「乱鴉の饗宴」途中経過
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このところ、本といえば「乱鴉の饗宴」にかかりきりで、これといって更新すべきネタもないのですが。とりあえず新しい動きとしてはWikiができたこと。

氷と炎の歌・乱鴉の饗宴改訂問題wiki - 変更された人名地名その他

項目数はまだ少ないものの、英語名もセットになっているのが原書ビギナーにはありがたい。4巻では今まで主に脇役扱いだったティレル家、グレイジョイ家などがでばってきていて、新しい登場人物の把握にも難儀していました。せいぜい活用させてもらいます。
(追記)9/12 「その他の変更」が追加。これほんと多すぎ

僕の場合、慣れない英語でこの作品を読むにあたって特にわかりにくく感じる話題というのはわりと決まっているようで、ひとつはティレルやグレイジョイやアリンなどの周辺勢力が陰謀・策略をめぐらしている部分。それと、七王国の昔の歴史に関する部分。主にこの二つ。ターガリエン家の誰それがあのとき誰をどうしたとか、どこそこ家の何某がだれと手を結ぶつもりだとか。あまりに登場人物が多いため、日本語のときですらあまり把握できてはいなかったんですが、英語で読んでみて驚きました。かくも劇的にわからなくなってしまうものかと。
それに比べると、ラニスターやスタークや夜警団など、今までもメインで出てきている人たちの会話や行動はとても把握しやすい。近しい情報どうしを関連づける脳内クラスター的なものがあるとないとで、内容の理解度にこれほどの大差が生じてしまうものだろうか。ある程度整理しておかないと、この先いつまでもずるずると苦労しそうです。そういう意味でもWikiの今後の充実には期待したい。がんばれ有志たち。僕は傍観者。

いまはアシャ・グレイジョイのパートを読んでいるところ。Kingsmoot という単語がよく出てきますね。これは鉄諸島の王を選ぶ大会議のことで、宗教的なルーツがあって、鉄諸島人たちの神である Drawn God の名のもとに開催される(逆にいえばよほどのことがないと開催されない)もの。マーティンの造語かな?あまり一般的な用語じゃないみたい。訳すとしたら「選王会議」とかか。

余談、というか愚痴。
翻訳問題の件のその後の展開について。
早川書房には状況をよい方向に動かすためのアクションを早く起こしてもらいたいもんだと思いつつも傍観中。新訳者の酒井氏のコメントがmixiに載ったのと、8月頭にへちょい対訳表が掲載された以外、公式には一言の情報も出されていませんが、このまま放ったらかしておいていいもんでしょうか。ネット上にネガティブな評価情報がじわじわ蓄積されていくばかりでメリットは何もなさそうなんだけどなあ。Amazonのレビューもボロクソになってるし。うーん。

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勝手にSFだけでハヤカワ文庫100冊 その10 現代SF――「現代」ってなんのこっちゃ?
>「センスオブワンダー」を金科玉条のごとく振りかざす人がいたら、その人はあまり信用しない方がいい
それそれ。この「センスオブワンダー」はひどく曖昧な、人によって千差万別な意味をもたされていることばだと思います。その曖昧さを利用して、自分に都合のいい解釈をしたりしてしまわないように気をつけたいものです。フェアな評者なら、こういう意味の広すぎる用語は作品評価のためには使わないか、使う場合にも限定的な定義を与えてからにするでしょう。
関連:信用してはならない映画評の書き手の見分け方 - 伊藤計劃:第弐位相
これはほぼそのまま小説評にも転用可能。SF書評系ブログでいえば
 ・ センスオブワンダーがある(ない)ので傑作(駄作)
 ・ リーダビリティが高い(低い)から傑作(駄作)
 ・ リアリティがある(ない)ので傑作(駄作)
このへんも要注意ワードかも。

