「鳳凰の黙示録」荒山徹
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a0030177_073816.jpg荒山ファンのあいだでも若干渋い評価を受けているようなんですが、僕もこれはちょっと微妙な出来ではないかと思います。朝鮮妖術と捏造日韓史の発狂ぶりについては、ほぼいつも通りのひどさ(誉め言葉)だったかと。しかし、にもかかわらず最後までさっぱり盛り上がれなかった。いったい何が原因だったんだろう。

振り返ってみるに、結局ストーリーの流れに気持ちが乗れなかった、という感じだったかなあ。登場人物の目的や利害がはっきりしないまま忍法帖スタイルの戦いだけが繰り返され、しかも行動の目的はどんどん勝手に修正されていってしまう。このせいか、どうもストーリーが終始他人事じみて見えてしまったようです。あと、ラストがひどい投げっぱなし。いつもクライマックスはきちんと盛り上げて、広げた風呂敷もそこそこ丁寧にたたむ人だと思っていたので、このやりようには困惑してしまいました。魔別抄が真田忍者衆をぺぺぺと片づけるくだりなどは明らかにネタとわかるので納得のしようもありますが、せめて玻璃鏡伯や晋陽候との戦いは、最後なんだし、もうちょっとさあ……。もしかして、なんかそういう技法上の実験なんでしょうかね、これ。

今まで荒山徹にハズレはないと信じていたけど、これを読んでちょっとショックを受けて、当然買うつもりでいた徳川家康(トクチョンカガン)のことが不安になってきました。ネットの評判をみると、鳳凰の黙示録とタメをはるダメ具合だと厳しい評価を下した人もいるようです。雑誌連載中の柳生黙示録を読むかぎり、「最近はいつもぐだぐだ」というわけでもなさそうなんだけどなあ。今しばらく手出しを控えて様子を見ようか。

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荒山柳生から少しはなれて、先日来「柳生武芸帳」を読み中です。五味康祐すごすぎる。寛永年間で可能な柳生ネタがこれだけであらかた網羅されてる。もめごとは全部柳生の陰謀。ここまで徹底的にやり尽くされたら他の人の仕事が何もなくなるだろ!ってくらい、ありとあらゆる柳生ネタがブチ込まれてる。きちがいだ(誉め言葉)。たぶんこの人こそ名実ともに日本一の柳生脳。ただし、十兵衛の出番はほとんどないです。ちょっと意外でした。でもその分黒宗矩全開なのでむしろ大満足。

[ニコニコ] 講談 「柳生二蓋笠」 五代目一龍斎貞丈
昔の音源なので聴きとりづらいけど、語り形式ならではの言葉づかいが面白い。他の講談だと、荒木又衛門が十兵衛の弟子にされてたりとか、けっこうめちゃくちゃな話もあるそうな。いいかげんだなあ。

小説へのいざない:奇想の系譜 最高権力者が影武者だったら
影武者家康つながりで隆慶一郎&荒山徹の紹介。どうも最近、荒山徹がやたらマスメディアで注目されはじめているような気がする。よく知らないけど戦国時代ブームの影響などもあるんだろうか。なんにせよ、知名度があがるのはめでたいことだ。

[youtube] The Cup Of Tears Trailer
これはひどい予告編。期待のトンデモサムライ映画

山田風太郎賞創設: 新人~中堅作家対象、筒井康隆氏、京極夏彦氏らが選考
期待できそう

柳生十兵衛 と 柳三厳 を合成 by まぜまぜモンスター
なぜか大武仏っぽい感じになりました。この上なく軟弱な柳三厳の意志により……
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by umi_urimasu | 2009-10-30 00:18 | 本(others) | Comments(0)
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