あれ?狂ってない。荒山徹なのに全然狂ってないよ。珍しく妖術も忍者も怪獣も出てこない、正統派の歴史小説でした。この人らしいツンデレ韓国史観はあいかわらずで、韓国史上最高の英雄とされる李舜臣を(「してやったり」とでもいわんばかりに)いやらしい腹黒狡猾キャラに改変したりしてますが、ストーリーはあくまで史実尊重指向。まあ、普段があまりにもアレなので、たまにはこういうまじめなのもいいです。読者としての正気ぐあいの確認にもなるし。それに正史について知っておけばおくほど、異本としての伝奇を読む面白さも増加するわけだし。伝奇を愉しまんと欲すればまず正史を学ぶべし。これも小説の兵法というものでしょう。今後の荒山徹作品への期待、というよりはただの妄想なんですが、いつか元朝時代を題材に「モンゴル柳生VS朝鮮妖術VS耽羅忍法!大決戦」みたいな話を書いてくれたら楽しいだろうなあ、と思っています。 義経=ジンギスカン説 - Wikipedia こういう巷説伝承のたぐいをつなげたり広げたりしていけば、日中韓をひっくるめたかなり壮大な風呂敷もあるいは可能なのではないか。徳川家康(トクチョンカガン)にならって、源義経(ウォンイギョン?)なんてどうだろう。 そして、モンゴル帝国まで伝奇柳生の射程に入れることができれば、ヨーロッパまではもはや一足一刀の間合いです。フィクションの中でヨーロッパと柳生/新陰流ネタをつなげようとこころみた前例は、これまで皆無ではなかったでしょうけれども(十兵衛ちゃんとかジンゴイズ伯爵とか)、がっちり歴史考証をして本格的に欧州柳生をやっちゃった作品というのはまだ聞いたことがない。だからこそ夢みてしまう。モンゴル柳生やシベリア柳生ができるんだったら、柳生十字軍とかビザンチン柳生とか神聖ローマ柳生だってできるかもしれないと。 柳生十字軍!なんたる恥ずかしい響き。重症だ。 ───── 美少女エルフも登場! 角川つばさ文庫版「ドラゴンランス 3 城砦の赤竜」が発売 表紙は萌え系ローラナ。なじみ深い作品をこうしたラノベ的なイメージに変換して読んでみたら、それはそれで興味深い体験になるかも、と思わないでもないんですが、元からのイメージがどうしてもリセットできそうにない。子供のころに刷りこまれたイメージというのはとてつもなく堅固なものらしい。そう考えると、人と本がいつどのような形で出会うかってのはすごく重要。 ハヤカワ・オンライン|早川書房 刊行予定 コーマック・マッカーシー「ブラッド・メリディアン」が12/25予定。ワオ。 e-hon 本/「歪み真珠」山尾悠子 国書刊行会 > カルト的な人気を誇る著者の新作小説集が6年ぶりに登場。バロックなイメージが渦巻く傑作幻想小説集 12月下旬予定。今度こそほんとに出るんだろうか。 『正座と日本人』丁宗鐵 松岡正剛の千夜千冊・遊蕩篇 日本人の「かしこまった座り方」はいつから、そしてなぜ、正座ということになったのか?いろいろな図画書物にあたってみたものの結局まだよくわかんない、ということらしい。 慶応2年から平成20年までのベストセラーをリストにしてみた 出版業界の豆知識 ベストセラー 明治3年~平成21年(元データ) 出版部数のデータもどこかにないかな 「ちょっと未来の道具で始まるちょっといい話」をとりそろえた作品集。もともと技術系ハードSFを得意とする小川一水ですが、これはそっち系の読者のためではなく、あくまで広く一般人向けに書かれたもののようです。物語は日常ドラマから逸脱せず、出てくる機械もカメラや介護ロボットといったわかりやすいものばかりで、読後感はすっきり爽やか。話題は平凡なOLやさらりまんの恋愛、仕事、趣味のことまで。科学の話は深入り禁止。そういう趣旨の本なので、硬いSFを主食にしているような人にとっては張り合いがないと思います。