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「王狼たちの戦旗」III ジョージ・R・R・マーティン
「王狼たちの戦旗」III ジョージ・R・R・マーティン_a0030177_2352513.jpg大変だ大変だ。毎回大変なんですが、第三巻もやっぱり大変でした。陣幕の惨劇、人為か祟りか偶然か? 手口がはっきりわからないのがよけいに恐怖を煽りたてる。いったいどうしてくれようか、この手がつけられんほどの面白さ。

これまでのように普通の人間どうしの戦いにとどまらず、魔法や呪術のような正体不明の力が登場人物に向かって直接ふるわれ始めたことにより、物語の緊張感はさらに高まってきました。何千人もの兵を従え難攻不落の城に拠っていても、邪な魔術にかかれば剣を抜く間もなく瞬殺されてしまうときては。この巻でも、まさかあの人が、あんなにもあっけなく……。うわーん! 怖すぎる。さぞかし無念だったでしょうっていうか、ほんとにもう暗殺魔法は自重してください。お願いします。純粋に怖いので。

〈氷と炎の歌〉シリーズの徹底的なキャラクター平等主義については前にもちょっと書きましたが、とりわけ、アリアとサンサのデッドラインすれすれの立ち居振る舞いには毎度冷や汗をかかされています。この二人はマジで、いつ何のまちがいでコロッと殺されてもおかしくない。これまでのストーリーからもわかるように、ジョージ・R・R・マーティンという人は子供だからとかメインキャラだからという理由で贔屓してくれるようなかわいい作家ではありません。死ぬときは誰であろうと、虫ケラのようにあっさり死にます。だからこそ、切実に願わずにはいられない。頼むからアリアとサンサはどうか助けてあげてくれ。あとブランも。この子たちまで死んだりしたら、あまりに寝覚めが悪すぎる。
近所にウィアウッドの木は生えてないので、代わりにそこらの桜の木にでもスターク一家の家内安全を祈っておいてあげようと思います。なむなむ。

また、第三巻ではあのダークホースがついに下克上のために動き出しました。恩を仇で返すか、シオン・グレイジョイよ。乱世だなー。まだはっきりと描かれてはいないものの、どうやらシオンの狙いはあっち方面らしいです。あっちですあっち! これは非常に雲行きが怪しいぞ。ロブ シキュウ カエレ ブラン キキ セマル! ホーダー! ホーダー!

大変だ大変だ。大変なまま、文庫版第四巻につづく。ホーダー!


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[ニコニコ] 逆転裁判 ―The Hell Song―
これは熱い!! 逆裁ファン必見の燃え系PV。低画質なのが惜しい。

[画像] Mathias Verhasselt氏のサイト
SFっぽい風景画やメカ絵いっぱい。

SFワールドコン2007@横浜 企画出演者リスト
国内外の著名なSF作家がずらっと。T.チャンとかL.ニーヴンとかD.ブリンとかR.シルヴァーバーグとか。なにげにG.R.R.マーティンも参加者名簿に載ってたり。行ってみたいなあ。行かないけど。
by umi_urimasu | 2007-08-22 23:19 | 本(others)


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