「絡新婦の理」京極夏彦
a0030177_634506.jpg読み方は「じょろうぐものことわり」。京極堂シリーズとしては5作目?かな。
なんか安定感を感じます。京極夏彦ならではの情報操作法がすでに定着した、いい意味での安定感。謎めいた断片的な描写で読み手を幻惑しておき、ここぞというタイミングを掴むとバラバラだった情報どうしが一気につながって、まるで騙し絵のように別の形が見えてくる。たてつづけの展開で読み手を煽る終盤のスピード感は、300ページぐらいなら一息で読ませてしまうほど。

個人的にいちばんの醍醐味は京極堂による歴史の「解説」部分なんですが、これについてもしっかりとサービス精神を発揮。古事記や日本書紀にうたわれた神代の時代と戦後の社会をつなぐ糸は、どこでどう絡まっているのか?例によって、京極堂の言霊爆裂な昔噺があやしの日本裏文化を暴き出す。思わず「な、なんだってー!」とMMR風に叫びたくなるようなブッ飛んだ論戦場面も満載。

そして「絡新婦の理」では、舞台装置や設定などもかなり好き者の食指をそそるお膳立てとなっております。いや、まじめな話なんだけど。
桜林に囲まれた怪しげな黒塗りの洋館「蜘蛛の巣館」。そこに住まう一家は由緒ある素封家で、財政界にも強大な影響力をもつ一族。んで、その三人娘がこれまた三者三様のハイスペック美女・美少女。名前はそれぞれ色を冠した「茜」「葵」「碧」。三姉妹キタ——(゚∀゚)——!もちろん出生・経歴はドロドロのいわく付き。
さらに言うなら末妹は齢十三、天使と見紛う可憐な容貌、厳格なミッション系女子校のアイドル。

でもアイドルの正体は真性サド。

決めセリフは「ふふ、良くってよ」

そんな最強すぎる妹が通う学園、花も恥じらう乙女の園では夜な夜な背徳の限りを尽くす呪いの儀式が行われ、血も凍る惨殺劇やエコエコでアザラクでザラキでイオナズンな展開が次から次へと巻き起こり。

え、もういいですか。そですか。

学校の七不思議。黒いマリア様がみてる!ああ、本当にみてますけど……
そんな話です。トイレの花子さんぐらいでガクブルな人にはちょっとお勧めできない。
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by umi_urimasu | 2005-03-08 06:37 | 本(SF・ミステリ)


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