でもそんな人たちのことを気づかってくれたのかどうか、一応「白鳥熱の朝に」というガチSFな作品もひとつ収録されています。これはパンデミック後に生き残った人々の苦悩を描く、いわばプチ「復活の日」。実際に近い将来の世界的大流行が懸念されている新型インフルエンザ(H5N1型)を題材としており、想定される蔓延のプロセスからポスト・パンデミック期の社会問題などにまで目くばりが効いていて、ちょっと考えさせられる内容です。僕も思わず真剣に読んでしまいました。明日はわが身ということも十分ありうる話だ。くわばら。 ところで、表題作「煙突の上にハイヒール」に出てくる「Mew ミュウ」、これはプロペラのついたランドセルを背負って空を飛ぶ一人用ヘリコプターみたいなものなんですが、じつはそれっぽい道具はすでに実用化され、販売もされているみたいですね。もちろん燃料電池式じゃなくてガソリンエンジンだけど。 GEN CORPORATION 自転車感覚で乗れる1人乗りヘリコプター メーカーは日本のゲン・コーポレーションというところ。なんでも社長の趣味の延長で開発されたらしい。見た目は少々もっさいし騒音もきついですが、最大高度1000m、時速90km、飛行時間30分と、性能はMewと比べても見劣りしません。というか、むしろこちらがMewの直接の元ネタではあるまいか。ただし、スペックが足りていても種々の法規制がかかるため、日本では自由に飛びまわるなどもってのほかだそうで。 ───── テッド・チャン インタビュー 「地獄とは神の不在なり」を巡って これは貴重!宗教と科学、神の存在、自由意志と決定論などのテーマを、それぞれの作品でどのように扱っているか、チャン自身が懇切丁寧に語ってくれています。作家志望者へのアドバイスとして、「なぜ物語を書くのか」というモチベーションについての考え方も披露。 『僕たちは未来がわからない。問題ないね』『ただ一人自分のみ語ることのできる物語というのは、ほんとうにわずかしかない』『作家にとってもっとも必要なものは、自分自身に忠実であること』とかかっこいいセリフ連発でちょっと笑える。意外と熱い人なのかな。 [ニコニコ] ゴンドールの大将が踊る「キラメキラリ」 今度はボロミアです。モデルのクオリティ異常すぎます。すばらしい笑顔だ [画像] Hotel Ukraina in Moscow ヒプノシスのジャケットみたいな不穏さが印象的な写真 ![]() 見果てぬ夢、とはこういう作品のことをいうんでしょうかなあ。五味康祐がもし柳生武芸帳を完結させていたとしたら、いったいどうなっていただろう。伝奇小説に使えそうな柳生一族ネタは残らずやり尽くされてしまい、他の誰も手が出せないジャンルになっていたかもしれない。それほど徹底的で容赦のない網羅ぶりでした。あまりに多くの柳生ネタを詰め込みすぎたために物語の枝が膨大になりすぎ、まとめる気配など微塵もなくいきなりぷっつりと終わっている結末は、いっそ崇高さすら感じさせます。この夢は永遠に終わらない。柳生好きたるもの、かくありたし。五味作品の格調高い文体で描かれる剣豪たちの挙措には、深く研ぎ澄まされた、なにかこう、静謐な迫力があるように思います。心理描写はほとんどないんですが、無言の一動作の中に、「死」をきわめて近くに置いて生きていた武士の心性の峻厳さみたいなものが鋭く光る、そういうもののようです。特に柳生宗矩や兵庫の突き抜けた覚悟完了っぷりに、僕などはただ畏れ入るばかりでした。 しかし一方で、五味康祐という人はわりとおちゃめなネタ伝奇好みの人でもあったらしくて、じつはけっこう楽しんで悪ノリしてるのでは?と思うようなおバカっぽいことをぬけぬけと書いていたりもするんですね。 たとえば柳生兵庫が毎朝やっていた健康法として、「空気を腹に呑む」秘法があるという話。深呼吸をして、肺ではなく胃の方へ空気をいっぱい呑みこむんだそうです。