「忍法さだめうつし」荒山徹
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a0030177_21291914.jpgおや、これは荒山徹にしては少々穏便な……と思っていたらガンダムとガメラが出てきたでござる。何を言ってるのかわからねーと思うが以下略。
最近、ようやく理解が実感に追いついてきた。この人は、「まさかそこまでバカげたことを本当に書くはずがない」と誰もが考えるバカげたことを「絶対に書く」人なのだ。

戦国時代や江戸時代に舞台をおくことの多い荒山作品ですが、本作はちょっと珍しく、鎌倉~室町時代を扱っています。当時の朝鮮半島は高麗末期~李氏朝鮮初期にあたり、特に王朝の変わり目では政情が安定せず、暗殺や粛清が横行していました。このころの日韓史における最大のイベントが、二度の元寇、およびその後盛んになった倭寇の跳梁です。ここに収録された四作品は、そうした国際的ないがみあいの歴史に日韓両サイドのさまざまな史料から光をあてつつ、その根底に流れていたであろう民族感情──ありていにいえば、民族的優越感ゲーム──を描き出そうと試みています。
しかし、こんな1000年オーダーでの近親憎悪という度しがたいものがいったいなぜ生まれてしまったんだろう。地理的にきわめて近く、海で分断されていて、しかもすぐ隣の超大国に対する立場が微妙にちがう、とかいった「立地条件」にも関係があるんだろうか。う~ん。めんどい。

ちなみに作中の小ズルすぎる朝鮮像は、いうまでもなく荒山徹ならではの高度にねじくれたツンデレ表現であって、荒山氏自身が無類の朝鮮文化好きであることは歴史文献の半端でない読み込みぶりからも明らかです。好きすぎて思わずいじめちゃうなんて、まるで素直になれない小学生ですね。ハハハ。愛いやつめ。

忍法活劇としてみるなら、本作はそれほど派手な内容ではありません。剣豪や忍者の活躍もじつはあまりありません。忍法妖術の中にはひどい(←誉め言葉)ものもありますが、普段の荒山徹の作風からすれば、比較的おとなしい方だと思います。それよりも特徴的なのは、時間を越えて歴史そのものに干渉するタイプの術の登場により、史実と虚構の混ぜ方が複雑になってきていることでしょう。新妖術「溢以死部隊」と「忍法さだめうつし」、これらはどちらも歴史伝奇的ツールとして非常に便利なもので、「処刑御使」ともども今後の作品に使いまわされていく可能性があります。あまりに便利すぎるので、使いすぎを心配してしまうくらいです。まあ、荒山徹のことだから心配無用だとは思いますが。どうせこちらの予想のはるか斜め上を行かれるに決まってるんで。

以前どこかで聞いた話だと、山田風太郎は忍法帖シリーズにおいて「一度やった忍法は再利用しない」というルールを自らに課していたとか。同じパターンにたよることで自作のコピーを作ってしまわないための予防策だと考えれば、もっともな逸話です。荒山徹の場合は、ひとつの術を複数の作品に使いまわすことで別々の物語どうしがつながる面白さがかなり大きいので、むしろ積極的に再利用してもらったほうがいいような気もしますが。

余談。
朝鮮妖術で過去へも未来へも行き放題、ということになると、せっかくだから柳生メンバーもタイムトラベルさせてみたいものです。柳生一族を歴史から抹消すべく時間遡行した処刑御使に対し、日本の剣豪たちも同じく妖術で時を越えまくり、剣聖上泉伊勢守、疋田ぶんごろう、ジンゴイズ伯爵、石舟斎、柳生三兄弟らが一堂に会して、足利義輝の御前試合で朝鮮花郎剣士団と全面対決。とかいうヨタ話を妄想した。アホらしい。でもお祭りみたいで楽しそうではある。誰か、荒山設定準拠で「やる夫の柳生ターミネーター」みたいなオリジナル歴史伝奇を書いてくれる物好きな方はおりますまいか。

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エヴァ破、見てきました。話が王道すぎ、人物もいい子すぎて、予想以上に物足りなく感じてしまいました。もっと不健全な方向に突き抜けたものを見たい気持ちが強かったみたいです。でもそれはそれ、これはこれ、映像はおいしくいただきました。動きの遅さのせいか、アングル?のおかげか、巨大なものの巨大感が尋常じゃない。丹田あたりがケイレンする。怖い!でもきもちいい!
ループネタ?はちょっと、普通にやるだけでは今さらっぽいかもなあ。あとメガネがいらん子すぎて不憫だった。次ではもう少しちゃんと補完してあげてほしい。ループとかラブリー眼帯とかはブラフでもいい。

古川日出男 WEB小説 「4444」連載中 - 河出書房新社公式サイト
掌編を毎週更新。「gift」みたいにとらえどころのない話がいろいろ出てきそうな予感

SF作家、ヒューゴー賞とった回数ランキング
小説部門で、カッコ内がトータル受賞回数。5位以上はこうなっておりました。

   1位(10) コニー・ウィリス
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          ハーラン・エリスン
   3位(6)  フリッツ・ライバー
          ロジャー・ゼラズニイ
   4位(5)  ヴァーナー・ヴィンジ
          U・K・ル=グウィン
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          マイクル・スワンウィック
          ロイス・M・ビジョルド
          ラリー・ニーヴン
          ジョー・ホールドマン
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          アイザック・アシモフ
          ジョージ・R・R・マーティン

ま、なるほどなあ、という感じですか。高齢の人ほど多いのはあたりまえで、活動年数や作品数で割れば受賞率がわかるかも
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by umi_urimasu | 2009-07-15 21:43 | 本(others)


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