に出てくるバイカル湖上の楽園、オスマントルコ領のカザークが語り伝えたバグダッドの彼方にあるという「イグナートの町」など、さまざまなバリエーションが取り上げられています。特にキーテジに関する考察は徹底的。さすが本職の研究者たちはやりこみ具合が半端ねぇと感心しました。それ単体で読むとわけがわからず戸惑うところの多い日本の遠野物語とかも、ちょうどこんなふうに研究成果といっしょに読めるといいなと思ったり。
『遠野物語』を読み解く (平凡社新書 460): 石井 正己: 本
これなどがよいかの。

著者の中村喜和氏は中世ロシア文化史の泰斗として功績厚い人物だそうで、本書の内容も論文集的な色合いがちょっと濃いめです。僕のようなずぶの素人には敷居が高すぎるところも少なからずありました。が、そこらへんは伝奇愛で押し切った。「もしも柳生が」的な精神で。これさえあれば大抵の歴史本はなんとかなる。

ネット上では、白水境ベロヴォージエやキーテジ伝説、トルコのカザークなどについて日本語で詳しく紹介している場所はほとんどありません。この本にしても、知らなければ永久にそのまんまになる可能性がきわめて高いものでした。僕に読むきっかけを与えてくれたのは魚石庵の紹介記事 読書録「増補 聖なるロシアを求めて」です。かたじけない。足を向けて寝られないです。

以下、関連 Wikipediaリンク。
世界の理想郷伝説 - Wikipedia
アヴァクーム - Wikipedia
キーテジ - Wikipedia
ロシア正教会 - Wikipedia
古儀式派 - Wikipedia

余談ですが、魚石庵主様による 「伝奇ゲームファンのための日本伝奇入門」は、ネットで読める初心者のための伝奇小説ガイドとしては最上級のものでしょう。伝奇道で行き先に迷ったらまずはここ。

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[画像] うち捨てられたホビット庄のセット
さびれた袋小路屋敷に羊が一匹、二匹。なんかいかにも第四期くさい、もの悲しい風景だ……。ただしこれはかなり前の写真で、今は次の映画のために修復作業中だとか。よかった。

Togetter - 「ゲームでプレイヤーを「演じる」こと、演劇で「役を演じる」ことの違いについて」
ゲームデザイン方面っぽい話。演じるというよりは物語を体験するという行為について。欧米と日本でのFPS、TPS嗜好のちがいも興味深い。

[ニコニコ] 第5回MMD杯 本選リスト
始まった。週末をつかってたらふく見よう
[ニコニコ] 【第5回MMD杯本選】ハートキャッチ☆ドワーフ!
ケレブリアンと夕星アルウェンをなさしめられた貴いお方よ、これ以上なんと、えー、なんと申せばよいことか。
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by umi_urimasu | 2010-08-11 20:01 | 本(others)
忍法帖の姫キャラ比較
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山田風太郎 其の十五 から抜粋
668 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2010/06/04(金) 05:26:27 ID:WhQfTlIb
忍法帖に出てくる姫の性格はどれも違ってるような気がするんだが
誰か確かめてくれ。

670 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2010/06/04(金) 05:51:20 ID:0oYKzbob
初期~中期作の個人的な印象

甲賀→弦ノ介様以外目に入らないの!恋する乙女症候群
江戸→好き好き大好き悠太郎様はあと
飛騨→知らん
くノ一→最強ヒロイン丸橋、漢の生き様
外道→伽羅可愛いよ伽羅うわあああ
月影抄→むねつなきゅん・・・ハァハァ
忍法忠臣蔵→さしみ
信玄→勝頼の嫁は俺の嫁
風来→麻也様の勝気かわゆさは異常、僕も足蹴にされたいです
柳生→堀の女ってだれだっけ?えろかわおゆら様
忍法八犬伝→無垢な幼な妻ときいちゃだまってられねえ!
相伝→復刊してください
自来也→べ、別に石五郎殿のことを心配していたんじゃないんだからねっ!
魔天→そんなのもあったなあ
魔界→堀の女とどちらが影が薄いでしょうか
伊賀→1人で3度美味しい、美人薄命、ザ・悪女、不倫妻!

672 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2010/06/04(金) 06:56:28 ID:pAOklcKi
創世記の牢姫もいたな。恐ろしい、何考えてんのかよくわかんないって意味で
天然ボケの姫様だがw
上にない分、ちょっと補足。
銀河 → 朱鷺…無視デレ。大久保長安愛妾ズ…としまえん各種。
海鳴り → 夕子の方…清楚系定番姫。昼顔の方…悪知恵おしかけ女房。とりあえず昼顔無双。
十兵衛死す → ついに天皇にまで粉をかけはじめる十兵衛さん
けっこうばらけてる。やはりキャラがかぶらないよう意識して書かれていたんだろうか。傾向としては、悪女系の姫はおしとやかな正妻と対になっているパターンが多いようです。「伊賀」の篝火&漁火、「海鳴り」の夕子&昼顔など。
あと、いわゆる典型的なツンデレは意外と少なめかも。自来也の鞠姫ぐらいでは。