もちろん生理的にできるわけないはずですが、達人になれば造作もないことだという。そうして新鮮な空気をたっぷり腹にたくわえ、やたら「おなら」をします。これによって体内の汚れた空気を排出し、清浄な空気に入れかえ、体調がよくなるのだとか。ウソをつくなウソを! また、時代伝奇ではおなじみの坂崎事件にはいろんなパターンの逸話があるんですが、柳生武芸帳では「よりによってそれはねーだろ」という特にひどいパターンをわざわざやったりもしています。それは兵を集めて立てこもった出羽守の屋敷に、柳生宗矩が幼い十兵衛を単身潜入させて出羽守を暗殺させた、というもの。その際に傷を受けて十兵衛は隻眼になったんです。だって。バカかよ!ねーよ。ネタにしてもあんまりだよ。 とまあこんなふうに、古武士の美学に背筋を伸ばしつつ、同時にひどい伝奇ネタで笑い転げながら読める、そんな聖俗の両面性も五味作品の魅力なのではないかと。 あと、五味柳生といえばなんといっても黒宗矩のかっこよさ。あのマキャベリズムの権化みたいな謀略マシーンっぷりに惚れてムネノリスト(?)になった人も多かろうと思われます。まだ弱冠15歳の宗冬(宗矩の三男)に忍者として女装の術を仕込むために歯を一本残らず引っこ抜かせて眉ひとつ動かさないとか。宗冬の入れ歯をつくらせた歯医者に涙ながらに感謝しておいて、裏では口封じのために宗冬本人にその暗殺を命じたりとか。さらに、秘蔵の武芸帳をうっかり水戸徳川の幼君千代松(水戸光圀)に見られてしまった友矩(宗矩の次男)に向かってはこの調子で。 「将来御成人の上、本日の事お懐いなされ、不審をいだかれまするは必定。その時は」実の子にすらっとこれを言い放つ父親!もちろん他人だけでなく自分自身に対してもまったく同じ態度です。隆慶一郎や荒山徹の作品では往々にしてへタレ策士っぽいキャラクターとして描かれているせいで、あとから五味版宗矩を知った僕にはよけい冷酷非情に見えるのかもしれませんが、それにしても圧倒的な黒さ。とにかく強烈な人物造形でした。今までにこれより黒い宗矩を描けた人っているんだろうか。 柳生武芸帳があまりにも気に入った勢いで、次は「兵法柳生新陰流」にとりかかってみました。なんじゃこりゃ。柳生ジェットストリームアタック!吹いた。おバカさんすぎる。兵法は死狂いだな。でもその一方で、こうも書かれています。「真に死を覚悟したものに太刀技は効かない。剣術は死を恐れる心境がつくりだした芸術である」。これだから五味柳生って好きだ。 ───── [ニコニコ] 自主制作アニメ - フミコの告白 我々はついに野生のスタジオジブリを発見した [youtube] The Open Road London (1927) 1927年当時のロンドン市街の鮮明なカラー映像。これは映画じゃないんですか!?こりゃグエン卿も大興奮だ。どんなにありふれた情報でも、時間を越えてそれを残すというのは後世の人にとって計りしれないほどありがたいことだろうと思う。 イーガン版四次元 Flat Land = 時間衝突? - JGeek Log イーガン次回作「Orthogonal」の予想と解説。おそらく時間の逆行に関する話だというのはどうやら確からしい。ルミナスの時間版?ありうる。でも、時間が普通に逆に流れる世界の生物学ってどんなんだろう。 筒井康隆 笑犬楼大通り 偽文士日碌 『これがわが最後の短篇となるであろうことを通告する。実際、もう短篇は書けないと思う。どんなアイディアを思いついても過去のいずれかの作品に似ているのだ。』 残念だけどそういうことなら。長編はOKなのかな。まだまだ現役でご活躍いただきたい。
「やる夫で学ぶ柳生一族」シリーズの作者、神無月久音さんによる興味深い調査結果。日本の有名な剣豪の知名度を検索エンジンのヒット数で比較してみようという試みです。これは壮観だー。
