「復活の日」小松左京
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a0030177_13183931.jpg西方にクラークあり、北方にレムあれば、東の果てに小松左京ありてふ。世界各国語に翻訳されて不倒の評価を獲得した、これを読まずして何をかいわん的な小松左京の代表作です。読了したのはしばらく前で、さっき感想を書くために再度ぱらぱらしてみたんですが、初読み時の消耗を思い出して床に伸びてしまいそうになりました。


おそらく世界中を見わたしても、ここまで見事に「理詰めで人類を絶滅」させてのけた小説はいまだ数えるほどしかないのではないでしょうか。あらゆる分野にわたる膨大な教養に裏打ちされたシミュレーションは、まるで詰め将棋のような冷徹さで読み手を追いつめ、いかなる口ごたえも許しません。死にます。完膚なきまでに。ぐうの音も出ないとはまさにこのことです。

現在のテクノロジーでもたぶん、実際にちょっとの工夫とちょっとの手ちがいがいくつか重なりさえすれば、今からはじめて来年か二、三年後ぐらいにでも人類なんていとも簡単に滅亡可能なのかもしれない。別にそう大層なことじゃないような気もします。少しスケールを変えれば自然界で毎日のように起きている、ごくありふれたサイクルのひとつにすぎないわけだし。
しかしそのようにはかないものだからこそ、己をかけがえのないものと思うのが人間であり、もったいないからせいぜいがんばって生き延びようとするのがすべての生物のサガというもの。そういうふうにできている以上、これはもうしかたがない。まったく宇宙というやつは、何から何までよくできていると言わざるをえません。そう考えるとビッグバンGJ。


ところで近頃は、SFのシェアがラノベに食われてもう商売にならないとか、かつて一部で議論になっていたというSF冬の時代論だとか、いやその前からとっくに死にかけだったとか、SFを主食とする人たちが畑の不作を嘆く声が絶えずつづいているようです。でも、そうやってすぐ日本SFの凋落っていうけど、いったいいつと比べてだよ。という反問が、こうして小松左京作品などを読むと思わず浮かんできてしまうんですが。多少大げさかもしれないけど、小松左京みたいなのはもう50年に一人現われてくれればラッキーと思うぐらいでちょうどいいんじゃないかと。だいたい、小松、星、筒井クラスの作家がひとつのジャンルで10年や20年ぽっちの短期間にポコポコ出てくるのが普通だなんて思う方がおかしいんだ。常識的に考えて。あのレベルの人たちは、いうなればまあ、超新星爆発みたいなものでは。

もし僕の運がよければ、一生のうちにそうした星の光の奔流をリアルタイムで浴びる機会もあるでしょう。その前に「復活の日」みたいに人類が風邪をこじらせて絶滅しちゃったりしなければ、ですが。

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ドルアーガの塔、ってレベルじゃなかった。すごすぎる
ポストしたのはブルース・スターリングって。

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なかなか美しい。ひとつの何かがすべてを統べそうな。

本屋で立ちぱら。文庫版の「ベルカ、吠えないのか?」には犬の家系図が付いてますね。もともとは百年の孤独にならって系譜類は載せずの方針を採っていたらしいのですが。よほど家系図を望む読者の声が多かったとか?
CHUO SPECIAL RAPID » おせっかいな人間がイヌに家系図を書いてやる
以前にベルカの感想書いたときからアドレスが変わってた?ようなので、再貼り。

見てから読む?映画の原作 : 【映画】フィリップ・K・ディックの「ユービック」、映画化へ

[ニコニコ] 南斗のP レイプロデューサー 美希 ライブ(デパート屋上)
ヒャッハー!死兆星が落ちてきそうにありません
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by umi_urimasu | 2008-05-31 13:55 | 本(SF・ミステリ) | Comments(0)
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