ラノベがラノベであるために そのいち
ちょい大きめに振りかぶってラノベ論でもブってみる。

「大人が読むものではない」という印象が強いライトノベル。僕自身もその固定観念は拭い切れません。しかし、それは必ずしもラノベが幼稚な小説である事を意味しないと思います。この種の小説は単に、まだ未発達なジャンルというだけなのかもしれません。

いわゆるラノベ的要素というものは、大人にとっては「子供っぽい」という気恥ずかしさを喚起します。これはラノベの中に、主たる読み手であるティーンエイジャーの未成熟な願望・欲望を満たそうとする要素があからさまに含まれるからです。しかしそれは、要素自体が幼稚なのではなく、加工も租借もせずにそのままさし出すやり方こそが幼稚なのではないでしょうか。どれとは言いませんが「何とかもまたいで通る」某ネアカ美少女魔法使いとかは、まさにこの幼稚さに相当すると考えられます。いや、実はよく知らんのだけど。
もしそれがファンタジーであるのなら、描くべきものはきっと露出度の高い服を着た頭の軽い女の子なんかではありません。ファンタジーは、我々の世界にまだない新たなものを生み出そうとする行為であり、虚構を通して現実の中に隠された脅威に新しい意味を与えようとする試みのことだと思います。人によって異論はあるかもしれませんが、ともかく自分はそう定義しています。そのための唯一最強の武器は「想像力」であり、だからファンタジーと想像力は不可分のものなのです。
一方で、じゃああのどらまたは何なんだと。単にガキのズリネタに過ぎないのかそうではないのか。「少年マンガ」でも「児童小説」でも括れない何か、新しい独自の何かが描かれて初めて、ライトノベルというジャンルは存在を許されるはずではないのか。ならば、それに値する何かが描かれた作品はいったい幾つあるのだろうかーー。

指輪物語やゲド戦記がそうであるように、小学生から床屋の爺さんまであらゆる世代を虜に出来るようなライトノベルが早く出てこないものか。そんな淡い期待を抱いて、時々ラノベに手を出しては引っ込める日々。
誰か「これぞ」という本を推奨してくれませんか。おねがいブロガー。
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by umi_urimasu | 2004-06-24 22:51 | 本(others)


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