【ヤフー検索でのヒット数ランキング (1位~63位)】参考:剣豪人物一覧 - Wikipedia それにしても新撰組強すぎる。柳生一族たじたじではないか。将軍家御家流の名が泣くぞ。 上記リストの引用元であるところの現行スレはこちら。 やる夫で学ぶ柳生一族(パー速版その3) グーグル検索は信頼がおけないと判断してヤフーを使用した経緯についてもスレの方で言及されています。理由は柳生友矩のヒット数が不自然に多すぎたためとか。尻ひとつで49万ヒットとは、やってくれる喃。 ───── 柳生武芸帳、そろそろ読み終わります。とてつもなく豪華な話だった……。内容も、文章も。これが未完とはあまりにも無念。朝鮮柳生への布石、兵庫VS浮月斎の対決の可能性など、これからもますます面白くなるはずだったのに。五味康祐よ、なぜ死んだ! [youtube] ちいさなクトゥルーの冒険 The Adventures of Lil Cthulhu [ニコニコ] ルルイエ★ナイトフィーバー 一見タコがかわいく踊るだけの無害な動画だがもちろん教団の洗脳工作でありたぶらかされてはならない。 グレッグ・イーガン インタビュー October 30, 2009 新作情報、作者の近況、人工知能の未来、注目している分野などについて。「Zendegi」は知ってのとおりイラン取材を活かした脳マップVRもの。執筆中の「Orthogonal」は、ちょっとだけ異なる物理法則に支配された宇宙(ある基礎方程式のマイナス記号をプラス記号に変更)で生じるアンビリーバボ-な諸現象を描いたものらしい。楽しそう。 [画像] 火星の地表の写真集 火星すごすぎる……。それぞれの画像にスケールも書かれていたらもっとありがたかった 荒山ファンのあいだでも若干渋い評価を受けているようなんですが、僕もこれはちょっと微妙な出来ではないかと思います。朝鮮妖術と捏造日韓史の発狂ぶりについては、ほぼいつも通りのひどさ(誉め言葉)だったかと。しかし、にもかかわらず最後までさっぱり盛り上がれなかった。いったい何が原因だったんだろう。振り返ってみるに、結局ストーリーの流れに気持ちが乗れなかった、という感じだったかなあ。登場人物の目的や利害がはっきりしないまま忍法帖スタイルの戦いだけが繰り返され、しかも行動の目的はどんどん勝手に修正されていってしまう。このせいか、どうもストーリーが終始他人事じみて見えてしまったようです。あと、ラストがひどい投げっぱなし。いつもクライマックスはきちんと盛り上げて、広げた風呂敷もそこそこ丁寧にたたむ人だと思っていたので、このやりようには困惑してしまいました。魔別抄が真田忍者衆をぺぺぺと片づけるくだりなどは明らかにネタとわかるので納得のしようもありますが、せめて玻璃鏡伯や晋陽候との戦いは、最後なんだし、もうちょっとさあ……。もしかして、なんかそういう技法上の実験なんでしょうかね、これ。 今まで荒山徹にハズレはないと信じていたけど、これを読んでちょっとショックを受けて、当然買うつもりでいた徳川家康(トクチョンカガン)のことが不安になってきました。ネットの評判をみると、鳳凰の黙示録とタメをはるダメ具合だと厳しい評価を下した人もいるようです。雑誌連載中の柳生黙示録を読むかぎり、「最近はいつもぐだぐだ」というわけでもなさそうなんだけどなあ。今しばらく手出しを控えて様子を見ようか。 ───── 荒山柳生から少しはなれて、先日来「柳生武芸帳」を読み中です。五味康祐すごすぎる。寛永年間で可能な柳生ネタがこれだけであらかた網羅されてる。もめごとは全部柳生の陰謀。ここまで徹底的にやり尽くされたら他の人の仕事が何もなくなるだろ!ってくらい、ありとあらゆる柳生ネタがブチ込まれてる。きちがいだ(誉め言葉)。たぶんこの人こそ名実ともに日本一の柳生脳。ただし、十兵衛の出番はほとんどないです。