シルヴァン・ショメの異形の世界
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最近はじめて作品を見て、いたくお気に入りのアニメ作家がシルヴァン・ショメです。「ベルヴィル・ランデブー」のコミカルでグロテスクな狂騒、静かな哀愁ただよう「イリュージョニスト」、「老婦人とハト」のとぼけた狂気、なにもかもに惚れ申した。特に、ベルヴィル・ランデブーの強烈なデフォルメ表現には異様に惹かれるものがあります。この架空の巨大都市、まさに異形都市好きの桃源郷。
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ベルヴィル・ランデブーの劇中には、なつかしい時代の音楽や演芸へのオマージュ?あるいはパロディ?がたくさん仕込まれています。でも物語の本筋としては、「誘拐された孫を助けるためにばあちゃんが戦う」というだけのいたってシンプルなもの。説明だけなら一言で済んでしまう話なのに、思いがけない面白さで動く絵や細やかな芝居やごちゃごちゃした風景に見入っていると、1時間があっというまにすぎていきます。基本的に芝居はパントマイムなので、言葉にたよらず目で楽しめるのも嬉しい。日本のアニメは絵が動かない代わりに難しい話をつめこむものが多いからか、こういうやりかたは僕にはとても新鮮に映ります。

人物などの動くオブジェクトと背景画がまったく同じタッチで描かれていて、ひとつひとつのカットが一枚の絵としても違和感のない画面に仕上げられているのも、地味にすごく好き。これはもしかしたらフランスのバンド・デシネ文化に関係あるのかもしれないけど、よく知らないのでなんとも。少なくとも日本のアニメでは、ここまで全編にわたり徹底して画面のタッチを統一するスタイルはあまりとられないみたいです。技術的にたいへんなのかな。ひょっとしたら恐ろしく手間がかかるのかもしれない。

あと、ショメとはちがった方向性ながら、幻想的な異形の世界をビジュアルで見せてくれる作家として、最近ショーン・タンが個人的いち押し。Lost Thing のアニメもすばらしかったです。日本でもああいう異形幻想アニメがもっと盛んになってくれるとありがたい。
日本では萌え文化?の影響力が大きいせいか、絵のかわいくないアニメはなかなか流行らないようですが、湯浅政明などはやや異端的なポジションに陣どっているイメージがあります。湯浅政明の異形指向と宮崎駿のレトロ風ユートピア(ただし説教くささは抜きにして)をまぜれば、ちょっとシルヴァン・ショメに近い世界になりそうな気もする。

[youtube] ベルヴィル・ランデブー トレーラー

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by umi_urimasu | 2011-08-07 23:28 | アニメ・マンガ | Comments(0)
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