「射雕英雄伝2」金庸
a0030177_2332447.jpg桃花の影落ちて神剣飛び、碧海に潮生じて玉嘯を按ず───
必殺、落英神剣掌!!
うまいぞ、あんとみつのハーモニィィィ!!

という「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」+「ミスター味っ子」的なノリの第二巻でした。今回は前作にも増して華がありますね。小悪魔と呼ぶには凶悪すぎる性格だけど郭清ラブひとすじのスーパーヒロイン・黄蓉が、歌に料理に拳法にと大活躍。聞いたこともない神技料理、白熱のカンフーバトル、登場人物もどかんと倍増。こいつはすごい。読めば読むほど面白くなっていく。
とにかく続きを。ただもう続きを。

そして今回から武林の頂点に君臨する四達人、東邪・西毒・南帝・北乞が登場しはじめます。性格や得意技はてんでバラバラですが、共通点はみんな化け物みたいに強いってこと。
このあたりの流れはやはりジャンプなどの少年マンガとの類似を強く感じさせるものがありました。「射雕英雄伝」自体は1950年代の作品なのにね。こういう「王道パターン」がいつどこでどのように成立したのか、進化過程とか調べられたら面白そうなんだが。誰かやってないかな。

東西南北の四大武侠のうち、東邪というのはじつは黄蓉のお父さんで、名は黄薬師。あの梅超風が子猫みたいにガクブルしてたり、江南六怪が束になってかかっても全然歯が立たなかったりと、もう言語道断な強さを誇っています。しかもただ強いだけじゃなくて性格は冷酷非情、加えて重度の親バカ。郭靖なんか「娘さんをください」と言い終わる前に瞬殺されかねん。
ハッピーウェディングへの道のりは遠そうだ……。


巻末豆知識。
中国映画などで武術家が剣をかまえるときに、もう片方の手の人差し指と中指をそろえて立ててることがありますよね。ちょうど指鉄砲みたいに。
あのポーズは「剣訣(剣指)」といわれ、ちゃんとした理由があるらしいです。その指を使って相手の剣を挟み取ったり叩き折ったりするためなんだって。すごい。
どこまで実戦的なテクニックなのかは不明ですが、型そのものは健康体操などのソフトな気功でもふつうに使われるものだとか。あのオビワン・ケノービもエピソード3では剣訣を結んでたらしいぞ。ただのピースサインじゃないかという説もあるが。
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by umi_urimasu | 2005-12-05 23:31 | 本(others)


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