ちょっと意外でした。でもその分黒宗矩全開なのでむしろ大満足。 [ニコニコ] 講談 「柳生二蓋笠」 五代目一龍斎貞丈 昔の音源なので聴きとりづらいけど、語り形式ならではの言葉づかいが面白い。他の講談だと、荒木又衛門が十兵衛の弟子にされてたりとか、けっこうめちゃくちゃな話もあるそうな。いいかげんだなあ。 小説へのいざない:奇想の系譜 最高権力者が影武者だったら 影武者家康つながりで隆慶一郎&荒山徹の紹介。どうも最近、荒山徹がやたらマスメディアで注目されはじめているような気がする。よく知らないけど戦国時代ブームの影響などもあるんだろうか。なんにせよ、知名度があがるのはめでたいことだ。 [youtube] The Cup Of Tears Trailer これはひどい予告編。期待のトンデモサムライ映画 山田風太郎賞創設: 新人~中堅作家対象、筒井康隆氏、京極夏彦氏らが選考 期待できそう 柳生十兵衛 と 柳三厳 を合成 by まぜまぜモンスター なぜか大武仏っぽい感じになりました。この上なく軟弱な柳三厳の意志により…… まさに森薫の、森薫による、森薫のための漫画。「民族衣装描きたいいい!」という作者の叫びが紙面から聞こえてきそうな、恐るべき描き込みの細かさです。しかもトーンワークの一部を除いて、作画作業のほぼすべてを森薫ひとりでこなしているのだとか。これはもう、「仕事だから手をぬかない」とかいうまともな道理の通じる次元ではないってことなんでしょうかね。本人の気のすむまで描いて描いて描き倒す、その筆ゆきを読者はただ見守ることしかできないのではないか。そんな気さえしてしまいます。エマの連載期間中に劇的な進歩をとげたこの人の絵が今後どう変化していくのか、楽しみでもあり、少々恐ろしくもあり。「乙嫁語り」の舞台は19世紀中央アジアのカスピ海沿岸地域で、劇中の衣装もそのあたりのものを参考にデザインされているらしいです。では、元ネタにあたる実際のその土地の民族衣装はどういう感じなんだろう。気になって検索してみたんですが、なかなか似た衣装って見つからないもんですね。イメージとして比較的近いと思われるのは、たとえばこういうの。 ↓ Traditional AZERI FOLK clothing アゼルバイジャンの民族衣装。アミルの着物に似てなくもないかな。ただし遊牧民の服ではなさげ。 A Tajik woman wearing traditional costume タジキスタンの女性服。メダルのようなアクセサリはそこはかとなく似てるかも。 Tajik Wedding 同じくタジキスタン。帽子の形状がそれっぽい。 森薫の新連載「乙嫁語り」に出てくる“テュルク系民族”を追う トルクメニスタン的な要素も含まれていそうだとて調べた人がいなさる。 Uzbek Man in Traditional Clothing ウズベキスタンの男性。縦じま柄の前合わせ着物は作品中にも頻出。 最初は「カスピ海ってどこらへんだっけ?」という状態だったんですが、画像を見てまわっているうちに多少はご当地の人々の生活感などが身近になったような気がします。無駄ではなかったと思おう。 ───── [画像] Autumn scenes 無駄にカッコイイ七面鳥の写真 この模様を見てピンときた人はオタクですって。 「この模様を見てピンときた人は○○○」のまとめを誰ぞつくりたまえかし。 五味康祐「柳生武芸帳」にとりかかりました。面白ええええ!ブラック宗矩かっけえええ!とテンションあがりまくりでガシガシ読みながらふと検索 → 未完と判明。なんてこった。 → 10/27 今日も読む。ガッシガッシ貪り読む。大久保彦左衛門がナイスジジイすぎる。 せがわまさき 新連載は「山風短」 風太郎の短編から原作をいくつか選んで順に漫画化していくということらしい。