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[youtube] The Lost Thing Trailer
これはすばらしい。幻想絵本作家、ショーン・タン原作アニメの予告編です。名状しがたき触手生物と心なごむ交流をしたい方々、必見。原作の詳細はShaun TanのHPに。

[ニコニコ] 【MAD】ソードマスターミナト【装甲悪鬼村正】
いろいろ合いすぎてる

コラム: 『ワンダと巨像』から学べること
ワンダ信者の教授による「なんでワンダみたいなゲームがもっと出ないんだ」という愚痴。気持ちはわからんでもないけど。好きな作品を誉めるために他の作品を貶すのはいただけんな。

Haikasoru in Scotland!
マルドゥックスクランブルの英訳版もハイカソルが出すみたいですよ

野阿梓 「バベルの薫り」
めちゃ面白かったっす。もう笑いすぎて腹痛い。BLってすげーなー……。天皇制と免疫システムのアイデアも興味深かった。これよりもっとブッ飛んでる野阿作品はあるんだろうか。ぜひとも探さねば。

ハヤカワ・オンライン|ブランドン・サンダースン
3巻出そろったミストスピリットの書影を見て、ふと不安にかられる。なんか、ミストボーンから巻を追うにつれて表紙絵の出来が微妙になってきてるような。気のせいと思いたいですが。

HBOドラマ版「氷と炎の歌 七王国の玉座」 公式サイト
このエダードさんかっこええ。わが咆哮を聞け!
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by umi_urimasu | 2010-06-05 13:31 | 本(others)
「天地明察」 冲方丁
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a0030177_0223532.jpgなんという爽やかさ! これが本当にあの“皆殺しの冲方”の作かと、にわかには信じがたいほど清涼感にあふれた小説でした。マルドゥックヴェロシティみたいな暗黒系が好きな人にはかえって猛毒だろ、これは。プロジェクトX的な意味で、感動的な「いい話」ではあるのですが、思わず修造動画が脳裏をかすめてしまった。がんばれ絶対やればできる。そんなスーパーがんばり学者侍のお話。

僕は杉浦日向子効果で江戸風俗に少し興味があるので、江戸期の天文学や数学についての描写をたいへん楽しく読みました。「算額奉納」や算術をおしえる塾、天体観測装置、絵暦など、江戸時代のいろいろな学問・娯楽・文化が物語に絡んで出てきます。ある意味、チャンバラよりもはるかにリアリティを感じさせてくれる部分です。チャンバラがない代わりに、将軍上覧の囲碁勝負(争碁)がちょっと熱いのですが、それはまあ余禄。

ストーリー自体は、よくある理想化補正入りまくりの歴史偉人伝です。生きがいを見つけられずにいた算術好きの若者・渋川春海が、さまざまな分野の天才たちに出会い、成長し、やがて貞享の改暦という国家的事業に人生をかけて挑んでいく。ただし、その仕事は渋川ひとりの学問上の目標にとどまらず、武断主義から文治主義への移行という武士社会の大転換を象徴するひとつのエポックでもあって(という解釈を作中では採っていて)、「そのとき歴史が動いた」的な大きな視点も描かれています。なかなか壮大な歴史的視野の広がりを楽しめて、よい感じです。

ひとつ、個人的な不満としては、関孝和、水戸光圀、酒井忠清、保科正之ら、登場人物のほぼ全員に強烈な名君・好人物補正がかかっていて、話全体がやたら美談くさくなっていること。そこまできれいごとにせんでもええがね。

文体について。冲方丁の小説はおおむねいつもそうだと思うんですが、この作品も言い回しに凝ったりせず、常に主人公の感情にぴったりくっついた、なんというか、非常に「気持ちがそのまんま」出る文章で書かれています。読みやすく、よく伝わる文章です。美文家とはいえないかもしれないけど、こういうのもある種の達文なのかな。いまいち時代小説っぽくはないけど。あと、冲方丁には一度ヴェロシティ文体でも時代小説を書いてみてほしい。すごくユニークな代物ができそう。

最後に、各所で指摘されていることで、当時すでに地動説が天文学者の間では常識だったとか、渋川春海がケプラーの法則を独自に発見したとか、その他史実に即していない記述がちょこちょこあるらしいです。いわれなければなんとなくそのまま納得してしまうところでした。気をつけよう。小説は意図的か否かを問わずウソの塊なのだという認識は常にもっておきたい。特に歴史伝奇とSFでは、考証の失敗で作品全体が台なしになってしまうこともありうるから。

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Time Traveler Caught in Museum Photo?
1940年ごろにカナダ?で撮影されたという古い写真の中に、現代人っぽいファッションの男性が写っていて「タイムトラベラー発見www」と話題に。加工でないとしたらいったい何者だろう。

a0030177_2137169.jpg「歪み真珠」 山尾悠子
ゴールデンウィーク中に読めた本これだけ。でもすばらしかった。彫刻じみた文章美と絶望的なまでの意味不明感。クセになります。夢ってのはこう、理不尽だけど妙なふうにロジカルなことが多いな。全部大好きですが、特に好きな作品をあえて選ぶとしたら「美神の通過」「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」「ドロテアの首と銀の皿」あたり。

