まさに森薫の、森薫による、森薫のための漫画。「民族衣装描きたいいい!」という作者の叫びが紙面から聞こえてきそうな、恐るべき描き込みの細かさです。しかもトーンワークの一部を除いて、作画作業のほぼすべてを森薫ひとりでこなしているのだとか。これはもう、「仕事だから手をぬかない」とかいうまともな道理の通じる次元ではないってことなんでしょうかね。本人の気のすむまで描いて描いて描き倒す、その筆ゆきを読者はただ見守ることしかできないのではないか。そんな気さえしてしまいます。エマの連載期間中に劇的な進歩をとげたこの人の絵が今後どう変化していくのか、楽しみでもあり、少々恐ろしくもあり。
「乙嫁語り」の舞台は19世紀中央アジアのカスピ海沿岸地域で、劇中の衣装もそのあたりのものを参考にデザインされているらしいです。では、元ネタにあたる実際のその土地の民族衣装はどういう感じなんだろう。気になって検索してみたんですが、なかなか似た衣装って見つからないもんですね。イメージとして比較的近いと思われるのは、たとえばこういうの。 ↓
Traditional AZERI FOLK clothing
アゼルバイジャンの民族衣装。アミルの着物に似てなくもないかな。ただし遊牧民の服ではなさげ。
A Tajik woman wearing traditional costume
タジキスタンの女性服。メダルのようなアクセサリはそこはかとなく似てるかも。
Tajik Wedding
同じくタジキスタン。帽子の形状がそれっぽい。
森薫の新連載「乙嫁語り」に出てくる“テュルク系民族”を追う
トルクメニスタン的な要素も含まれていそうだとて調べた人がいなさる。
Uzbek Man in Traditional Clothing
ウズベキスタンの男性。縦じま柄の前合わせ着物は作品中にも頻出。
最初は「カスピ海ってどこらへんだっけ?」という状態だったんですが、画像を見てまわっているうちに多少はご当地の人々の生活感などが身近になったような気がします。無駄ではなかったと思おう。
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[画像]
Autumn scenes
無駄にカッコイイ七面鳥の写真
この模様を見てピンときた人はオタクですって。
「この模様を見てピンときた人は○○○」のまとめを誰ぞつくりたまえかし。
五味康祐「柳生武芸帳」にとりかかりました。面白ええええ!ブラック宗矩かっけえええ!とテンションあがりまくりでガシガシ読みながらふと検索 → 未完と判明。なんてこった。
→ 10/27 今日も読む。ガッシガッシ貪り読む。大久保彦左衛門がナイスジジイすぎる。
せがわまさき 新連載は「山風短」
風太郎の短編から原作をいくつか選んで順に漫画化していくということらしい。まずは「くノ一紅騎兵」から。