「はるかな響き Ein leiser Tone」飛浩隆
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楽しみにしていた『Answer Songs』企画の短篇第一弾が公開されました。飛浩隆氏ご本人のサイトでもすでにアナウンスされています。いざや飛ファンよ、こぞりて読みにゆかん!

というわけでさっそく読んできたでござる。
はるかな昔、ヒトは進化の途上で知性という宝を手に入れた。だがその代償として、彼らはある大切なものを永遠に失うことになった。かつて一心同体であったはずの、懐かしい原初の〈響き〉。この宇宙のすべての知性が、ひとしく焦がれ追い求める〈響き〉。そのかすかなエコーを聴き取るために〈スウォームキャスト〉は開発されたのだ。しかし今、この荒れ果てた惑星で、何者かがスウォームキャストに奇妙な細工をほどこした痕跡が見つかり……。
意識とは何か。その輪郭をどうにかしてとらえることはできないのか。いわゆる認知的閉鎖の問題からスターチャイルド爆誕(?)までスケールが大きく飛躍する、知性テーマのSFとしては王道をゆく作品です。ただし、「音楽」や「味」や「死」の細やかな表現によって喪失の哀しみを強烈に際だたせているのがいかにも飛浩隆らしい。

アーサー・C・クラークへの真摯なオマージュとして、名作「2001年宇宙の旅」に認知科学的な新解釈を加えたアナザーストーリーとして、飛ファンにとっては「廃園の天使」の続編が出るまでの栄養補給のチャンスとして。SF好きならばチェックしておいて損なしの一篇といえましょう。無料だしね。
公開期間などは明記されていませんが、もしかしたら期間限定コンテンツかもしれませんので興味のある方はお早めに。

以下余談。
意識とか自我とかいったもののはたらきが、じつは人間の活動においては大したウェイトを占めていない。という話は、伊藤計劃の「From the Nothing, with Love」でも使われていて、つい先日もほうほうと感心していたところでした。「ラギッド・ガール」もそっちの領分のネタをいろいろ扱っていて、作中で人間の意識は「差分」しか感じ取れないっていう説が出てきます。網膜に映る映像を固定すると人間は一瞬で目が見えなくなってしまうとかね。ドラホーシュ教授に言わせれば「意識は構造ではなく現象だ。パラパラ漫画がなぜか動画として成り立っているようなものだ」つーことらしいですが。
アニメにたとえると、普通の人間が「動いてるナー」と感じてそれで終わるただの観客だとすれば、阿形渓さんは一枚一枚の絵をすべて脳内倉庫にストックしておいて、いつでも任意の一枚を取り出したりシーンを再生したりできるディレクターみたいなものか。

ちなみに映像記憶 - Wikipediaには、ヒトの映像記憶は「幼少期には普通に見られる能力」って書いてありました。まじか。知性の代償以外にもいろいろ失ってるんだなーもー。

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人類の規格外、フレディ・マーキュリー。こんな人間がほんとにいたのかと、映像を見てさえなんか信じられないような気分
[youtube] Queen - Live At Wembley Part 01
同じくクイーン、ウェンブリー1986。LIVE AIDのほうが声の出はいいっぽい?

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by umi_urimasu | 2008-06-21 14:10 | 本(SF・ミステリ)


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