ゴラムをゴクリ、アラゴルンを馳夫さんと訳した指輪物語の翻訳は糞
「馳夫なら、めったに人の通わぬ小道を通って、あなた方の道案内を勤めることができる。あなた方はかれを連れていくか?」 踊る子馬亭でアラゴルンがみずからを三人称で呼んだ、あの態度がふしぎと印象に残っています。本来は蔑称なのに、さりげなく誇りをもって自称しているようにも思える態度でした。馳夫さんかっこいい。王朝名にまで採用しちゃったくらいだから、じつはアラゴルン本人も相当気に入ってたのではあるまいか。

パオロ・バチガルピ "Small Offerings" 翻訳 - 送信完了。:読書系小日記
バチガルピと聞いて俺様が釣られクマー。読む。うへあ。出産グロ注意

[ニコニコ] マイリスト「人類は組織的抵抗を諦めました」
発売から十年。いまだに時々、無性にガンパレードマーチをやりたくなるときがある。もちろんこんな神プレイはとてもできないのですが。バグ潰し&22人プレイモード付きの完全版発売は見果てぬ夢か。
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by umi_urimasu | 2010-04-30 00:33 | 本(others)
「ブラッド・メリディアン」 コーマック・マッカーシー
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a0030177_19532151.jpg「純粋殺戮小説」とでもいったらいいのかな。人の命が砂粒より軽い西部の荒野、あらゆる善悪や倫理が削り落とされた世界で、果てしなくくり返される何の意味もない虐殺。それを淡々と眺める物語。こと残虐描写に関しては、マッカーシー作品の中でもダントツでしょう。

中でもインディアン狩り部隊の参謀格、通称「判事」のインパクトが激烈でした。やさしげに連れてあるいていた子供を次の瞬間いきなり殺す。わざわざ金を払って買いとった哀れな子犬もいきなり殺す。苦楽を共にした仲間もあっけなく殺す。別に正気を失っているわけではなく、高い知性と膨大な教養をそなえ、朗らかで饒舌で、生命力とカリスマに満ちあふれている。それでいて平気で殺戮に及ぶ。やむにやまれぬ理由とかそんなものが一切ない。小説の登場人物でここまで怖い人間には久しぶりに遭ったかも。

この恐るべき判事の信念っぽいものを彼自身が述べているシーンは一応あって、それによれば、
人間は遊戯をするために生まれてきたのであり、その遊戯で賭けられる究極のものは命である。なぜなら死は取り消し不可能で絶対的なものだからだ。殺すか殺されるか二つに一つの選択肢でどちらが選ばれるかは運命によって決まる。その運命を占う究極の遊戯が戦争である。戦争は二つの意思を試し統合する。ゆえに戦争は神だ。
まあだいたいこんなようなことを言ってます。なんかいまひとつ要領をえませんが。運命論にするのはいいとして、いったいどこまで本気の発言なのか。
僕としては、判事個人の欲求ないし行動原理は結局、「人殺しが好きだー!戦争してえー!」ってだけだったのかもしれないなあ、という気もします。内面描写が皆無なので単なる想像にすぎないけど。この人、もしかしてヘルシングの少佐の同類なんじゃないの。
諸君 私は戦争が好きだ
いいお友達になれそうでよかったね、判事さん!

「ブラッド・メリディアン」はコーマック・マッカーシーの最高傑作ともいわれています。でも個人的にはやっぱり「越境」や「「すべての美しい馬」みたいな路線の方が好きです。この作品は僕にはちょっと残虐すぎてメンタルゲージがあっぷっぷい。

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[ニコニコ] タグで動画検索 第4回MMD杯本選
鬼才結集、3Dモデリングの梁山泊

浅倉久志氏=翻訳家 : おくやみ : 社会
この人がいてくれなかったら、僕も今こうしてSFを読んではいませんでした。祈冥福。

[画像] 大仏 ネタ的な画像
牛込大仏、仙台大観音。バブル時代の金と力の働きを受け、その二つの像は、往時茫々たる歳月の風雨に耐えて、はじめて彫られた時の威風堂々たる姿を今もとどめていました。

観光大仏、今や無用の長「仏」? 遠のく客、倒壊懸念も
管理者がいなくなって放置状態のものも少なくないとか。あと何十年か手つかずで残しておければすばらしい廃墟物件になりそうだけど、その前にみんな解体されてしまうかもしれない。惜しい。

「竹島御免状」荒山徹 | 角川書店
もうタイトルだけで吹く

文庫版の虐殺器官の解説を読んだらmixiの友人限定公開という生前の日記が紹介されててぐったりしてしまった。そらそういうのを読みたい人だっておるかもしらんけどね……。内容からしても、おそらくそれは故人のきわめて私的な心情を、ほんとうにやむにやまれず知り合いだけに吐露しようとしたものだったんじゃないかと想像します。もはや確かめようがないこととはいえ。なんつーかなあ。つい去年亡くなったばかりの人の作品解説に載せて、みんなで読もうよっていう、そういうもんなのかなあ。あとカレーうんぬんの話も。
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by umi_urimasu | 2010-02-15 20:22 | 本(others)