まずは「くノ一紅騎兵」から。 「越境」がツボに入りすぎた勢いでこちらも読了。すばらしい。この作品の一番のすごさはやはりその圧倒的な「馬描写」にあると思います。これはまわりくどい説明をするより本文を読んでもらった方がわかりやすいでしょう。引用が長すぎるのはあまりよくないかもしれませんが、とりあえず二つほど例を挙げてみます。 ジョン・グレイディが両膝ではさむ肋骨の穹隆(くさかんむりに隆)の内側では、暗い色の肉でできた心臓が誰の意志でか鼓動し血液が脈打って流れ青みを帯びた複雑な内臓が誰の意志でか蠢き頑丈な大腿骨と膝と関節の処で伸びたり縮んだり伸びたり縮んだりする亜麻製の太い綱のような腱が全て誰の意志でか肉に包まれ保護されて、ひづめは朝露の降りた地面に穴をうがち頭は左右に振りたてられピアノの鍵盤のような大きな歯の間からは涎が垂が流れ熱い眼球のなかで世界が燃えていた。 彼と馬たちが高い地卓を駆けると大地に蹄の音が響きわたり彼らは流れ向きを変え走り馬たちの鬣と尾は泡のように体から吹き流れ高地には彼ら以外にはなにも存在しないかのようで、彼らはみな自分たちのあいだからひとつの音楽が沸き起こったというようにひとつの響きとなり牡馬も仔馬も牝馬も恐れを知らず彼らがそのなかで駆け回るひとつの響きは世界そのものであり言葉で言い表す術はなくただ礼賛するほかないものだった。この猛烈な文体。いかがでしょうや。少年がいだく野生へのあふれんばかりの賞賛と畏敬の念がだだ漏れで、読んでて呼吸困難になりそうな文章ではありませんか。句読点?なにそれおいしいの? 主人公のジョン・グレイディは馬を何よりも愛する少年であり、彼にとって馬は世界が存在する意味そのものです。そんな純粋さをあざ笑うように、運命は彼に苦難の道を歩ませ、希望を打ち砕き、多くのものを奪います。自分の流儀では大人の世界で生きていけないことを思い知らされ、愛した女性とも別れて、命からがら故郷へ戻ってゆくジョン・グレイディ。その心の底には、たとえこの世界が滅び去ったあとでも「馬の心臓のなかにある秩序」だけは永遠に消えない、という思いが結晶していました。放浪の果てに彼の手元に残ったものは、馬と、馬のなかにあるこの永遠のもの(ただしそれは人間には決して触れることができない)だけだったといってもよいでしょう。 「すべての美しい馬」で躍動する馬たちの中にジョン・グレイディが見たものと、「越境」で死にゆく狼の中にビリーが見たもの、そして「ザ・ロード」で少年の中に父親が見たもの。それらはすべて究極的には同じもののように思えます。しかしその本質を言葉で言い表す術がない以上、ジョン・グレイディやビリー同様に、人間はただひたすらそれを礼賛することしかできないのかもしれません。 なんか馬のことばかり強調してしまいましたが、ストーリーの方もたいへんなものでした。流浪のカウボーイと裕福な牧場主の娘の身分ちがいの恋、映画のような命がけの刑務所サバイバル、少年たちが未知の世界めざして旅をする青春西部劇などなど、じつに波乱万丈で盛りだくさんな内容になっています。基本的な素材は「越境」と同じでも、こちらは若干明るい雰囲気と派手なストーリー性のおかげでずいぶん読みやすい印象があります。ただしその分、神話的な色合いはやや薄めかも。個人的には陰鬱で内省的な「越境」の方がより好みに合ってる気がしました。このへんは人それぞれかな。 ───── [ニコニコ] 【そらのおとしもの】空飛ぶパンツのようなもの【実体化】 野尻抱介、不惑を越え久しくもいまだ稚気をまぬかれず。でもSF作家というのはこうして年甲斐もなくアホなことするくらいのネタ体質加減でちょうどいいのかもしれない。 空飛ぶパンツのようなもの - 野尻blog いまだ稚気を……パンツソプターオフ会へのいざない [画像] こまけぇことはいいんだよ!