〈氷と炎の歌〉を原書で読んでみよう
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a0030177_22212378.jpgG・R・R・マーティンの〈氷と炎の歌〉第4部、「乱鴉の饗宴」 (A Feast for Crows)を読みはじめています。といっても日本語版ではなく、例の翻訳問題から派生したオリジナルへの興味もあって、今回は思いきって原書にチャレンジしてみました。うわさ通り非常に平易な英語で書かれていて、思ったより読みやすいです。それでも最初は一文ごとに辞書で調べたりしていましたが、くり返し出てくる単語が多いので、先へ進むにつれてスピードアップしてきました。とりあえず三日で100ページほど消化。今では1ページにつき数ヶ所ほど、不安なところを確認する程度でなんとかしのげるようになってきてます。まあ、案ずるより読むが易しって感じですか。やはり普通の日本語の小説を読むのに比べると時間はとられるけど、好きな作品だから別段苦でもないし。

このマスマーケット版(ペーパーバックの中でもボロっちいバージョン)、価格はAmazonで900円。本のサイズは京極夏彦のノベルスと同じぐらいですが、中は文章がびっしりで1100ページ近くあります。紙は悪いが、とにかく安い、そして量が多いのがとりえ。
〈氷と炎の歌〉は好きだけど第4巻の和訳は評判がいまいちで購入をためらってるという人、キャラクターのしゃべり方や雰囲気などが翻訳者の交代で大きく変わってしまったのがイヤな人、とにかく安あがりに済ませたい人……そういう人たちなら一度はこれを試してみても損はないのではないかと。なにしろ安いですから。あと、本国で新刊が出るたびに邦訳出版まで何年も待たされる経験を重ねてきて、もう疲れたよナイメリア……という人にもおすすめかもしれません。次の第五巻「A Dance with Dragons」はどうやら今年中にも出そうだともっぱらの噂です。むむむ。いいタイミングではないですか。夏の終わりの今こそ、この銘言を唱えるべきときだ。“冬がやってくる”。

おまけについて。
■おまけ①
マスマーケット版だけの付録なのか、他のハードカバー版などでも同様なのかわかりませんが、巻頭に雑誌や新聞のレビューや紹介記事からの抜粋を集めたページがあります。広告効果を狙ってのことなんだろうけど、本を開いた1ページ目からいきなり宣伝全開というのがいかにもアメリカンビジネスっぽい感じがしてちょっと新鮮でした。大河ファンタジーつながり(?)でロバート・ジョーダン、アン・マキャフリイ、マリオン・ジマー・ブラッドリー、レイモンド・E・フィーストなどからの賛辞も。
■おまけ②
各家人名リスト完備。基本、しかし重要。それぞれの家の紋章の図柄も付いています。
■おまけ③
巻末に、スペシャルプレビューとして第五巻「A Dance with Dragons」の本編が少しだけ載ってます。少しといっても軽く一章分くらいあります。お得。(これとは別の章もマーティン本人のサイトでサンプルとして読めるようです。GRRM - Ice & Fire Sample 4巻終わったら読んでみよう。)

それにしても、こうしてオリジナルを読んでいると「日本語ではどうなるのか」が常に気になりますね。いま読んでいるのはアリアがブラーヴォスにやってきたあたりなんですが、Yorkoという人物がいて、これが男で名前の表記がヨーコではやはりちょっと落ち着かない。邦訳版ではヨルコ?とかになってるんだろうか。

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日々雑景 - 氷と炎の歌 訳語メモ
第3部「剣嵐の大地」までから第4部(乱鴉の饗宴)への、地名の訳語変更リスト。これはありがたい。しかし多いなあどうも。早川も何もここまでしなくてもよかったんじゃね。エイコーン・ホール→穀斗城館とかゴールデン・グローブ→黄金樹林城とかけっこう微妙。

文学やネットの世界では、なぜ猫の支持率が高いのか? | R25.jp
そもそもその前提がうさんくさいんだけど。ただ、犬猫小説うんぬんを別にすれば「人は不意を突くものを好む」という冲方丁のあたりまえな指摘には普通に納得。

