ふぇいと/すていないと Fate/stay night
『おじいちゃんが おじいちゃんが』

逃げてー!
ま、ひとことで言うなら、剣と魔法と………蟲。
やめれってば。蟲はダメだってば。

ノベルゲームの枠に限定すれば、出来ばえはおそらくトップクラスなのでしょう。時間のかかるゲームを始めると大抵は長い「倦怠期」を挟むことになる僕ですら、この膨大なテキストを毎日こつこつ読み込み、10日とかからずに読み終えてしまいました。自分でもちょっと驚き。
ただ、これは平行して読み進めていた京極夏彦の空気の濃さに引きずられたせいかもしれません。なんか伝奇スイッチが力いっぱい入っちゃって。ちなみに自分内ランキングではもう断然京極圧勝なのですが。まあ土俵の異なる作品同士ではそもそもフェアな比較など不可能ですし、ここは素直にFateの健闘を称えておきましょう。

【手がたい。】
この手の商品はユーザー層をかなりせまい範囲に限定しますが、その価値観に沿ってわかりやすい例えを用いるならば、Fateは要するにパワーアップ「月姫」(※1)でした。本質的な要素は不変のまま、音、画、インタフェースなどにおいて同人作品レベルに留まっていた前作の質をプロメーカーレベルに引き上げたというところ。制作者の狙いが「月姫」でつかまえたファンを確実に再捕獲することだったとすれば、その目的は完全に達成されたと言えるでしょう。もちろん、違うことをやりたかったけど開発予算がなくてシステム周りがタダ同然のデジタルノベルしか作れなかったのかもしれませんが。
はっきり言えば、冒険性はゼロということですね。その手堅さはすばらしい。賞賛に値します。

内容に関しては、今さら多くを語る必要もない気がしています。商品としてではなく、純粋に小説的な質の向上とみなせる点もたくさんありましたが、作家・奈須きのこの手札の多くは「月姫」と「空の境界」で出揃っていたようです。今回が劇的な飛躍というわけではありませんでした。こうなると、読者の満足度は「クオリティの上がったその部分が好きか嫌いか」という一点のみに左右されます。個人的な感想をいえば、「基本的には好きなんだけどオーバードース気味」という感じ。ボリュームの大きさがかえって仇になったというか、どのストーリーも判で押したように同じノリなのに、この量はさすがに多すぎるだろというか。



【物語の圧縮】
ぼーっと大作小説などを読んでいるときなど、「物語の圧縮」ということについて考えます。よく似た展開、テーマ、人物造形など、おきかえ可能な要素の反復をひとつにまとめたらこの小説をどれだけ小さくできるか?といったようなことを。何らかの小説的な効果を狙っていない(コントロールしていない)ままで同じものが何度も繰り返された場合、読み手は確実に飽きてしまいます。この意味では、Fateはキャラ別プロットや戦闘シーン、日常描写のあたりが類型的なため、かなり大きく圧縮されてしまう気がするのです。
適切な比較かどうかわかりませんが、対照的な例が「鬼哭街」(※2)で、こちらはストーリーは1本だけ、キャラクターや世界観についてもよけいな描写は完璧なまでに省かれています。比べてみると面白い。かも。

もちろん、Fateはそのリスクを承知の上で「増やしても大丈夫」と踏んでボリュームアップしたはずです。ユーザーがぽわわんとした日常ライフの描写を呆れるほど貪欲に欲しがるものだということは、「月姫」ですでに証明されているからです。ま、それが悪いとは言いませんけど……。僕はそういうのに飽きるのがわりと早いみたいで。

(※1)「月姫」 windows用ゲーム 制作:Type Moon 発売:2001年頃
(※2)「鬼哭街」 windows用ゲーム 制作:Nitro Plus 発売:2003年
言うまでもなく、いずれも輝く大人シールが以下略。



とりとめがなくなっちゃったので、もうこの際とりとめなくしまくってしまいます。思いつくままに。

【月箱】
巷ではかなり魅惑的なお値段で取引されてるようです。そこまでの商品価値はないんじゃないかと苦笑してしまいますが、3000円足らずで手に入れたこのブツも売ってしまえば○万円とくらー。大貧民→大富豪。
ワラシベちっくな夢想転生を淡く夢見るお年頃。

【umi_urimasu過去のハマりゲーム歴】
「ファントム・オブ・インフェルノ」
文字通り寝食の時間すら削り込んで読み通しました。最後には水と食パンで命をつなぎつつ読破。気がついたら衰弱してた。
「鬼哭街」
同じくニトロだけど、こちらは寝食を削らずに済みました。でもそれは一日で終わる分量だったからです。もし三日分の量があれば、やっぱり三日間ぶっ続けでやってたはず。
「ガンパレードマーチ」
毎日少しずつしか進まなかったにもかかわらず、3ヶ月ばかりこのゲーム「だけ」を根気よくやり込んだという異常な例。自分でもなぜあんなにハマったのかいまいち不明。
「メタルギアソリッド」
ごく普通のプレイスタイルでありながら、娯楽としての洗練度によって「遊ばされた」ゲームとしてこれをあげておきます。ほんと、よく出来てたなぁ……。
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by umi_urimasu | 2004-09-20 18:56 | ゲーム | Comments(0)
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