てきとうな建物の世界 奇妙でまぬけで、どこか寂しげでもあるトマソン建築の数々 萌え絵で読む虚航船団 肥後守篇/その1 見にいくたびに着々と進んでる。この作品、もし文房具を全員分やり終えたらそこでおしまいになるんだろうか。それともそのままつづけていくんだろうか。原作ではちょうど肥後守のあたりからクォール侵攻へとストーリーが動きはじめます。ここからの展開が気になる。 ![]() 今さらすぎて恐縮だが、ありのまま起こったことを話すぜ……「仮想空間で宇宙のシミュレーションを走らせていたと思ったらいつのまにか自分の宇宙の方が逆にシミュレートされていた」 だいたいこんな話。だったよね? 難解で理屈っぽいというイメージをもたれがちなイーガンですが、じつはこの順列都市はけっこう「笑える」小説なんじゃないかと思います。特に終盤、飼ってた虫に「あんたらの宇宙論ないわー」と否定されたせいで宇宙崩壊!逃げるぞ急げ!いやじゃわしはここで死ぬんじゃ!と大騒ぎしてるあたりとか。登場人物にとってはシリアスな状況だけど、見ようによってはパニックコメディみたいにも見える。そして話のスケールがあまりにもでかすぎ。それが水も漏らさぬ論理展開の帰結だからよけいおかしみを誘う。そんなふうに感じる僕がおかしいのかな。 塵理論についてはどうも理解があやふやでした。でも、 グレッグ・イーガン自身による塵理論の問答集 Q2 最終状態が同じなら記憶も同じ、コピーは違いを認識できない。ダラムの実験の意味なくね?このQ2とQ3で「なんだそうか、まあいっかこれで」と思えてしまったので再読は当分なし。ネットで軽くおさらいする程度で妥協しようかと。 あと、関連しそうな用語や話題のリンクを少し拾ってきました。イーガン読むならこのへんの周辺知識はあればあるほどよいでしょう。 セル・オートマトン - Wikipedia エデンの園配置 - Wikipedia シミュレーテッドリアリティ - Wikipedia 強いAIと弱いAI - Wikipedia スーパーコンピューターでネズミの脳活動の再現に成功 以下おまけ。イーガンスレで見かけたディアスポラのポエム。ヤチマはかわいい。これは数学的真理だ。 661 : 名無しは無慈悲な夜の女王[sage] : 2007/05/28(月) 00:44:46 ───── [ニコニコ] 【MikuMikuDance】ミクトラセブン [ニコニコ] 【MikuMikuDance】ミクトラマン【フルVer.】 何よりもその巨大感の表現に、民家の撮りかた次第でこんなにも絵になる画面がたくさん作れることにびっくり。エヴァもウルトラマンからこの方法を借りてたのか 世界が期待する「人喰いの大鷲トリコ」について,上田文人氏にそのこだわりを聞いてみた あとで読む → 読んだ。今回はやはり動物表現に凝っているらしい。早くやってみたい。 Amazon.co.jp: 「爆撃聖徳太子」 町井登志夫 これが気になってます。題名のひどさ、表紙のひどさ、共によし。「すごい努力をして『京都の料亭に出してもおかしくない広島風お好み焼きを作った』ような」本、という評もあり。でもじつは伝奇分はそれほどでもなさそう?どうも方向性がよくわからない。念のため、もう少し人の評価を見まわってからにしよう。 [youtube] アニメ そらのおとしもの 第2話ED(HD) 世界平和を願い生命を讃えるという清らかで気高いメッセージが込められたよいED “描き込み魔”森薫、新作「乙嫁語り」の制作過程をお届け こ、こまか……。人間のりんかく線などをさっとひと筆で決める人もいるんだろうけど、森薫はほんの少しずつコリコリ線を重ねていくタイプ。さらにあの病的なまでの服飾描写。時間かかるのも納得
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