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第39回星雲賞に図書館戦争、電脳コイル、20世紀少年他
最近では「これが星雲賞受賞作か!よし読んでみよう」みたいなわくわく感をあまり感じなくなってしまった。でもアレステア・レナルズ作品には一度くらい手を出してみたいかも。啓示空間以外で。

ビアンカ・オーバースタディ
http://blog-imgs-26.fc2.com/t/u/r/turenet/20837.jpg
われらオナンの末裔!いつも通りすぎてワロタ 単行本になったら読ませてもらいます。
(追記) そうだったfc2は画像直リンはねられるんだった。リンク先変更+URL付記。

ドバイの発狂計画についてリストアップしてみる。
まさしく暴走都市。

「赤い星」 高野史緒
早川の新刊リストを眺めていてちょっと惹かれた一冊。紹介文から察するに江戸+帝政ロシア+サイバーパンク+パラレル現代もの、という珍妙な組み合わせの話らしい。そういえばこの人の「ムジカ・マキーナ」や「アイオーン」もどこかの評を見て気になってはいたんだった。どれかひとつ読んでみようかな。
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by umi_urimasu | 2008-08-23 22:49 | 本(SF・ミステリ) | Comments(4)
Commented by ub7637 at 2008-08-26 00:42 x
> 第39回星雲賞に図書館戦争、電脳コイル、20世紀少年他

電脳コイルは各所で評価高いですねぇ。時間があれば、いつか観てみたいです。個人的には、『天元突破グレンラガン』、藤田和日郎『邪眼は月輪に飛ぶ』に受賞して欲しかったなと思ってもみたり。

そういえば、wikipedia見て知ったんですが、冲方のマルドゥックシリーズって星雲賞を受賞したことが一度もなかったんですね。いや、スクランブルの方は受賞してるものだとずっと思いこんでいたもので...

> まさしく暴走都市。

いい感じにSFしてますねぇ。どのくらいの規模の予算をかけてんでしょ?
Commented by umi_urimasu at 2008-08-26 13:05
>電脳コイル
絵で驚かせてくれる、アニメとして力のある作品だと思います。僕は近頃ほとんどテレビアニメをフォローしてないのですが、これは一回もかかさず最後まで見ました。

>邪眼は月輪に飛ぶ
傑作という噂ですね。僕はむかし絵柄が苦手で「うしおととら」で挫折した経験からずっと敬遠したまま今にいたっています。一巻ものなら読めるかな。

>マルドゥックシリーズって星雲賞を受賞したことが一度もなかった
あまりSFっぽい発展のし方をしない話だったせいもあるかも。星雲賞はコアなSFファンが好む、SF臭のきつい作品が選ばれやすいようだし。
ちなみに過去に星雲賞+SF大賞をダブル受賞した作品は、ざっと見たところ
 上弦の月を喰べる獅子
 ヴィーナス・シティ
 ガメラ2
 太陽の簒奪者
ぐらいのようでした。思ったより少なそう。

ドバイはむちゃくちゃですね。「SFはカネだ」と思いました。
Commented by Mr.Parrot at 2008-08-31 01:32 x
>われらオナンの末裔!いつも通りすぎてワロタ
僕も本屋で立ち読みしたとき吹きそうになりましたw
なんという御大…間違いなくライトノベル定義論争の再燃!とか考えちゃいました。

あと個人的に藤田和日郎は「からくりサーカス」が一番面白いと思うです。
Commented by umi_urimasu at 2008-08-31 13:23
>ライトノベル定義論争
そこまでいくかはわかりませんが、ラノベの人たちが感覚的にやっている虚構的なリアリズムの仕組みを解体提示するギミックとかは用意しているかもしれないなあと思います。ダンシングヴァニティ読んでから読めとも言っていたくらいですしね。

>「からくりサーカス」が一番面白い
この次、漫喫か古本屋に行くときにでもさがしてみます。
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