(追記) TBもらいました。
センス・オブ・ワンダーの定義 - 誰が得するんだよこの書評
とりあえず上の話はぜんぶ棚上げで。グラフが納得いきません→ 幼年期のセンスオブワンダー度が低すぎる。イーガンやギブスンとSREのリーダビリティ評価に格差がありすぎる。筒井や町田康を入れるんだったら文体の饒舌度とか風刺度の軸も(以下略
結論:数値評価とかムリ。

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[youtube] Danse Macabre
フランスの作曲家/演奏家、カミーユ・サン=サーンスの「死の舞踏」。黒騎士ブラフォードの必殺技、「ダンス・マカブ・ヘアー」のネーミングはこれが元ネタ、かどうかわかりませんが、不思議な雰囲気があってかっこいい。僕はこういう、暗いのか明るいのかよくわかんないような、辺境の音楽っぽい旋律に惹かれる習性があるようです。ハンガリー舞曲とかツィゴイネルワイゼンとかああいう方向の。

[画像] 地球上でもっとも地球に見えない島、ソコトラ島 -ぱるぷんてにゅーす
すごい。すごすぎる。幻想風景好き必見!

HBOが「七王国の玉座」のテレビ放映権を獲得 (G.R.R.M. - Not A Blog)
おう、おう、おーーう。でも喜ぶのはまだ早いってさ。ロケ候補地はスペインとチェコらしい。撮影に使える城や街の有無で選んでるのかもしれん。

やる夫が徳川家康になるようです 三河編 【第1~3話】
教科書読んでもあくび連発だがAA劇だと楽しく読めてしまうマンガ脳な僕によし。知識をものにする、それだけよ!過程や方法なぞ…どうでもよいのだァーッ!
夏目吉信、三方が原の戦いに於いて、徳川家康の身代わりとなって討ち死に。享年55。家康はこの時、身代わりになって死んだ吉信を生涯忘れず、後に江戸幕府を開いた後、規律違反を犯した吉信の息子を特別に許すなど、超法規的な措置をした。夏目家は紆余曲折を経て幕末まで存続。明治期の文豪、夏目漱石は、この吉信の子孫である。
意外な豆知識もあるよ。べんきょうになるよ。
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by umi_urimasu | 2008-09-09 01:43 | 本(others) | Comments(6)
Commented by daen0_0 at 2008-09-10 01:58 x
> センスオブワンダーがある(ない)ので傑作(駄作)
自分のことを言われているようで冷や汗が出ましたw センス・オブ・ワンダー至上主義ってのはたしかに寒いですね。
Commented by umi_urimasu at 2008-09-10 13:04
本を読んで思ったことを書くという行為の意義も人それぞれだと思うので、お気になさらずに。とりあえず、僕は自分がこういうふうにしたいなという自己目標として書きました。
Commented by っg at 2008-09-12 11:22 x
翻訳問題は自分は気にならないどころか、逆に前訳者が酷かったと感じたので、今回はノイジーマイノリティが騒いでるだけのような気がします。感じ方は人それぞれですけど、叩くとなると最近は何に対してもヒステリックだと感じます。
Commented by umi_urimasu at 2008-09-12 20:32
読者の不満度などについては、統計調査でもしないかぎり実情はわからないでしょう。
訳文の優劣はさておき、変更点があまりに多く細部にわたり、シリーズ読者へのまともなフォローがなされず、今後訳語の統一をするかどうかもはっきりしない、これらについて批判の声が出るのはしごく当然ではないかと思います。ファンタジー小説史上に残るかもしれない、しかもいまだ刊行途中の作品の扱い方について、出版社はもっと慎重であってほしいと望みます。
Commented by moot at 2008-09-29 12:10 x
指輪物語で、たしかエントの会議のこと"entmoot"っていってましたよ~
Commented by umi_urimasu at 2008-09-29 16:45
確かに。Entmoot、または the Moot となっていますね。

氷炎ではkingsmootのkは小文字で一般名詞扱いです。王の選出集会という制度が鉄諸島だけのものではないっていう含意とかがあるのかもしれないですね。
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